ブログ | トリスタンのRock Sanctuary

第129話ジェネシス/フォックストロットを語る

2020年7月2日カテゴリー: ブリティッシュ・ロックタグ: GENESIS トリスタン

ジェネシス/フォックストロット 1972年発表。

「ナーサリー・クライム」に続く4thアルバム（ライブを除く）。1stの「創世記」は、ほとんどなかった様なつもりなので、この作品が3rdの様な感覚です。

このアルバムも聞き所が多い！

トップの「Watcher Of The Skies」、優雅な「Time Table」、悪徳不動産の「Get’em Out By Friday」、メロトロンの美しい「Can-Utility And The Coastliners」、スティーヴ・ハケットのアコースティック・ギターが堪能できる「Horizons」、そして圧倒的な超大作「Supper’s Ready」と、何と全部じゃあないか！

とにかくジェネシスは凄い！と言う事です。

何と言ってもピーター・ガブリエルの演劇的世界の表現力！

そしてステージに於けるあのコスチュームとパフォーマンスは尋常ではない！

アートという次元を超越している！

しかしその視覚要素なしの音楽そのものが凄いので、必然的に生まれた産物でしょう。

〈Foxtrot〉

side A

1）Watcher Of The Skies

オープニングの重厚なメロトロンが凄い！コード進行もカッコいい！

そしてモールス信号の様なリズムから激しく盛り上がるイントロ！興奮する！

そしてピーター・ガブリエルの歌声！そしてコウモリの様なコスチューム！

複雑なアンサンブル！緩急自在でカッコ良すぎでしょう！

スティーヴ・ハケットのギターもいい味を出している。

最後のドラマチックなコード進行がいい！

2）Time Table

優雅な英国の香りが漂う名曲！

詩の世界も、中世の王や騎士が出て来て格調高く、また哲学的で素晴らしい！

この曲を聞くと日本にいながらにして英国に居るような感覚をあじわえる。

3）Get’em Out By Friday

悪徳不動産がアパートの住人を無理やり追い出して、新しく用意した住居も非人道的制限が課せられるという意味不明の物語。

この様な物語を考えつくピーター・ガブリエルは一体何なのか？

そしてこの物語を表現する音楽がまた只事ではない。

ピンク・フロイドの「ザ・ウォール」も凄いが、ジェネシスも凄い！

4）Can-Utility And The Coastliners

アコースティックに始まり、徐々に盛り上がり、劇的なメロトロンが響き渡る！

詩を見るとインテリジェンスに溢れている！

本当に表現力豊かである！

5）Horizons

スティーヴ・ハケットが後世まで大切に奏で続ける事になるアコースティック・ギターの名曲！

side B

6）Supper’s Ready

Ⅰ.Lover’s leap

美しい12弦ギターに乗せてピーターは夜のひとときを歌うが、徐々に意味が解らなくなる。

Ⅱ.The Guaranteed Eternal Sanctuary Man

異次元に入り、理解不能な世界が広がる。農場を守る男、超音波科学者、永遠の安らぎを保証された男。

Ⅲ.Ikhnaton And Itsacon And Their Band Of Merry Men

タイトルからして意味不明。戦闘が始まり、勝利して歓喜に沸く戦士達。音楽も盛り上がる。

Ⅳ.How Dare I Be So Beautiful

戦いの後の混沌、淋しさ、に包まれる。

“Human Bacon”の猟奇的雰囲気がいい。

そしてナルシスは花に変わる。

Ⅴ.Willow Farm

ひたすら言葉遊びの様な世界で、ナンセンスな感じが面白い。

Ⅵ.Apocalypse In 9/8（Co-Starring The Delicious Talents Of Gabble Ratchet）

いよいよ黙示録に突入する！

マゴグの番人、ハーメルンの笛吹き、海からドラゴン、天から炎、666、ピタゴラス、まさに異次元！

音楽は圧倒的な盛り上がりを見せ感動的！

特に666！からは鳥肌ものである！

そして落ち着いて、最初のフレーズに帰りつく！

Ⅶ.As Sure As Egg Is Egg（Aching Men’s Feet）

しかしめでたく帰ってきた訳ではなく、悟りを得たかのように、聖なる世界へと入り込んでしまった。

音楽は感動的にフェードアウトしてゆく。

奇跡的に映像が存在する。皆さんご覧になっていると思いますが、凄いですね。

スティーヴ・ハケットもステージでプレイしてジェネシスの遺産を守り続けている。

復刻創世記の演奏も感動した！

〈GENESIS〉

Peter Gabriel：Vocals

Steve Hackett：Guitars

Phil Collins：Drums

Tony Banks：Keyboads

Michael Rutherford：Bass

GENESIS / Foxtrot を語る。

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第128話ラウドネス/THUNDER IN THE EAST を語る

