第214話 ディオ/ホーリー・ダイヴァー/Holy Diver を語る

ディオ/ホーリー・ダイヴァー 1983年 発表。

ブラック・サバスを脱退したロニー・ジェイムス・ディオは遂に自身のバンドを結成した。その名も「ディオ」!

レインボーに於いてハード・ロック界の帝王に君臨し、ブラック・サバスに於いて新世代のへヴィ・メタル界の魔王となったロニー・ジェイムス・ディオ。

いよいよ「ディオ」としての進撃を始める時が来たのだ!

もうみんな知っていると思いますが、イタリア語の「DIO」は日本語では「神」の意味を持ちます。

イタリア系のロナルド・ジェイムス・パダヴォナさんは自分の名前に「神」を使ったのです。

この圧倒的自信がその後のロニーの人生を決定付けたのでしょうか?!

近年、解明された生命心理学から考えると納得が行きます。偉大な人生を送りたいと考える皆様、自身に偉大な名前をつけましょう!(するとトリスタンはあまり良くない?)

しかしオジー・オズボーン同様に、とんでもなく凄いデビュー・アルバムを作ったモノである!名曲だらけでどうしよう!ライヴでのキラー・チューン満載!

パワー漲るその歌声は全ての忌まわしき事象を粉砕する!

メロイック・サインを掲げよ!我に続け!

Stand up and shout !

メタルの神よ、私達はどこまでも、いつまでも貴方について行きます!

そのハズでした…。

2010年5月16日。

あれから11年が過ぎた。67歳である。当時は結構な年齢だと思われたが、今考えるとあまりにも若い…。

きっと良くなって戻って来ると思っていました。突如知らされた訃報には本当に衝撃を受けました。(涙)

もしご存命なら90歳でもメタルを歌っていたでしょう。

Long live Rock ‘n’ Roll !

R.I.P. ロニー・ジェイムス・ディオ

ご冥福をお祈り致します。

〈HOLY DIVER〉

side A

1)Stand Up And Shout

切れ味鋭いファストなリフ!そしてバンドと共に疾走する!まさにへヴィ・メタル!

It’s the same old song !

ロニーが歌う、その姿がはっきりと脳裏に浮かぶ。ブラック・サバス時代以上にアグレッシブなスタイルとなり「ディオ」は新たなるへヴィ・メタルの時代を宣言した!

Stand up and shout !

ヴィヴィアン・キャンベルのギター・ソロも嵐のように凄まじい!ピッキング・ハーモニクスで吼えまくる!そしてこのスピード感!新たなるギター・ヒーローの出現である!

ブラック・サバス、ジューダス・プリースト、アイアン・メイデンとは違う、もうひとつの王道へヴィ・メタルの姿を示した「ディオ」の産声は、あまりにも強烈だ!

ライヴで必須の超名曲!

2)Holy Diver

ドラマチックなキーボードの導入部(何と1分20秒もある)から、ブラック・サバスからの流れを思わせるへヴィーなリフ!ミドルテンポだが、16ビートで跳ねてテンション感もある。

Holy diver !

アルバム・タイトルにもなったこのフレーズ。意味深である。聖人は潜る。

Gotta getaway !

親しみ易いメロディと印象的な歌詞が、独特のキャッチーさを生んでいる。そしてシンプルな構成は聴き易い。

Holy diver !

ロニーの歌声の魅力でねじ伏せる永遠の名曲!

3)Gypsy

単音のメロディからなるリフに、ギターが頭から炎のようなソロをキメる!そしてロニーの凄まじい咆哮!その音程は何とハイE !イントロからもうメラメラ!

ロニーの歌声はサバスの「Mob Rules」のような過激さを感じさせる歌いっぷり!

Gypsy Queen !

ジプシーという事でオリエンタルな感じがあるが、音楽的には何故オリエンタルに聞こえるのか分からない。

短い印象だが、これも名曲!

4)Caught In The Middle

キャッチーな曲登場!リフもキャッチーに聞こえる。ドラムが途中から思い出したように入る。

Looking inside of yourself !

やはりキャッチーだ。このアルバムからこの路線の曲をやっていた。この新時代、この路線の曲は必須だったのだ!

Caught in the middle !

ハーモニー付のサビ!もはやTNTがプレイしていてもおかしくない!聴いてみたい!

ギター・ソロも凄くメロディアス!

終盤の歌のフレーズまでキャッチー!

メロディ系のバンドが何故カバーしないのか?

5)Don’t Talk To Stranger

アコースティック・ギターの美しいアルペジオ。ドラマチックな曲が始まる。

Don’t talk to stranger~

ロニーは天使のような美しい声で歌う。これもロニーの魅力のひとつ。サバスの「Children Of The Sea」を彷彿とさせる。

bring you…

Do~~~wn !!!

ロニーの強烈なシャウトがこだまする!そしてバンドが入ってギターは劇的なリフをかます!これは感動的!

Hey you !

16ビートに乗って曲は進撃する!これはもうカッコいい!

ギター・ソロも嵐のように凄まじい!

Catch your Soul !

ソロの途中でもサビのキメのような歌声を入れるロニー!カッコいい!そしてテンポダウン。再びバラード調に。

Don’t dance in darkness

たいして時間が経っていないのに、もの凄いドラマを聞いた満足感がある。

bring you do~wn !

そして再び劇的なリフ!

Run run run runaway !

5分に満たない中で、圧倒的な叙事詩を聴いた!これは本当に凄い!

アルバムの中で最高の完成度を誇る名曲!

side B

6)Straight Through The Heart

ブルーズ・ロック風のへヴィーなリフ!

Hanging from the~

ブルーズ風だろうが、ロニーの歌声は圧倒的なパワーでぶちかます!空間を活かしたアレンジも渋い!

Straight through the heart !

中間部のメロディアスなパートも聴かせてくれる。

ギター・ソロもメロディアスなハーモニーを聴かせてくれる。

Here it comes again !

しかしこんなパワフルな声で歌ってみたいものだ。

7)Invisible

モジュレーションの掛かったギターのアルペジオ。そして咽び泣くギター。アダルトな雰囲気が漂う。

If your surface stays unbroken~

ロニーは無機質な歌声で歌う。その秘められた意味は?そしてハーモニーが重なって行く。またしても新たな音楽性が提示された。非常に意欲的だ。

シンセの効果音が空間を切り裂く!

「Straight~」に近いイメージのへヴィーなリフが唸る!しかし曲調は少し違う。何と表現しようか? アルバム「ストレンジ・ハイウェイズ」の原型みたいな。

ギター・ソロは気合いが入っている!一番の聴かせ所かな!ドラムも負けじと暴れる!

禍々しいエネルギーに満ちた、これも「ディオ」らしい名曲!

8)Rainbow In The Dark

イントロのシンセのフレーズでみんな持って行ってしまう!このフレーズを考えたのはジミー・ベインらしい!

When there’s lightning !

そして完璧なメロディをロニーは歌う!そう、完璧だ。この栄光に満ちた曲はメタル讃歌として君臨する。

Rainbow In The Dark

この曲名に全てが込められている!

貴方も私も、君達も僕達も、あの人もこの人も、みんな虹なんだ!

この闇の世界に大きくかかった虹なんだ!

