ヨーロッパ/幻想交響詩 1983年発表。
北欧のスウェーデンから、美しき衝撃!ハード・ロックの若き騎士〈ヨーロッパ〉がデビュー!
この作品が私に与えた影響は非常に大きい。世の中にヘヴィ・メタル・バンドが数多く出始めた中で、他のバンドとは違う独特の美学があった。
アルバムジャケット、メロディーライン、コード進行、そしてVo.のジョーイ・テンペストの声、G.のジョン・ノーラムのテクニカルで哀愁があるフレーズ等、どれもが美しかった。
この作品が世に出てから現在まで長い付き合いになるが、未だに私にとって最高の一枚であり続けている。
しかしこの作品は、発売後リミックスされて、全体的には良くなっているものの、ところどころ余計なエフェクトがかけられていて残念な物がある。
再度リミックスをしてほしい。そして紙ジャケで出してほしい。
〈幻想交響詩〉
side A
1)In The future To Come
作詞/ジョーイ・テンペスト
イントロから哀愁のあるギター・ハーモニーが炸裂する!バンドが一丸となって畳み込むアンサンブルは本当にカッコいい!いきなりクライマックス!そして疾走する!
So many years ago !
ジョーイ・テンペストの歌声は独特で、私達をヨーロッパの描く世界へと連れて行く!
I’ll be beside you !
対位法のような形式でコーラスが導入される!見事!そして北欧ならではのメロディー、コード進行は芸術的!
In the future to come !
そしてスリリングで美しく、圧倒的なテクニックをもって繰り広げられるジョン・ノーラムのギターソロの何と素晴らしい事か!ハーモニーも美しい!
ギター・ソロの前後に導入されたイントロのフレーズが効果的でドラマチック!
In the future to come !
20才そこそこの若者が、やがて来る未来に警鐘を鳴らす歌詞もさすがである。
すでにこの曲にヨーロッパの魅力のほぼ全てがつまっている。
2)Farewell
70年代風の味わい深いロック。全体の中では地味な存在だが、この曲が2曲目に入っていると言う構成が凄い。
ギターの音の枯れ具合が素晴らしい!
3)Seven Doors Hotel
作詞/ジョーイ・テンペスト
北欧メタルを代表する永遠の名曲。
恐ろし気なSEに続いて美しいピアノの導入部、スリリングなフィル・インが入り、低音のツイン・リードのメイン・リフが始まる!何と言うカッコ良さ!
そして短いソロ!これもカッコいい!
Four hundred years !
ジョーイ・テンペストは勢い良く歌い出す!興奮を押さえ切れない!まさに北欧のメロディー!
Oh~Oh~, Seven doors hotel !
この栄光のメロディーは北欧讃歌だ!みんな一緒に歌おう!
ギター・ソロ導入部で6拍子にリズム・チェンジし、ブレイクと共に北欧民謡風のメロディーが奏でられる!このブレイクのリズムは「Into The Arena」を思わせる。
ジョン・ノーラムのギターソロはモロにマイケル・シェンカーしている訳だが、バックのコード進行を無視してひたすらEマイナーの調子で弾きまくっている!しかしそれがとんでもなくカッコいいのであった。
再び民謡フレーズ、メイン・リフ、非常にドラマチックである!
Oh~Oh, Oh~Oh, Oh~!
Seven Doors Hotel !
感動の初来日公演で、エンディングは長くアレンジされていた。
4)The King Will Return
作詞/ジョーイ・テンペスト
水墨画のようなサウンドは「ウイッシュボーン・アッシュ」を思わせる。アコースティック・ギターのアルペジオ、そして枯れた味わいのギター。
They were attacked by surprise !
ジョーイは王の伝説を歌う吟遊詩人。そして簡素なアレンジで演出された空間。渋い。
The King will return !
この曲のギターのバッキングはAメロの頭以外、シングル・ノートでプレイされている。サビのギター・フレーズがマイケル・シェンカーしている。ビブラートも素晴らしい!
そして何という味わい深いギター・ソロだろうか!20才そこそこで、この円熟味!音色、表現力!やはり天才は、はじめから天才!
The King will Return !
サビのギターにハーモニーが加わって、ドラマは最後の盛り上がりを見せる。ブリティッシュ・ロックに北欧のテイストが加わった、奥深いサウンドの名曲。
5)Boyazont
私の好きなギター・インストの中でベスト3に入る名曲。60年代的曲調で、聞いていても弾いていても魂がメラメラと燃え上がって来る。
後半のフリー・ソロもものすごい情熱が伝わって来て興奮がおさまらない。若きジョン・ノーラムの才能はとてつもない!
side B
6)Children Of This Time
1曲目と同様に疾走する名曲。いかにもジョーイ・テンペストらしい曲調である。
この曲もそうだがギターが結構オーバー・ダブしてあり、ライブでどうするつもりだろうと思う曲が多い。
7)Words Of Wisdom
美しいバラードでジョン・ノーラムのギターが感動的である。これ程円熟したプレイをしてくるとは。
8)Paradise Bay
キャッチーなサビを持つこれも代表的名曲。ライブでもよく演奏される。
9)Memories
最後を飾る圧倒的名曲。3連のリズムが印象的である。
先日のクラブ・チッタ公演でこの曲が演奏された時は感動的であった。しかしこのアルバムはサビにオーオーが来るEマイナーの曲が多い。
ヨーロッパはまだまだ名作を作り続けるだろう。期待してます。
〈EUROPE〉
Joey Tempest:Vocals
John Norum:Guitars
John leven:Bass
Tony Reno:Drums
EUROPE/幻想交響詩を語る。
お越し頂き、ありがとうございました。またお逢い致しましょう。
トリスタン
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