2020年6月29日カテゴリー: ヘヴィ・メタルタグ: LOUDNESS トリスタン

ラウドネス/サンダー・イン・ジ・イースト 1984年発表。

我らのラウドネスがついにアメリカ進出する！凄い事になった！

プロデューサーはマックス・ノーマン！

二井原氏は英語の発音を徹底的に鍛え直された！

高崎氏はマックスと喧嘩しまくった！あまりにも細かい事言うらしい。

高崎氏「とがった鼻を折られた」

レコーディングは大変な事になった様です。

あの歴史的名曲「Crazy Nights」は高崎氏としては最初は気に入ってなかったらしい。

しかしマックス・ノーマンは「一曲目はこの曲しかない！」と強引に事を進めた！

結果は見事で、皆さんご承知の通りです。さすが一流プロデューサーは凄い！

そしてこのアルバムは歴史的名盤となり、現在、世界各地、何処へ行ってもこのアルバムの曲をプレイすると大変な盛り上がりになる！

特にアジアなんかラウドネスは英雄らしい！

しかし本当に素晴らしい内容で、ギターをコピーしまくった！あの当時はへヴィ・メタル全盛期だったので凄かった！

高崎氏のギターは本当に素晴らしい！リフのカッコ良さ、ソロのカッコ良さ、斬新さ、時代のパイオニアですね！

〈THUNDER IN THE EAST〉

side A

1）Crazy Nights

あの有名なへヴィなリフが聞こえてきたら、そこはもうRock ‘n’ Roll Crazy Nights！

今夜は盛り上がろうぜ！オーイエー！

まったくとんでもないキラーチューンを作ったもんだ！

M Z A！

ライヴでは一曲目にやらないで、最後のほうでやって下さい。

2）Like Hell

アップテンポのラウドネスらしい曲！何と言ってもギター・ソロである！

左手をネックの上からかぶせてタッピングするという新技を披露してギター・キッズを唸らせた！

そうしなくても弾けるフレーズだが、そうする事に意義があるのだ！

3）Heavy Chains

山下氏の作曲によるプログレッシブなへヴィ・ナンバー。

ギターのアルペジオから泣きのギター、二井原氏の哀愁のヴォーカル。

そして大きなうねりのあるリズム！なかなか作れませんよ、こんな曲は。そしてギター・オーケストレーションがまた素晴らしい！

そしてアップテンポになってギター・ソロ！非常にスリリング！

テンポダウンしてサビで盛り上がる！

4）Get Away

アップテンポのダークなメタル！コード進行も意外性があり、非常にカッコいい！

ギター・ソロも華麗に展開して素晴らしい！

5）We Could Be Together

16ビートのリフが印象的なノリのいい曲！

サビのコーラスが美しい！「Crazy Nights」と並んでアメリカ大陸に良く合う！

ギター・ソロは非常にメロディアス！

車でかっ飛ばしながら聞くのがいいんだな。

side B

6）Run For Your Life

へヴィな変拍子リズムに乗ってユニゾンするイントロがラウドネスらしい！

曲はマイナーで、しっとり始まる。哀愁があるいいメロディー！へヴィなバッキングからアップテンポのサビへ続く！

そして変拍子のギター・ソロ！ムードのある渋いプレイからアップテンポ！

非常に凝っていて素晴らしい！

7）Clockwork Toy

疾走するメタル！これはカッコいい！リフに乗ってギターが吼える！

サビはギターとヴォーカルがユニゾンする！

スローダウンした後はテンポアップしてギター・ソロ！ワウがかかった聞かせるプレイだ！

大音量でこの曲を鳴らしてギターを弾いた記憶が蘇る。

8）No Way Out

イントロは何とカッティング・ギター！ミドルテンポで、シングル「Crazy Nights」のB面に収録されていた。

ギター・ソロがフレーズごとに左右に振り分けられていて、一人掛け合いになっている！

非常に緻密に作られていて、芸術的なまでに素晴らしい！このアルバムの中のギター・ソロとしては最高の部類と言える！

曲も聞けば聞くほど素晴らしい！

9）The Lines Are Down

高崎氏としてはこの曲がアルバムのトップのつもりだったらしい。従来のラウドネスらしい曲である。

16ビートで疾走するメタルは本当にカッコいい！夜のムードが漂う名曲！

ギター・ソロも見事！ハモりも美しい！

10）Never Change Your Mind

これはアメリカンなバラードだ！イントロのアルペジオは印象的！

歌い出しメロディーが「カシミール」している！

非常に気持ちいい曲である！

これで売れない訳がない！

ビルボードでは74位まで行ったらしい！

栄光の旭日旗はアメリカ大陸にひるがえったのだ！

ありがとう！ラウドネス！

君が代斉唱🇯🇵

〈LOUDNESS〉

高崎晃：Guitars

二井原実：Vocals

樋口宗孝：Drums

山下昌良：Bass

そして樋口宗孝さんのご冥福をお祈り致します。

LOUDNESS / THUNDER IN THE EAST を語る。

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第127話ノヴェラ/パラダイス・ロストを語る

2020年6月25日カテゴリー: 日本のプログレタグ: NOVELA トリスタン

ノヴェラ/パラダイス・ロスト 1981年発表。

「イン・ザ・ナイト～星降る夜のおとぎ話」「青の肖像」（ミニ・アルバム）に続く3rdアルバムで、このアルバムを最後に元〈山水館〉組の高橋よしろうと山根基嗣はアクション結成のため脱退する。