ロニーのこの力強い宣言はメタル界を明るく照らし出した!

「DIO」の名前は伊達じゃない。

私達は後世まで語り継ごうではないか。

9)Shame On The Night

狼?の遠吠え。渋いブルーズからへヴィーでスローなリフへ。

Shame on the night !

ロニーの歌声、そして空間にベースが鳴り響く。押しと引きがせめぎあう、何ともマニアックな表現だ!

このアルバム、ストレートなへヴィ・メタル・アルバムだと思い勝ちだが、とんでもない!様々な要素が入り交じったバラエティー豊かな音楽性を持っている!

再び渋いブルーズ、バックにはオルガンがたなびく。

Shame on the night !

最後はブラック・サバス直系のへヴィー・リフが大地を揺るがす!

このアルバムは完全再現された事も記憶に新しい。そして続く「ラスト・イン・ライン」でトドメを刺す!

We Rock !

〈DIO〉

Ronnie James Dio:Vocals

Vinny Appice:Drums

Jimmy Bain:Bass

Vivian Campbell:Guitars

そしてジミー・ベインのご冥福をお祈り致します。

DIO / Holy Diver を語る。

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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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第213話 オジー・オズボーン/ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説 を語る

〈オジー・オズボーン〉

ブリザード・オブ・オズ~血塗られた英雄伝説

1981年発表。

元ブラック・サバスのオジー・オズボーンが帰って来た!そして闇の帝王は天使ランディ・ローズと共に世界に君臨した!

ブラック・サバスをクビになったオジー・オズボーンは終わっていた。その自堕落な状態から救ったのはシャロン。まさにシャロンあってのオジー・オズボーン。

才能があっても世に出られないアーティストはあやかりたい話である。

まあ、それも含めてオジーの才能でしょう。あらゆるトラブルを起こしながらも、オジーの今の姿を見ると、唯一無二の天才である事は疑いがない。

そして天使は舞い降りた。

オーディションに姿を現したランディ・ローズ。1も2も無く速攻でオジーはランディに決めた。やはり天才である。

天才は天才を感じる。

ランディ・ローズの華麗なプレイは何十年、何百年経っても人々から愛され続けるだろう。

そしてランディの生涯は余りに短かったために、その姿を見る事が出来たファンは少ない。しかしこの作品が世に現れ、愛され、オジーが歌った。その同時代に生まれ合わせた我々は本当に幸運である。

100年後の世界では伝説となっていて、その時代のファンは我々を羨むだろう。そう、我々はへヴィ・メタルが世に生まれ、興隆した時代の目撃者なのだ!

だってそうでしょう!今はバッハもベートーベンもワーグナーもいない。伝説です。

そして我々はオジーやリッチーやジミーやトニーやマイケルやウリやロブやブルース等と同時代に生きているのです!(ゲイリーやロニーを入れようと思ったけど死んじゃった涙)凄い事です!

話が飛躍しましたが、何故かこんな事を書きました。そんなアルバムです。

〈BLIZZARD OF OZZ〉

side A

1)I Don’t Know

グリッサントからリフが勢い良く始まる!ミドル・テンポながら16分刻みのメタルらしいいいリフ!歌に入る直前の特殊なピッキングによるフレーズがいい!

People look to me~

オジーの愛すべき歌声が登場、ダブル・トラッキングしている。

Everyone go through changes !

ここでキーが1音下がる。珍しい手法ではないが、ここでそれをやるランディの作曲センスに驚かされる!

Don’t ask me, I don’t know !

中間部でスローダウンする。クラシカルで優雅な、午後のひとときを演出。

Nobody ever told me~

古き良きブリティッシュ・ロックを感じさせるフレーズにニンマリである。

It’s up to you !

いよいよランディのソロが始まる!こちらもダブル・トラッキングしてあり、念入りに作られた芸術作品のようだ。本当にロック・ギターのカッコ良さを知り尽くしている!そして音色が美しい!

I don’t know !

ライヴではオープニングにプレイされる永遠の名曲!

2)Crazy Train

All aboard !

オジーの狂気の叫びと共に列車は走り出す!

♪♪!

ドラムとベースが力強く叩きつける!もう後戻りはない!そしてギターは低音域でダークなメロディーをプレイ!これはカッコいい!本当にセンスがいい!みんな大好き!

するとAメジャーの明るいリフが登場!疾走する狂気の列車の旅は始まる!

Crazy !

非常にキャッチーな曲である!最初は戸惑ったが、これは狂気の裏返しですね。何が狂気かってオジーではなく、世界がです。狂気の世界に心を痛めたオジーの心境です。

ギター・ソロはライトハンドからスタート!(タッピングとは言わない)そしてとにかく耳をとらえる印象的なメロディーが続く!聴いても弾いても楽しい!曲の中の曲と言える。

ブラック・サバスでもそうだが、オジーは世界の異常さに警鐘を鳴らすシリアスな男だ。

永遠の名曲!

3)Goodbye To Romance

ビートルズの影響が感じられる優しいバラード。クラシカルで優雅なひとときを貴方に。

Yesterday has been~

オジーの歌うロマンスは独特で、いや、何を歌っても独特だが、(この時まだ若いのに)生きてきた人生が滲み出ている。スティーヴ・ペリーとはまた違った重みを感じる。

ピアノも導入するといいと思います。

ランディのソロはもう美しい。ヴァイオリンでこのソロを弾いたらハマりそう!誰か弾いて!

オジーの音楽の深みを感じる名曲。

4)Dee

ランディ・ローズのクラシック・ギターのセンスが結晶となった曲。とにかく美しい。

多くの人に演奏される名曲。

5)Suicide Solution

重厚なリフに導かれ、曲は始まる!

Wine is fine but~

メロディーに派手さはないが、オジーらしい曲調で聴いている内にハマって来る。

酒浸りの男に忠告しているような歌詞だが、実は自分に言ってるのかな?

この曲を聴いて自殺したヤツがいて問題になったらしいが、危ないヤツだ。

このアルバム・バージョンではラストのギターがあっさりしているが、ライヴでは凄いプレイを聴かせてくれる!

はずせない名曲!

side B

6)Mr. Crowley

ドン・エイリーの重厚なキーボードが劇的に鳴り響く!武道館でオジーのライヴを見た時(ギターはジェイク)、客が一斉にライターをキャンドルの代わりに灯し、宗教的儀式のような荘厳さを演出して感動した!元のアイデアは「エンジェルのテーマ」であるとランディは生前に語ったらしい。

Mr. Crowley !

オジーはアレイスター・クロウリーに語りかける!危ないヤツ同士の対話が実現していたら凄かっただろう。アーティスティックな曲だがメロディーは暗く陰鬱である。

ランディのギターは吼える!速いプレイを主体とした中にも格調高い美しさが光る!

Mr. Crowley !

2回目のソロはクラシカルで厳かな旋律をハーモニーで奏でる。コード進行も様式美の王道である。

I wanna know what you meant !

オジーの最後の咆哮に続き伝説のソロが始まる!ランディの代名詞とも言えるソロだ!

Dm~Gm~C~Fで高速アルペジオを繰り返す出だしから、次々に華麗に展開して行く!ロック・ギターの歴史に残る素晴らしいソロで、数多くのギタリストを虜にした!いやギタリストでなくとも魅了される!

