第209話 ルネッサンス/運命のカード を語る

ルネッサンス/運命のカード 1974年 発表。

名作「燃ゆる灰」に続く第2期の3rdアルバムは、マイケル・ダンフォードのセンスが存分に発揮された素晴らしい作品となった!

フォーク、クラシック、ロックが見事に融合した新生ルネッサンスは素晴らしい作品ばかりで、比較的目立たないこのアルバムも実はとんでもない名盤である!

名曲「母なるロシア」が収録されているのだから当然なのだが、はっきり言って全曲が素晴らしい。

そしてアレンジもかなり練られていて、聴くほどにその凄さを実感する。

そしてアニー・ハズラムの歌声は本当に素晴らしい!クラシックのソプラノ歌手に比べると、その愛くるしさ、優しさ、可憐さが滲み出ている。彼女の存在はもはや運命なのだ!

じっくりと時間をかけて何度も聴いて欲しい。幸せなひとときを分かち合いましょう。

〈TURN OF THE CARDS〉

side A

1)Running Hard

ジョン・タウトの美しいピアノ・ソロから始まる。曲のモチーフを華麗に展開させている。

バンドが力強く導入する!そして軽快にリズムを刻む。

Running hard towards~

アニー・ハズラムの可憐な歌声が登場、幸せな風が吹いて来るようだ。

Sounds so Bad~

曲はドラマチックに展開!普通のフォークやポップスではこうはいかない!格調高いルネッサンスならではの音楽だ。

La la la ~

アニーのスキャットで曲はさらに展開!物語はどんどん進む!

ピアノ、ストリングスが後を継いで旅路を演出する!プログレによくある複雑なアンサンブルてはなく、分かりやすく親しみやすいメロディーだ。

Running hard towards~

再びアニー登場。同じテーマ・メロディーながら、低いキーで少し暗めの曲調に変化している。

そして荘厳なオーケストラが曲を彩る!人生に陰が差すような雰囲気でフェードアウトして行く。

ルネッサンスの魅力に溢れた名曲!

2)I Think Of You

アコースティック・ギターのストローク。フォーク・タッチの曲ですね。

I love you like a stream~

アニーの可憐な歌声は、こういう曲では本当に心に沁みる。

短く、さりげない曲だが、本当にいい曲です。

3)Things I Don’t Understand

フェードインするドラム。そしてマイナーのシリアスな曲調。細かくスリリングなリズムでもある。

Changing mood !

アニーの歌声、そして低音を歌うのはベースのジョン・キャンプか。

Things about things I don’t understand !

日本人には歌えないような早口言葉のサビのフレーズだ!だがキャッチーでインパクト抜群!

2コーラス目のサビの最後に大きく転調し、曲は迷宮に突入する!。

不可思議なコード進行でピアノが打ちならされ、迷宮の内部へと侵入。

アニーがスキャットで哀愁のメロディーを歌う。

その後をコーラス隊が重苦しい雰囲気で引き継ぐ。

Seems there’s plans~

再びアニー登場。

Things about~

曲は大胆に変化して行く!このセンス!やはりプログレだ!

そして劇的なピアノ・ソロ!

パラララ~

アニーのスキャット。それまでの重苦しい雰囲気から一転して明るく平和な空気に包まれる。

And in the morning~

アニーは安らかなメロディーを歌う。この暖かな世界に心は癒される。

コーラス隊は高らかに喜びを歌う。そして安らぎのピアノにて幕は下りる。

不安の世界から安らぎへと続く道のりの物語か…。

side B

4)Black Flame

もの悲しいアコースティック・ギターのアルペジオ。そして美しいピアノが重なりコーラス隊も登場。

I am words~

アニーが歌うのはとても悲しいメロディー。そして淋しさも漂う。しかし詩は哲学的。

I’m not to blame~

サビはブリティッシュ・フォークらしい伝説的メロディー!Dm~Gのコード進行が特徴!

Run from me !

中間のこの辺りのフレーズに、一筋の希望の光が差すような感じだ。

ルネッサンスの曲としては目立たない存在だが、完璧なクオリティーである。派手なアレンジを加えて10分くらいにすれば堂々たる超名曲になっただろう!

5)Cold Is Being

名曲アルビノーニのアダージョに歌詞を付けて歌曲にアレンジした作品。

オルガンが神聖に響き、アニーの歌声が美しく悲しく「冷たい世界」を描き出す。

崇高な芸術作品です。

6)Mother Russia

母なるロシア。この厳寒の世界に響く命の叫び。ルネッサンスのひとつの頂点となった名曲。

詳細はこちらをご覧下さい。

ルネッサンスの名曲〈母なるロシア〉を語る

ルネッサンスはこの後も次々に名盤を発表する。「シェエラザード夜話」「お伽噺」「四季」「碧の幻想」。私達は幸せである。

〈RENAISSANCE〉

Annie Haslam:Vocals

John Tout:Keyboads

Jon Camp:Bass, Guitar, Vocals

Terrence Sullivan:Drums, Vocals

Michael Dunford:Acoustic guitar

RENAISSANCE / Turn Of The Cards を語る。

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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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