第１期ノヴェラの最後の作品となった。

プロデューサーは何と森園勝敏！

トータル・アルバムになっていて、それぞれの曲が物語を持ち、ノヴェラの様な芸術的グループが作るべき、魅力的な作品になっている！

このアルバムから、後世まで語り継ぐべき名曲「第３の剣」「ロマンス・プロムナード」が生まれている！

アルバム全体を通してロック・バンドとしての躍動感に満ちていて、何とも高揚感がある！

五十嵐氏のハイトーン・ヴォーカルは力強く、ギター、ベース、キーボード、ドラム等、楽器の音がリアルで雄弁である！

「魅惑劇」のガラス細工の様な音から、さらに力強く飛躍した作品になっている！

〈PARADISE LOST〉

SIDE A

1）失楽園への序曲

演劇的な展開を見せる見事な序曲で、次作の「サンクチュアリ」にイメージが重なる。

また「クイーン Ⅱ」のあの圧倒的構築美に並ぶクオリティーで、トータル・アルバムの導入として、あまりに高い完成度である！

2）仮装広場

詩とメロディーの組み合わせが見事な歌い出し、疾走するBメロ、教訓を訴えるサビ、何ともアーティスティックな作りの名曲！

カッコいいベースのフレーズから、壮大に展開する間奏！スリリングなキメ！とてつもない感性で作られている！さすがである！

3）逃げろ！

スリリングなリズムをベースに有無を言わせぬエネルギーで突き進む！

非常にテクニカルで、緊張感があり、また、アルバム全体に、個別に展開する芝居がかった詩が、非常に良い味を出している！

最後の「逃げろ！」の繰り返しは圧巻！

4）奇蹟

爆発音からドラマチックで美しいイントロ！正統派のマイナー・メロディー、ゆったりとしたリズムながら緊張感があり、見事な名曲と言える。

シリアスで哲学的な詩が、曲の魅力をさらに大きくしている！

5）廃墟

ピアノのフレーズから壮大なイントロへ。アルバムのイメージを象徴する代表曲。

Bメロの雄大な雰囲気が素晴らしい！そして間奏の壮大なオーケストレーション！オルガン・ソロ！

「廃墟」を表した、シリアスで哲学的な詩が曲の核心になっていて、非常にシュールな作品である。

6）青の肖像（パート3）

前作「青の肖像」のバリエーション曲。

英語の詩で歌われ、美しい聖歌になっている。イントロのオルガンの音がまた素晴らしい。

この曲でSIDE Aが終わり、美しい余韻を残す構成になっている。

が、CDで聞く現在、余韻にひたる間もなく次の曲が始まるのは如何なものか？

SIDE B

7）第３の剣

様式美ハード・ロックの理想像の様な歴史的名曲！中世ヨーロッパのイメージが曲、詩から溢れ出し、気品に満ちている！

北欧メタルが目指した理想郷に、日本のノヴェラがやすやすと一足先に辿り着いてしまっていた感がある！これは本気で驚いた！

「どうして受けるのか？」

叙情的な歌い出し、そして「Find out !」のフレーズの絶大なインパクト！そして「anyway！」の劇的な展開！鳥肌ものを越えて奇蹟的な作曲能力である！

「この身を！」「捧げる！」の五十嵐氏のハイトーンはあまりにも素晴らしい！