オジーを代表する永遠の名曲!

7)No Bone Movies

陽気なロックンロール!リフが明るければ歌も明るい!

No bone movies !

ランディのソロもひたすら吠える!

何を説明する事がある?!

8)Revelation(Mother Earth)

オジーは人類を代表して懺悔する。世界は何と愚かな行いをして来たのか。そのせいで母なる地球をどれだけ傷付けて来たか。

ひたすらに貪り尽くすシステム。

声をあげる者はいても、どうにも変えられない。

この曲はその悲哀を伝える。

Mother please forgive them !

磔にされたキリストのようにオジーは歌う。何故だろう、この曲はどう考えてもオジーにしか歌えない。

メッセージ・ソングを歌うアーティストは沢山いるが、誰も及ばない。

オジーは何と類い稀な男なのだろう。

Father, of all creation !

悲哀のEmからEメジャーへ。曲は荘厳な響きを讃える!するとB♭9の響きが世界を混沌に落とし入れる!もう祈るしかない。愚かな人類はもう為すすべがないのだ。

メジャーのハーモニーを伴ったギターの低音域のリフの何と不気味な事か!続く残酷な響きのリフも恐ろしい。

終末を告げる鐘は鳴る。

そしてピアノは悲劇を奏でる。これ程までに真に迫る音楽は滅多にない。心に贖罪の意識が生まれて来る。母なる地球、創造の父、愚かな人類。

神よ、許し給え!

そして残酷なリフが再び現れると、世界は破滅に向かって突き進む!ランディのギターも容赦なく破滅の帝王を演じる!

もう救いの道は無いのだろうか?!

宿命を背負い、たどり着いた果ては!?

9)Steal Away(The Night)

組曲形式で始まる。

何故この曲で終わるのか。

Revelationで終わるべきではないのか。

この曲で終わる流れが最高だ!と思う方もいるでしょう。

いい曲には違いないが、ずっと謎だと思っています。

まあ深く考えずともオジーの事だから、

「なんだか湿っぽくなっちまったな!最後は楽しくやろうぜ!Let’s go fuckin’ crazy !」

でしょうかね。

オジーとランディは素晴らしいケミストリーを発揮してメタル界に君臨した。

OZZY OSBOURNE:Vocals

RANDY RHOADS:Guitars

Bob Daisley:Bass

Lee Kerslake:Drums

Don Airey:Keyboads

そしてランディ・ローズとリー・カースレイクのご冥福をお祈り致します。

OZZY OSBOURNE / Blizzard Of Ozzを語る。

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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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第212話 ザ・マイケル・シェンカー・グループ/限りなき戦い を語る

ザ・マイケル・シェンカー・グループ

「限りなき戦い」 1983年発表。

脱退したゲイリー・バーデンが復帰して作られた、「MSG」黄金時代の最後のオリジナル・アルバム!

怪物ヴォーカリスト「グラハム・ボネット」はアクシデントにより、あっという間に「MSG」から脱退してしまった!ロックの歴史の中でも指折りの悲劇のひとつと言える。

そしてゲイリー・バーデンは帰ってきた。伝説の「レディング・フェスティバル」のエピソードはあまりにも有名。寛大なゲイリーによって救われたのだ。

そして本作が作られた。マイケルの最盛期であり、円熟期とも言える見事な内容である。この頃のマイケルがどれ程素晴らしかったかはライヴ作品「Rock Will Never Die」を聴くことで更に明確に解る!

そして本作はオリジナル・ミックスに加え、USミックスなどという訳のわからないモノがある。これもマイケルがミュージック・ビジネスに利用されたひとつの例ではないかな。

しかしゲイリー…。ライヴに於いて高いキーで歌えない事はイヤという程、身をもって実感しているハズなのに、何故にこんなに高いキーの曲を作って声を振り絞る?!

自虐的なのか?「オレは歌える」という勘違いに気付かないのか?それが彼のやり方なのか?マイケルは助言しなかったのか?その事について質問したインタビューはあるのだろうか?

低~中高音域はマイケルの言う通り、いい声をしているのに。

アルバム・ジャケットは曰く付き…。

〈BUILT TO DESTROY〉

side A

1)Rock My Nights Away

キーボードのアンディ・ナイのソング・ライティングが見事!「MSG」の新たなる出発を感じさせる華がある!

アンディのキャッチーなキーボードのリフが頭を飾り、ギターをはじめ、バンドが入って来るのだが、コード進行がいい!Eメジャー・キーとGメジャー・キーが交互に入れ替わる仕組みで、いいアイデアだ。

She never wants to hide~

ゲイリー・バーデンが歌い始めると、他の何者でもない「MSG」のサウンドになる!そこはさすがである。メロディー・メイカーとしても重要だ。

Rock my nights away !

そしてギター・ソロの導入部。低音によるマイケルのギターのゆったりとしたメロディーが何とも心地よい。クライ・ベイビーが理想的に掛けられ、程よい倍音を含み絶妙な音色となっている!マイケルのギターの魅力の重要な部分だ。

メイン・ソロはオーソドックスなプレイながらも印象的でマイケルらしいソロが楽しめる!

もう1コーラス歌う。この曲はまあライヴでもいい感じで歌えている。

ラストのソロは、歌うようなプレイに時折スリリングなフレーズを加え、生き生きとしたマイケル節を聴かせてくれる。

とびきりの名曲!

マイケル・シェンカー・フェストでプレイされていないのが残念。

2)I’m Gonna Make You Mine

ジャジャッというリフがまた素晴らしい!これもアンディ・ナイのアイデアだろうか?ロック・ギタリストが考えそうもないリフだ。

The day that you came~

ゲイリー・バーデンは歌い始める…。

だからキーが高いのですよ!はっきり言って名曲なんですから、1音半ぐらい(カラオケで言うと3つ)下げてもっと上手く仕上げましょうよ。セルフ・プロデュースの弊害ですかね?

I want you !

サビでも徹底的にハイトーンで叫びまくるが、これはもう「阿鼻叫喚」の叫びに聞こえる!

容赦なく言いましたが、ファンはこれを味だと思って聴いています。これが愛すべきゲイリー・バーデンなのです。

ライヴではご存知デレク・セント・ホルムスが見事な歌声を披露してくれました。映像を見るとサビでゲイリーは一緒に歌っていますが音声はデレクのみですね。(涙)

3)The Dogs Of War

イントロ。8ビートが刻まれ、ギターは「Desert Song」を思わせるハーモニクスをならし、不穏な空気を醸し出す。

EメジャーとEmコードを交互に鳴らすコード進行も効果的で、その奥でギター・ソロがプレイされている。向こうの方で戦闘が行われている雰囲気が伝わる。

Nothing worth taking !

正統派マイナーのメロディーで、わりとスムーズに歌えている。この感じは「MSG」の王道で非常に魅力的!

The Heat is on !

意外性はないが、サビも正統派ハード・ロックの魅力に溢れている!ゲイリーとマイケルのケミストリーは健在だ。

アップ・テンポに乗り、中音域~低音域でギター・ソロをキメるマイケル!非常にカッコいいフレーズを繰り出す!

