ノヴェラ/魅惑劇 1980年発表。
ハード・ロック/ヘヴィ・メタルに、特に北欧メタルにのめり込んでいた私に新たなロックの可能性、新たな地平を見せてくれたグループがノヴェラであった。
クラシックの要素が最も大きいロックが北欧メタルであると思い込んでいたが、さらにクラシカルで芸術的なロック、プログレッシブ・ロックの存在を教えてくれた最初のグループであった。
何と言う美しいアルバムだろうか。アルバム・カヴァーから始まりクラシカルな曲調、格調高い数々のキーボード類、ドラマチックな展開、物語の導入、タイトル曲の長さ、そして何よりVo.五十嵐久勝の圧倒的ハイトーン・ヴォイスである。独特のビブラートとあの声質は他に並ぶ者がいない。
〈魅惑劇〉
side A
1)イリュージョン
美しいコーラスの導入部に続きレインボー風のハード・ロックが始まる。しかしBメロに入ると従来のハード・ロックではあり得ないコード進行が展開する。平山照継の独特のセンスである。
間奏のギター・ソロの後、永川敏郎の分厚いアナログ・ストリングス・シンセが導入され、ただのハード・ロックではなくプログレである事が解る。
そしてツイン・ギターの様式美フレーズの後、曲は終盤に向かう。最後は五十嵐久勝の圧倒的ハイトーンが炸裂する。何と見事な声だろうか!永遠の名曲である。
2)名もなき夜のために
ヘヴィな3連符の曲で夜を感じさせる独特の暗さがある。この曲もコード進行のセンスがただ事ではなく他の追従を許さない。サビのハイトーンによる歌声も官能的である。
サビに続くヘヴィなギターの下降フレーズも効果的でこの時代の空気が漂っている。
3)恋はあまのじゃく
おお、何だこの曲は?ポップなんだか変態的なんだか分からない。何故こんな曲が作れる?衝撃的前衛ポップ!
4)レティシア
無実の罪を着せられたラッターを救うため、王の命令によってレティシア がラッターを探し求める物語。
~今どこにいるの?ラッター!~
ドラマチックな展開の名曲である。メロトロンも登場する。五十嵐氏の圧倒的歌唱力が素晴らしい!
何と言う曲を作るのかこの人たちは。
side B
5)少年期~時の崖
ギターのアルペジオに続きストリングス・シンセが何とも物悲しく感動的に導入される。ノヴェラの曲はヨーロピアンなセンスを感じさせるものが多いが、このメロディーは日本的な感性が感じられる。
そして叙情的なギター・ソロに続きChild in Timeを思わせる超絶ハイトーン・ヴォイスが登場する!凄い声だ!
続けて1曲目と同様の疾走するハード・ロック、時の崖が始まる。ディープ・パープル的ナンバーとも言えるが、そう言うにはあまりにもメロディー・センスが違う!日本からの解答とも言える。
そして普通ならサビに英語のフレーズが登場する所で、日本語「だろう」を持ってくる平山照継の作詞センスは他に並ぶ者がいない。
6)魅惑劇
まさに魅惑劇な圧倒的名曲!壮大で感動的なイントロに続き優雅なバラードが始まる。Cメジャーなのだがメジャーを感じさせない物悲しさ、切なさがある。
ほとんど意味の分からない歌詞だがとても曲に合っている。曲のイメージにあわせて詩を作っているのだろう。
そして美しく格調高く数々の楽器を使ったインスト・パートが万華鏡の様に繰り広げられてゆく。何と言う、何と言う美しい展開だろうか!まさに芸術である。
そしてサビの後、クリムゾンの宮殿のドラムのフィルインが出てきてイントロの感動的フレーズが繰り返され、ギター・ソロが続き儚げなコーラスで圧倒的名曲は締めくくられる。
日本のプログレ史上に残る名曲と言える。
そしてノヴェラは伝説となった。
〈NOVELA〉
五十嵐久勝:Vocals
平山照継:Guitars
山根基嗣:Guitars
高橋良郎:Bass
永川敏郎:Keyboads
秋田鋭次郎:Drums
NOVELA/魅惑劇を語る。
価格:1,430円 |
お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。
トリスタン
〈おすすめ記事〉
価格:1,408円 |
3d アートプリント ファンタジーと英国文化 額入りアート インテリア 壁掛け 絵 ロマンティック 天使雑貨 エンジェル イギリス 英国雑貨 アセンション【アン ストークス】 Anne Stokes 価格:2,750円 |