クラシカルなギターのツイン・リードも完璧である！

そして詩の美しさ、カッコ良さはあり得ないレベルで、平山氏の才能にはひれ伏すばかりである！

後にも先にも、この様な曲は存在しない！

さらに壮大になるエンディング、ティンパニが響き渡る！

8）ロマンス・プロムナード

前曲からピアノのフレーズでつながっている。

もはやノヴェラを代表する歴史的名曲である！

これ程優雅で気品に満ちた美しいバラードが他にあるだろうか？あったら教えて下さい。

ライヴ・アルバム「フロム・ザ・ミスティック・ワールド」でさらにその美しさ、優雅さ、気品、魅力は増している！

私が歌うロマンスよ…

9）ファッション雑誌のパッション・プレイ

高橋よしろうの魅力が爆発！このベース・ライン、ワイルドな曲調、ノリノリである！

ライヴで輝きを増すタイプだ！

10）地球

スリリングで複雑なリズム、一線を越えたベース・ライン、「地球」と言う壮大なテーマ！コード進行！そして意味のわからない抽象的な詩！考え抜かれたギター・ソロ！

この偉大なるトータル・アルバムは私達を地球の外まで連れ出してしまった！

最後に繰り返されるストリングス・シンセのメロディーは、“こんな所まで来てしまった”と言う寂寥感がある。

一曲一曲のテーマが本当にバリエーション豊かで、色々な世界を見せてくれる。

そして最後は地球の外に放り出される。

凄い事してくれる。

次作の「サンクチュアリ」、「魅惑劇」と並ぶ傑作と言える！

〈NOVELA〉

五十嵐久勝：ヴォイス

平山照継：ギター

山根基嗣：ギター

高橋よしろう：ベース、ヴォイス

永川敏郎：キーボード

秋田鋭次郎：ドラム

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第126話フェア・ウォーニング/サンダンサーを語る

2020年6月18日カテゴリー: メロディアス・ロックタグ: FAIR WARNING トリスタン

フェア・ウォーニング/サンダンサー 2013年発表。

再結成したフェア・ウォーニングの3作目になるアルバム。

1995年発表の「Rainmaker」に関連する作風で、ジャケットを含め、ネイティブ・アメリカン・テイストが漂う。

私は湿った、哀愁漂うヨーロピアン・サウンドを好む人間だが、この作品は乾いている。

だが、素晴らしいのだ！

ドイツのアーティストが何故オリエンタル・テイストや、ネイティブ・アメリカン・テイストの作品を作るのか、未だにわからないが、この作品は素晴らしい！

豪華な作りのジャケットもいい。ブックレットには味のある写真が使われ、何ともいい雰囲気を醸し出していて一つの芸術品である。

ベテランになるとネタが切れていい曲が作れなくなる事が多いが、フェア・ウォーニングはさすがである。これ程充実した曲を作り続ける才能には、素直に脱帽する。

ヘルゲのギターはさらに研ぎ澄まされ、メロディーの美しさ、エモーション、フィーリング、キレの良さ、正確さはただ事ではない！聞き惚れてしまう、と言うか畏怖の念が浮かぶ。素晴らしいギタリストである！