そしてブレイクを入れてギターが舞い、叫びを上げる!名曲「Cry For The Nations」にも共通する手法で鳥肌モノである!戦場で爆風、爆炎、爆煙が吹き荒れる光景が浮かぶ!

B面の「Red Sky」と並び正統派ハード・ロックを堪能出来る名曲!

4)Systems Failing

マイケルの枯れた音色のギターが、まるで映画のワン・シーンのように華麗に舞う。それはハーモニーを伴い夢見心地。

What can you do~

それに続くゲイリーの歌声も映画のように美しい。このまま美しい映画音楽にしても良かったのでは?「Never Trust A Stranger」みたいに。

Leaving it now !

リズムを伴いゲイリーは声を振り絞る!こうなりましたか…。

Systems failing~

このフレーズはわりと穏やかで心地よい。バックでうねるシンセがいい効果を出している。

Oh, feeling better now~

低音域でマイナーなメロディーを歌う。これはいい感じだ。1stにもこんな感じの曲があったような。

ギター・ソロ

下降する練習フレーズのようなギターが登場。その狙いは?続いて下から上昇するフレーズをシンセとユニゾンする!これは高揚感がある!カッコいい!そして芸術的!

続いてイントロのフレーズに準じたメロディーがオクターブでユニゾン。ソリッドなイメージ。

そして何と!キメは下降する練習フレーズがハーモニーを伴い、劇的にプレイされる!これは凄い構成だ!これが狙いだったのか!恐れ入りました!

先ほどのオクターブ・ユニゾンがゆったりと王者の凱旋のように舞う。

そして再び声を振り絞るゲイリー。

ラストはオクターブ・ユニゾンが変化しながら繰り返される。優雅なメロディーがベートーベンを思わせる。何故ベートーベンか?直感でそう感じました。

5)Captain Nemo

全ギタリスト必聴のインストゥルメンタル!「Into The Arena」と並んでマイケルの代表曲!

冒頭の解放弦を使ったスリリングなフレーズは画期的だった!誰もが挑戦した!本当に歴史的なフレーズだ!

このフレーズと交互に色々なパターンのソロが登場する。本当に構成が上手い!

ホンワカしたシンセが出て、ギターが低音を刻むと「Into The Arena」に近いマイナーの曲調になり、ガッツポーズ!いいメロディー。

型のようなフレーズが規則的にどんどん上昇して展開、分身の術の忍者に取り囲まれたような感じ。そしてリタルダンド。

そして最後にネモ船長の船は、波に揺られゆったりと優雅に進む。詳しい物語は知らないがイメージ。A~Fのコード進行が特徴。

これだけハッキリとした物語がある素晴らしいインストゥルメンタルを作るマイケルの才能!みんながこぞって「神」と呼ぶのはムリもない。

side B

6)Still Love That Little Devil

ロックンロールだかダンス・ナンバーだか表現し難いが、結構ゴキゲンなナンバーだ!

ゴキゲンなナンバーを苦しそうに歌うゲイリー。

USミックスでヴォーカルをデレク・セント・ホルムスに差し替えられた。

しかしどうだ?!「I’m Gonna Make You Mine」を見事に歌ったデレクだが、この曲の歌声はへなちょこに聞こえる!ゲイリーのがなんぼかマシだ!

何故だろう?

ギター・ソロもない。

7)Red Sky

低音のギターのメロディー主体のリフ!これもクライ・ベイビーが掛かっていてマイケルらしい音色!

バンドと共にカッコ良く前進!ギターは3度のハーモニーを伴う。そしてこのフレーズ。ヨーロッパの「Wings Of Tomorrow」に影響を与えているのかな?雰囲気が似ているぞ。

Laughing in the face~

ゲイリーが歌うので「MSG」サウンドだが、ジョーイ・テンペストが歌ったら「Wings Of Tomorrow」に聞こえるかも。逆に「Wings Of Tomorrow」をゲイリーが歌ったら「MSG」に聞こえるかも。

Red Sky !

こちらもオーソドックスながら正統派のハード・ロックしていてカッコいいサビだ!

ギター・ソロは独特のセンスで見事に構築されている!計算され尽くした完璧なメロディー、意外性のあるコード進行、劇的な展開!一切の妥協のないクオリティーである!

スローダウンしての、壮大な映像が眼前に広がるようなアレンジは本当に素晴らしい!

再びゲイリーは歌う。ここまで来ると、とても頼もしい歌声に聞こえる!さすがだ!

エンディングもたっぷりギター・ソロが聴ける。フロント・ピックアップの音は甘く柔らかく、フルートのような音色に感じる!

大満足の名曲!

8)Time Waits(For No One)

もう1曲アンディ・ナイの曲。やはりシンセのリフから始まる。シャッフルのリズムが心地よい。

You kept me thinking~

ゲイリーの低音域の歌声がとても素晴らしい。ここまでなら一級品のAORとして通用する。

When there’s no connection !

1オクターブ上がる。これくらいなら大丈夫、愛すべきゲイリー節だ。

Time waits for no one !

そしてサビはメジャー・キーに変化!アンディ・ナイの得意技ですね。本当にいい作曲センスを持っている。アンディもせっかくいい仕事にありついたのに「MSG」が崩壊してしまい、落胆していました。本当に音楽の世界は…。

そしてマイケルのギター。ひたすら美しいメロディーを奏でる。テクニックをひけらかす事には興味がない、そんな必要ない。

ブレイクしてアンディのシンセがパルス波の音色でキメのフレーズを放つ!これは美しい!3音が繰り返され徐々に変化、上昇して行く!本当に素晴らしい!

ゲイリーの歌声が再び登場、この曲もいい歌を聴かせてくれた。

最後にマイケルはメジャー・サウンドに乗り、のびのびとギターを歌わせる。

B面の後半でありながらこれほど高いクオリティーを誇る名曲が聴けるとは。そういえば名曲「Looking For Love」もこの位置に配されていた。

9)Rock Will Never Die(Walk The Stage)

イントロのBmの1弦解放のコード(ギターの事がわからない方スミマセン)によるアルペジオが印象的。

そしてこの曲は、クリーンでメロウなギターフレーズで何とストラトキャスターを使っているらしい!当時のヤング・ギターのインタビューで明らかになりました。

インタビュアーの方がそれに言及するとマイケルは「まさにストラトだよ!分かったなんて信じられないよ!」と驚いていました。

このイントロのソロもストラトに聞こえますがそうなんでしょうか?

Dream on, dream on~

ゲイリーが思いを込めて歌う。この曲でも素晴らしい歌声を聴かせてくれる。メロディーも美しいし、ゲイリーの才能を実感する。

walk the stage with me tonight !

ここからハード・ドライビングに展開する!スローだがへヴィーで緊迫感のあるサウンドだ!

Rock will never die !

ゲイリーの気迫のこもった歌声が轟く!素直にカッコいい歌唱だと思う!曲調もドラマのエンディング・ソングみたいで心にグッと迫るモノがある!

マイケルのソロも魂がほとばしるような情念を放ちカッコいい!これぞロック・ギター!

To see you marching in !

曲は最高潮を迎える!ロックに人生をかける男の生き様、魂の叫び、そして燃えたぎる命!悔いはない!

