第 4 話 ヴィエナ について語る

ヴィエナ〉

ジャパニーズ・プログレ・シーンに彗星の如く登場し、瞬く間に消えていった幻のスーパー・バンドであった。

このヴィエナの登場から解散までの当時の状況の目撃者であった筆者の視点から語りたいと思う。

1987年頃上京して来た私はNUMERO UENO氏(上野さんと呼ばせて頂きます。上野さん、覚えてますか?私はあの時のロン毛の男です。)プロデュースのメイド・イン・ジャパン・レコードのアーティスト達のライブをよくシルヴァー・エレファントに見に行っていた。

上野さんは日本から本物のスーパー・グループを登場させようとしていた。メンバーはGt.&Vo.にジェラルドの藤村、key.にアウター・リミッツの塚本、ドラムにノヴェラの西田、Ba.にアウター・リミッツの荒牧という布陣だ。

ある日、当時あったプログレ専門店エジソンに行った時、店頭に居た上野さんがヴィエナの出来立てホヤホヤのデモテープを聞かせてくれた。アルバム未収録のスリリングなジャズ・ロックだった。ヴィエナの実力をよく表している曲だった。

あの時私は急用を思い出して感想、お礼を言わずに店を出てしまった。上野さんごめんなさい。

その後Ba.はアフレイタスの永井に変わった。どのグループのライブだったか忘れてしまったがアンコールの場でヴィエナ初御披露目として2曲演奏した。先程のジャズ・ロックと「マジック・モーション」というポップな曲だった。

キング・レコードに「ネクサス」に続く新しいプログレ専門レーベル、「クライム」が設立されいよいよファースト・アルバムの発売となった。サイン会も行われたが、元ノヴェラの西田の存在と、藤村のルックスが良かったせいか女性ファンが圧倒的に多かった。

渋谷エッグマンで単独ライブも行われた。「マジック・モーション」の曲紹介の時、聞き取りにくかったらしく、上野さんはもう一度曲名を言い直す様に激を飛ばしていた。余程この曲に勝負をかけていたのだろうか。

その後中規模のホールでのライブも実現した。エンディングの「カノン」の壮大さには圧倒された。リアル・タイムでノヴェラの「黎明」を見る事は出来なかったが、この「カノン」を見られた喜びは大きかった。

そしてわずか半年程でセカンド・アルバムのニュースが飛び込んで来た。そう、とてつもないクオリティーのセカンド・アルバムだ。

ファーストの時はグループ名を含め、第二のノヴェラを意識していた様な感じがしたが、このセカンド・アルバム「ステップ・イントゥ・・・」は桁が違う!曲のクオリティー、テクニック、構成、スリリングさ、何と表現していいかわからない!とにかく凄い!日本のプログレの歴史を変える名盤と言える。

プログレ専門店「エジソン」の店頭はヴィエナ・ガーデンという事務所に変わった。女性店員さんが電話に出て「はい、ヴィエナ・ガーデンです!」と言っていた。

あまりに素晴らしいこのアルバムを聞きながらヴィエナの今後に大いに期待を膨らましていた。そんな時、突如としてヴィエナの解散のニュースが飛び込んで来た!「なにー!」何と言う事だ!

つづく

〈VIENNA〉

藤村幸宏:Guitars

塚本周成:Keyboads

西田竜一:Drums

永井敏己:Bass

ステップ・イントゥ… [ ヴィエナ ]

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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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“第 4 話 ヴィエナ について語る” への 2 件のフィードバック

  1. みんなのボヂオ より:

    はじめまして!自分が初めてライヴハウスで観たのがヴィエナでした!懐かしいー。

    1. トリスタン より:

      コメントありがとうございます。この頃は偉大なバンドが現役で活躍していた夢の様な時代でした。私はひたすらノスタルジーにひたるばかりです。

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