そしてスローダウン。マイケルのメロウなギターが咽び泣く。

As the echo’s fade~

ゲイリーは命を振り絞って歌う。ここまで来ると心は動く。わかったよゲイリー、存分に振り絞ってくれ、もう何も言わない(涙)。

ゲイリーの事が理解出来た気がする。

「やっと分かったのかい?」と私に語るようにマイケルはソロを繰り出す!我が道を行くかのように…。

自分で文章を書きながら感動してしまいました。私も実際に書くまでは、どんな文章を書くのかわからないのです。

そしてハマースミス・オデオンに於いて歴史的なライヴを披露して、素晴らしいライヴ・アルバム「Rock Will Never Die」を発表する!

〈MSG〉

Michael Schenker:Guitars

Gary Barden:Vocals

Chris Glen:Bass

Ted McKenna:Drums

Andy Nye:Keyboads

そしてテッド・マッケンナのご冥福をお祈り致します。

THE MICHAEL SCHENKER GROUP / Built To Destroy を語る。

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第211話 アイアン・メイデン/頭脳改革 を語る

〈アイアン・メイデン〉

頭脳改革

1983年発表。

名作「魔力の刻印」に続くアルバムは、後世に残る名曲を含む素晴らしい作品となった!

クライヴ・バーに代わり新しいドラマーとなったのはニコ・マクブレイン!いよいよニコの登場だ!

そしてブルース・ディッキンソンも本作よりソング・ライティングに貢献するようになり、メンバーとしての地位を固める!

「Revelation」なんかブルースの単独クレジットになっている!やるな!

しかしいい曲が並んでいる!そういえば最近は邦題を聞いてもどの曲なのか分からなくなって来た。「悪魔の誘い」?「邪悪の予言者」?「悪夢への招待」?「鋼鉄の殺人鬼」?

「イカルスの飛翔」はまぁ分かる。

「明日なき戦い」は「誇り高き戦い」と混乱する。

しかし最近は邦題がなくなり、曲名がただカタカナで表記してあるだけで、それも面白くない。そのカタカナ表記は日本語読みだから発音が悪い。話がそれた。

いい曲が並んでいる!特に「Where Eagles Dare」「Flight Of Icarus」が最近ライヴでプレイされているのが嬉しい!「Sun And Steel」もキャッチーで好きな人も多いのでは?

「Revelation」「To Tame A Land」もプログレッシブでドラマチック!本当に名曲揃い!

「The Trooper」?当たり前。

〈Piece of Mind〉

side A

1)Where Eagles Dare

ニコの元気なフィルインが冒頭を飾る!そして何やら複雑なリズム・パターンに乗ってリフが刻まれる!インパクトがある!

It’s snowing outside~

そのリフに合わせた感じでブルースが颯爽と歌い出す!早口言葉のようだが見事なツカミだ!カッコいい!

The blizzard goes on !

伸びやかでメロディアスなフレーズに突入!もはや名曲の仲間入りは間違いない!

Where eagles dare !

そして間奏ではこれまた印象的なリフが延々と繰り返される!繰り返す度に3度、5度と音が上に重なってゆく!凄いアイデアだ!

そして空を舞うようなギター・ソロ!ハーモニーも忘れていない。背後には機関銃の音!

そして全員が一丸となった低音のユニゾン!これがいいんだなメイデンは!ライヴで絶対に映えるアレンジだ!

そして再び先程のリフを繰り返す!これはたまらんね!そしてダメ押しでイントロのリフに繋がる!見事な構築、構成だ!もの凄いドラマを感じる!

ドラマと言えばこの曲は同名の映画からインスピレーションを受けているのですかね。

そして再びブルース登場。ラストはハイEでトドメを刺す!ロブやジェフのようなタイプではないのでライヴでの再現は難しいようだが、ブルースの歌声は歳と共に魅力が増していて、オペラのように豊かで説得力がある!

YouTubeでヴォーカルの講義をしている映像があったが、ああいう場でアカペラで歌うと凄い声なのが良く分かる。

堂々の名曲である!

2)Revelation

ブルースの曲。スティーヴ・ハリスに負けずプログレッシブなセンスを持っている。

イントロのベースの響きはメタルのそれではなくプログレだ。そしてスローで重厚なリフ。

O God of earth~

「Revelation」という曲名だけあって歌詞も厳かである。そしてバラード調のツイン・リードがメイデンらしい雰囲気を醸し出す。

そしてリフがブレイクの空間を作る。この空間にもドラマを感じる。

そして曲は勢い良く走り出す。ツイン・リードは美しく舞う。

バラード調で曲は続く。ピーター・ガブリエルの影響もあり、ブルースは演劇音楽の世界に入り込んでいる!

曲はクライマックスを迎え、激しく盛り上がる!

そして語り部は厳かに物語を締めくくる。

It is you…

ブルースのただならぬ才能が発揮された名曲。

3)Flight Of Icarus

ドッシリとしたミドル・テンポでギターは刻まれる。アメリカ向けのテンポらしい。ライヴの速いテンポに慣れると違和感を感じるが、それでも問題なく楽しめる。

As the sun Breaks !

正統派のカッコいいメロディーでブルースは歌う。イカルスの神話に私たちを連れて行く。

Fly ! On your way !

サビも、斬新さはないが完璧なメロディーでキメてくれる。こういうメロディーは狙って作れるモノではない。閃きだ。

2コーラス目の中盤の、

In the name of~

で高音域でキメる部分がいいアクセントになっている!そして引き続きサビに向かって高音域を使って緊張感を高めている!

Fly ! On your way !

コーラスが重ねられているが、クイーンのようには決して聞こえない。

エンディングの、

Fly as high as the Sun !

のキメがまたカッコいい!

Ah~~!

4)Die With Your Boots On

メイデンらしい「メロディーのハーモニー」のリフが登場!

曲調としてはノリ一発のロックという感じだ。

ポール・ディアノの方が合っているかも知れない。でもいい曲だ。

side B

5)The Trooper

常にプレイされる必殺ナンバー!イントロが鳴り響いた瞬間、血が騒ぐ!ジューダスの「Breaking the Law」に似た存在かも。

ツイン・リードのイントロのメロディー!そしてハーモニー!まさにメタルの教科書のようなリフだ!と言いつつこれはメイデン独自のスタイルですね。

You’ll take my life~

ブレイクしてブルースの歌声が轟く!本当にスティーヴ・ハリスらしい曲だ!この疾走感!

Ah~Ah~Ah~Ah~

サビは歌詞がない!そうか!ヨーロッパの「幻想交響詩」で、サビでやたらOh~が出て来る曲が多いが、この曲の影響か?!(勝手に決めつけて納得)(同時期に発表されているのでそれはない)

ブルースが振る英国の旗が印象的!名曲!

6)Still Life

スティーヴ・ハリスのベースのアルペジオにデイヴ・マーレイの美しいギター。これもメイデンの美学。

Take a look !

怪しい雰囲気を出してブルースは歌う。「悪夢への招待」の邦題は実はこの曲だが、ブルースの役者っぷりはすでに板についている。

Oh…I never felt ~

バラード調から、バンドが元気よく入ってドラマは進む!

Nightmares !

2コーラス目で

Will give me peace of mind.

というセリフが出て来る。

peace of mind ?

アルバム・タイトルは〈Piece of Mind〉。peaceとpieceでもじった訳か。

ツイン・リードも聞き所。

7)Quest For Fire

畳み掛ける様なイントロ!そして12/16拍子とでもいう細かいリズムのミドル・テンポ。

In a time !

人類の火の歴史を語る。ブルースは惜し気もなくハイトーンをぶちかます!

と思ったら2コーラス目ではハイトーンが封印されている。

ツイン・リードは印象的だが、全体的に地味なイメージとなっている。イントロはカッコいいけど。

でもいい曲。

8)Sun And Steel

「Run To The Hills」の如く16ビートで突っ走る!こういうリズムは好きなんですよね。

You killed your~

「鋼鉄の殺人鬼」の邦題はこの曲。人殺しの経歴が語られる。カッコいい曲調だ。

Sunlight !

そして「Run To The Hills」の如くメジャー・キーでキャッチーなサビをぶちかます!非常にいい曲だが、ライヴでやらないのはやはり「Run To~」の二番煎じだからか?もったいない話だ。

いや、ハモりが再現出来ないのかも!

ツイン・リードから入って短いソロ!

Sunlight!

サビを繰り返し、

and it’s rolling still !

「Flight of Icarus」と並んでブルースとエイドリアンのペアはいいソング・ライティング・チームである事が分かる。

9)To Tame A Land

再びスティーヴ・ハリスのベース・アルペジオにデイヴ・マーレイの美しいギター。メイデンの美学。コード進行にヒネリがある。

何と表現したらいいのか、引きずるようなスリリングなリズム!(何じゃそれ)

He is the King of~

また物語になっている歌詞で、惑星デューンとか出て来る。曲調にメロディアスさは無く、淡々と物語を語る。繋ぎのギターはそれなりに印象的。

スローなパートに入ってベースが何やら訴える。

The time will come !

シリアスな雰囲気は増してカッコ良くなって来た。叙事詩のようだ!

歌い終わるとギターとベースがスリリングで見事なユニゾンをぶちかます!それは何度も繰り返され、ドラムがそれを徐々に盛り上げて行く!これは凄い!このアルバムのクライマックスだ!

このプログレッシブさはたまらん!さすがだ!

テンポ・アップしてギター・ソロ!激しいバトルの後、美しいハーモニー!キーは転調を繰り返す。

そしてイントロのフレーズが再び現れ、幕は下りる。

ライヴで見たらさぞかしカッコいいだろう!

これは映画の映像が使われていてなかなか凄いビデオです。

本当にメイデンは凄いアルバムが多い。「魔力の刻印」が最高とか、いつまでも言っても仕方ないですね。(私も言ったけど)

〈IRON MAIDEN〉

Steve Harris:Bass

Bruce Dickinson:Vocals

Dave Murray:Guitars

Adrian Smith:Guitars

Nicko McBrain:Drums

IRON MAIDEN/Piece of Mindを語る。

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第210話 イングヴェイ・マルムスティーン/エクリプス を語る

イングヴェイ・マルムスティーン/エクリプス 1990年 発表。

メンバーを全て入れ替え、スウェーデン人に統一!再び孤高のソロ・アーティストとなった名作!

結局ジョー・リン・ターナーとは長く続かなかった。やはりイングヴェイは全てを自分でコントロールするべきアーティストなのだ。

「Odyssey」と「Trial By Fire」は良い思い出となった。素晴らしい音楽をありがとう。

新ヴォーカリストはあのヨラン・エドマン!今となっては説明不要の存在だが、彼は北欧メタルの希望の星「マディソン」のヴォーカリストだったのだ!

これでイングヴェイの音楽は、より北欧のエッセンスが増す事になった!喜ばしい事である!ただでは起きない男だ。

そして新キーボードはまたしても元シルヴァー・マウンテン(元ゲストだけど)のマッツ・オラウソン!しかしマッツもイングヴェイとプレイして名を上げたのだから良しとしよう。

そしてドラムはまたしても元シルヴァー・マウンテンのヴォーカリスト、クリスターメンツァーのバンド「Norden Light」のメンバー。ここまでやるか?!

そして出来上がった作品は、過去最高の北欧メタルとなった!国籍はここまで正直に音に出るモノなのか!

「Marching Out」も北欧サウンドだったが、ヴォーカリストの違いは決定的だ!私はこの傑作アルバムを諸手を上げて歓迎した!

しかし商業的にはどうか?私は良く知らないが、イングヴェイはボン・ジョヴィのような音楽ばかりが売れるアメリカや、このアルバムをマトモな売り方をしないレコード会社に対してかなり怒っていた!(有名なフィレミニオン発言)※

日本をはじめ、一部の北欧メタル・ファンにしかウケなかったという事か?ジョーのファンが離れた事も関係あるかな?!

ジョーはインタビューで「イングヴェイはスウェーデン人ばかり集めてやっている。何を考えているのか分からない」的発言をしていたな。

このアルバムをさらに売るために日本では後日ボーナス・ディスク付で再発した。(買ってない)

〈Eclipse〉

1)Making Love

力強くドラムが打ち鳴らされ、へヴィーなリフが刻まれる!背後には美しいキーボード。期待通りの北欧サウンドが聴けそうだ!

(E♭m)To Be Lonely~

ヨラン・エドマンの歌声が登場。北欧ヴォイスは裏切らない。水晶のようなサウンドだ。

(Gm)Taking~

キーが転調する。心地良い緊張感に包まれる。

(G#m)Still I need~

さらに半音上がる!こういうアプローチは今まで無かった!新境地である!イングヴェイは新しい作曲の技法を切り開いたのだ!

(E♭m)Making love !

サビでキーは振り出しに戻る!斬新である!この技法はもっと評価されるべきである!斬新でありながらキャッチー!あまりにも自然に使いこなしてしまったせいで気付かれないのか?

フレディ・マーキュリーの作曲法も同様の事が言える。

ギター・ソロは美しくも情熱的!テクニックを磨いただけではイングヴェイにはなれない!

オープニングは北欧メタルの新境地を切り開いた名曲となった!

2)Bedroom Eyes

何とジミ・ヘンドリックス風のナンバー!「Trial By Fire」でジミ・ヘンドリックスの曲をプレイした影響か?!

これはジョー・リン・ターナーのヴォーカルで聴きたかった!残念!

3)Save Our Love

美しいバラード。アルペジオをバックにリコーダー風の音色がリードを取る。これはイングヴェイがギター・シンセサイザーを使ってプレイしていると思われる。

Once We were one~

ヨラン・エドマンの中音域の歌声は本当に美しい。AORにもさぞかし合うだろう。

There’s no beginning~

サビは聖歌のような神聖な美しさに満ちている。心が洗われるようだ。ハーモニーも美しい。

ギター・ソロの美しさはどうだ!もう芸術作品の領域である!ここがクローンとの明確な違いであると言える!

前作の「Dreaming」に匹敵する名曲となった。

4)Motherless Child

疾走するネオ・クラシカル・ロックの名曲!これは凄い!Helloweenを筆頭とするジャーマン・メタル勢に対するイングヴェイからの回答か?!「Liar」や「Rising Force」を凌駕するクオリティーだ!

マイナーのリフが刻まれ疾走!

With your love~

ヨラン・エドマンの歌う哀愁のメロディーにノックアウトされる!これはたまらん!

Sometimes I feel like~

このサビのメロディーも必殺である!何という美しさ!悶絶モノである!

ギター・ソロの頭と最後のアルペジオ・フレーズもカッコいい!インパクト抜群!

Stumblimg, Falling~

このキメのメロディーには本当に泣かされる!素晴らしい!この曲は自身が母親を失った心境に関連しているのだろうか?

この曲がライブでプレイされなかったのは残念(高音域がキツくてヨランがライブで歌えないらしい)。

代わりに、この曲は島紀史がカバー・バンドでプレイした。

5)Devil In Disguise

アコースティック・ギターがクラシカルなフレーズを奏で、コーラス隊の登場。

Don’t ever try~

いかにもクラシカルなヴォーカルのメロディー!作曲のセンスが冴え渡っている!重厚なリズムに乗せシリアスな雰囲気が漂う。

ストラトヴァリウスがそっくりな曲を作ったとイングヴェイが憤っていた。

エンディングのへヴィーでダークなギターがカッコいい!

6)Judas

ヴァイオリンのサンプリング音によるフレーズに導かれ、E♭mで曲は重厚に始まる。

(G#m)I cast my pearls~

歌い始めでキーが変わる。再び作曲法で攻めている。

(C#m)eating from your~

さらにキーが変わる。滑らかで非常にウマイやり方だ。

(E♭m)You say you give !

サビで元のキーに戻る!戻るまでのコード進行も見事!そしてキャッチーなサビだ!はっきり言って冴え渡っている!

前作はイングヴェイとしては異色のキャッチーなアルバムだったが、このアルバムではアーティスティックさとキャッチーさが絶妙に融合した作品となった。

7)What Do You Want

この曲もキーの転調があるが、全体的に美しいメロディーを聴かせる事に重点を置いている。派手さは無いが、いい曲である。

8)Demon Driver

もう一曲疾走するロック!カッコいいぞ!やはりこの曲も転調バリバリである!

A♭mでリフが刻まれる!そして疾走!

(B♭m)My one way~

歌い出しでこの転調は「I’ll see the light tonight」を思わせる。いい雰囲気だ。

(A♭m)You try !

サビで1音下がる!普通に下げるとテンション感まで下がる恐れがある。しかし実際はここはBメロに移行した感触になっており、本当のサビは、

Demon Driver !

の部分である!故にテンションは下がっていない。ちなみに「Liar」のサビと同様の方法論だと思う。

ギター・ソロのアルペジオも強力!

これも名曲!

9)Faultline

へヴィーなリフ!へヴィーなリズム!「I am a Viking」か?

この曲も美しいメロディーを聴かせる事に重点を置いている。

アルバムの終盤に配置されているため地味に感じるが、この曲だけ取り出して聴いて見ると文句無しの名曲!

10)She You In Hell(Don’t Be Late)

バイクがぶっ飛ばしている様なギターの音がリフを刻み、3連のリズムで勢い良く始まる。

Can’t bow for~

ヨランは押さえ気味に歌い始めるが、徐々に高音域に向かって行く!いい雰囲気を出している。

There’s nothing~

Bメロがまた上手く作られている!惰性ではなく本当にいいアイデアが生まれているようだ!

See you in hell !

間奏はギターとキーボードの掛け合いになっている!やっと出た。

11)Eclipse

間髪入れずに始まるインスト。印象的なアルペジオから始まる!緊張感のあるリズム・パターンの曲だ。

曲はまたバリエーション豊かに変化して行く!

ラストはギターのクラシカル・フレーズ!

※(フィレミニオン発言)イングヴェイ自身の音楽を高級ステーキ「フィレミニオン」に例え、ボン・ジョヴィ等の音楽を「マクドナルド」に例えた発言で批判を受けた。広瀬編集長が、あの発言の意図は「違う種類のモノを同じ売り方をするのはプロの商売人のする事ではない」というレコード会社への批判であると好フォローした。

酒井康氏によると、アメリカ・ポリグラムは自国のアーティストのみをプッシュして、イングヴェイ等のアーティスティックなバンドに対して冷たい態度を取って来たという事らしい。

〈YNGWIE J MALMSTEEN〉

electric and acoustic guitars, Korg Z3 guitar synthesizer, Taurus bass pedals and vocals

Goran Edman:vocals

Mats Olausson:keyboads

Svante Henrysson:bass and contra bass

Michael Von Knorring:drums

Yngwie Malmsteen / Eclipse を語る。

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第209話 ルネッサンス/運命のカード を語る

ルネッサンス/運命のカード 1974年 発表。

名作「燃ゆる灰」に続く第2期の3rdアルバムは、マイケル・ダンフォードのセンスが存分に発揮された素晴らしい作品となった!

フォーク、クラシック、ロックが見事に融合した新生ルネッサンスは素晴らしい作品ばかりで、比較的目立たないこのアルバムも実はとんでもない名盤である!

名曲「母なるロシア」が収録されているのだから当然なのだが、はっきり言って全曲が素晴らしい。

そしてアレンジもかなり練られていて、聴くほどにその凄さを実感する。

そしてアニー・ハズラムの歌声は本当に素晴らしい!クラシックのソプラノ歌手に比べると、その愛くるしさ、優しさ、可憐さが滲み出ている。彼女の存在はもはや運命なのだ!

じっくりと時間をかけて何度も聴いて欲しい。幸せなひとときを分かち合いましょう。

〈TURN OF THE CARDS〉

side A

1)Running Hard

ジョン・タウトの美しいピアノ・ソロから始まる。曲のモチーフを華麗に展開させている。

バンドが力強く導入する!そして軽快にリズムを刻む。

Running hard towards~

アニー・ハズラムの可憐な歌声が登場、幸せな風が吹いて来るようだ。

Sounds so Bad~

曲はドラマチックに展開!普通のフォークやポップスではこうはいかない!格調高いルネッサンスならではの音楽だ。

La la la ~

アニーのスキャットで曲はさらに展開!物語はどんどん進む!

ピアノ、ストリングスが後を継いで旅路を演出する!プログレによくある複雑なアンサンブルてはなく、分かりやすく親しみやすいメロディーだ。

Running hard towards~

再びアニー登場。同じテーマ・メロディーながら、低いキーで少し暗めの曲調に変化している。

そして荘厳なオーケストラが曲を彩る!人生に陰が差すような雰囲気でフェードアウトして行く。

ルネッサンスの魅力に溢れた名曲!

2)I Think Of You

アコースティック・ギターのストローク。フォーク・タッチの曲ですね。

I love you like a stream~

アニーの可憐な歌声は、こういう曲では本当に心に沁みる。

短く、さりげない曲だが、本当にいい曲です。

3)Things I Don’t Understand

フェードインするドラム。そしてマイナーのシリアスな曲調。細かくスリリングなリズムでもある。

Changing mood !

アニーの歌声、そして低音を歌うのはベースのジョン・キャンプか。

Things about things I don’t understand !

日本人には歌えないような早口言葉のサビのフレーズだ!だがキャッチーでインパクト抜群!

2コーラス目のサビの最後に大きく転調し、曲は迷宮に突入する!。

不可思議なコード進行でピアノが打ちならされ、迷宮の内部へと侵入。

アニーがスキャットで哀愁のメロディーを歌う。

その後をコーラス隊が重苦しい雰囲気で引き継ぐ。

Seems there’s plans~

再びアニー登場。

Things about~

曲は大胆に変化して行く!このセンス!やはりプログレだ!

そして劇的なピアノ・ソロ!

パラララ~

アニーのスキャット。それまでの重苦しい雰囲気から一転して明るく平和な空気に包まれる。

And in the morning~

アニーは安らかなメロディーを歌う。この暖かな世界に心は癒される。

コーラス隊は高らかに喜びを歌う。そして安らぎのピアノにて幕は下りる。

不安の世界から安らぎへと続く道のりの物語か…。

side B

4)Black Flame

もの悲しいアコースティック・ギターのアルペジオ。そして美しいピアノが重なりコーラス隊も登場。

I am words~

アニーが歌うのはとても悲しいメロディー。そして淋しさも漂う。しかし詩は哲学的。

I’m not to blame~

サビはブリティッシュ・フォークらしい伝説的メロディー!Dm~Gのコード進行が特徴!

Run from me !

中間のこの辺りのフレーズに、一筋の希望の光が差すような感じだ。

ルネッサンスの曲としては目立たない存在だが、完璧なクオリティーである。派手なアレンジを加えて10分くらいにすれば堂々たる超名曲になっただろう!

5)Cold Is Being

名曲アルビノーニのアダージョに歌詞を付けて歌曲にアレンジした作品。

オルガンが神聖に響き、アニーの歌声が美しく悲しく「冷たい世界」を描き出す。

崇高な芸術作品です。

6)Mother Russia

母なるロシア。この厳寒の世界に響く命の叫び。ルネッサンスのひとつの頂点となった名曲。

詳細はこちらをご覧下さい。

ルネッサンスの名曲〈母なるロシア〉を語る

ルネッサンスはこの後も次々に名盤を発表する。「シェエラザード夜話」「お伽噺」「四季」「碧の幻想」。私達は幸せである。

〈RENAISSANCE〉

Annie Haslam:Vocals

John Tout:Keyboads

Jon Camp:Bass, Guitar, Vocals

Terrence Sullivan:Drums, Vocals

Michael Dunford:Acoustic guitar

RENAISSANCE / Turn Of The Cards を語る。

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第208話 スコーピオンズ/暴虐の蠍団~テイクン・バイ・フォース を語る

スコーピオンズ/暴虐の蠍団~テイクン・バイ・フォース 1977年 発表。

傑作アルバム「ヴァージン・キラー」に続いて発表された作品はウリ・ジョン・ロート在籍時の最後のオリジナル・アルバムとなった。

スコーピオンズの音楽。それは明らかにブリティッシュ・ロックのそれとは違う。

国ごとに音楽性が違うのは当然なのかも知れないが、こうも違うモノなのか?と思う。

メロディーから滲み出る哀愁はドイツ独特のモノであり、クラウス・マイネの歌声はゲルマン神話を彷彿とさせる。

そしてウリ・ジョン・ロートのギターが放つ旋律は、天空と大地の意志が具現化したかの様である。

このアルバム発表後、スコーピオンズは日本にやって来た。運命の、宿命の出逢いだったのだ。

〈TAKEN BY FORCE〉

side A

1)Steamrock Fever

ギターを掻き鳴らし、勢い良く3連のリズムで始まる!

We’d like !

その上にクラウス・マイネの歌声が登場!活きのいいロックをじわじわ盛り上げる。サビの前の緊張感の高いコード進行が、ヤバい雰囲気を出している!

Steamrock fever !

ヤバい雰囲気から一転、突き抜けたような明るい曲調に展開!これはキャッチーだ!しかし安っぽくはならず、栄光を感じさせるメロディーだ!

残念ながらギター・ソロは登場せず、繰り返しで終わる。

チープなSEはない方がいい…。

2)We’ll Burn The Sky

ウリ・ジョン・ロート期のスコーピオンズを代表する名曲!故モニカ・ダンネマン作詞。この曲についてはこちらをご覧下さい。

第110話 スコーピオンズの名曲〈空を燃やせ〉を語る

3)I’ve Got To Be Free

ウリの曲で、プリミティブなエネルギーが渦巻くロックとなっている。

イカしたリフにクラウスのワイルドなヴォーカル。これもスコーピオンズだ!ウリが歌っているバージョンを想像してみたら、これも味がある!

ギター・ソロはストレートなロック・ギターで、ワイルドな叫びを上げている!

4)The Riot Of Your Time

激しく掻き鳴らすアコースティック・ギター!そしてシリアスな空気を伝えるウリのギター!

The only king of rock has gone !

クラウスのヴォーカルもシリアス!非常にダークな雰囲気を伝えるナンバー。英米のバンドにはない曲調だ。

ギター・ソロは一切の速弾きを廃し、もう1つの曲のようなメロディーを奏でる。オクターブで重ねられている。

キャッチーさは全くないが、この時代のスコーピオンズを良く表した名曲!

side B

5)The Sails Of Charon

三途の川を表したSEが不気味に流れる。

ウリ・ジョン・ロートの代表曲として長く語り継がれる名曲!イントロのギターにその魅力が徹底的に詰め込まれている!何と華麗なプレイだろうか!イングヴェイが惚れ込むのも無理もない!

Dark night !

クラウスのヴォーカル。とにかくひたすら陰気でクセの強い曲調である。歌詞の世界も暗黒である。しかしハマるとクセになる。

並のミュージシャンには絶対に作れないタイプの名曲!

6)Your Light

これもウリの曲。

劇的に始まるが、異様に暗く陰気なリフが後に続く。ここまでワガママな曲を作るか?

しかしこの曲が好きな貴方は立派なウリ信者です。仲間になりましょう。

7)He’s A Woman – She’s A Man

ようやく登場!ルドルフ・シェンカーのカミソリのようなリフ!3連のリズムに乗ってダークに突き進む!

I saw it walking lonely down the street !

「フランスのモンマルトルのナイトクラブで目撃したゲイのファッションに衝撃を受けた」という事らしいが、このクラウスの狂気の叫び声!ドンだけ衝撃を受けたんだ!?見てみたい!

He’s A woman !

サビは気を取り直してキャッチー!

ギター・ソロも正統派のロック・ギターでカッコいい!

8)Born To Touch Your Feelings

スコーピオンズならではの哀愁のバラード。美しいメロディーに美しいクラウスの歌声。ヨーロッパの夜に流れる名曲。

アテネでのアンプラグド・ライブで感動的にプレイされた。

このアルバム、そして「Tokyo Tapes」をもってウリ・ジョン・ロートは脱退した。己れの真の音楽を追求するために。

〈SCORPIONS〉

Klaus Meine:Vocals

Ulrich Roth:Lead Guitars, Vocals

Rudolf Schenker:Guitars

Francis Buchholz:Bass

Herman Rarebell:Drums

SCORPIONS / Taken By Forceを語る。

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トリスタン

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