トミーのヴォーカルは相変わらず情熱的で、心に寄り添う！本当にいいヤツだと言う感情が湧いてくる。

〈SUNDANCER〉

1）Troubled Love

フェア・ウォーニングらしいメロディアスなロックが堪能出来る名曲！こう言う曲が聞けるから止められない！

そして再びヘルゲの芸術的なギターが聞けるのは嬉しい！

2）Keep It In The Dark

ギターのリフがキマッている！Bメロの躍動感が素晴らしい！そして有りがちなメロディーを新鮮に聞かせるサビもいい！

そしてこのコーラス！満足度は高い！

3）Real Love

美しいバラード。円熟した味わいが心地よい。自然に湧いて来た様な曲調が素晴らしい！

ヘルゲのギターは本当に美しい！

4）Hit And Run

またギター・リフがイカしている！アップテンポで、クセのある歌詞の世界を楽しく表現している！

メロディーは勿論フェア・ウォーニング節。

5）Man In The Mirror

適当に作ったかに聞こえるが、これはインスピレーションの導きによる。つまり出来るべくして出来た曲である。

6）Natural High

解放弦を使ったリフがいい。ファンキーな曲だが、理屈抜きで楽しませてくれる。

7）Jealous Heart

これはいい！何ともいい雰囲気がある！サビはトミー・ハートの真骨頂である！

ギターもいいフィーリングが出ている！

感動的な名曲！

8）Touch My Soul

何とフェードインで始まる。フェア・ウォーニングらしいメロディーが聞ける！

圧倒的ではないが、引きの美学を感じる。

聞き応えがある。

9）Send Me A Dream

スローバラード。歌のバックのギターに味がある。トミーのヴォーカルが本当に曲にあっている。素晴らしいテイストを感じる！

ギター・ソロの表現は見事！

10）Pride

アメリカの広い光景が目に浮かぶ様な曲である。何でもない、肩の力を抜いた様な曲に聞こえるが、こう言う曲でも聞き手を引き込む力がある。

11）Get Real

前曲同様のテイストが溢れるが、決してダレる事なく、いい気持ちにさせてくれる。いい意味でプロフェッショナルを感じる。

12）How Does It Feel

大きなノリが心地よい。詞の内容とは逆に人生とは楽しいものなんだ、と言う気持ちが湧いてくる。

13）Living On The Streets

凄くはないが、妙に説得力がある。この辺が実力のあるアーティストならではである。

14）Cool

まさにCool !

アップテンポでかっ飛ばす！

アルバム全体にリラックスした引きの美学、名人芸を感じる。その辺は好みが別れるかもしれない。

フェア・ウォーニングはまだ続いているだろうか。

Don’t Give Up ! O.K.?

〈FAIR WARNING〉

Tommy Heart：Vocals

Helge Engelke：Guitars

Ule W. Ritgen：Bass

C.C. Behrens：Drums

FAIR WARNING / Sundancer を語る。

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第125話ジョン・ウェットンを語る

2020年6月14日カテゴリー: ブリティッシュ・ロック,ヴォーカリストタグ: JOHN WETTON トリスタン

ブリティッシュ・ロックの歴史に巨大な軌跡を残した偉人。

〈ジョン・ウェットン〉

キング・クリムゾンに在籍し、類い稀なブリティッシュ・ヴォイスを聞かせてくれた。

また、素晴らしいベース・プレイヤーでもあった。

キング・クリムゾン解散後は、あの素晴らしい U.K.で再びブリティッシュ・ヴォイスを聞かせてくれた。

「Danger Money」収録の「Carrying No Cross」はキング・クリムゾンの「Starless」と並ぶ名曲、名唱となった。

★YouTube/Carrying No Crossはこちら

そしてASIA。

ジョン・ウェットンが本来やりたかった、歌を中心にしたポップな音楽。

大ヒットしてしまった。

出戻ったりしてゴタゴタした。

そしてソロ活動で素晴らしいアルバムを発表した。

「Voice Mail」「Arkangel」「ROCK of FAITH」が特に素晴らしい！

「Battle Lines」「Arkangel」「Rock of Faith」は歴史的名曲！

★YouTube/Battle Lineはこちら

★YouTube/Arkangelはこちら

スティーヴ・ハケットやイアン・マクドナルドとジェネシスの曲をプレイしたのも素晴らしかった。

来日公演も大いに楽しませてくれた。DVDも良かった。

★YouTube/Watcher Of The Skyはこちら

そしてASIAの再結成！またやってくれた！

ジョン・ウェットンが歌う「Round-about」を聞く事になるとは。

一時的な活動ではなく継続して続いた。

そして再び U.K.の再結成！

偉大なキャリアをつんだアーティストの特権である！

いずれはロバート・フリップとキング・クリムゾンをやって頂きたいと思っていた。

しかしそれはかなわなかった。

2017年1月、ジョン・ウェットンは亡くなってしまった。

グレッグ・レイク、ボズ・バレルに続いて、まさかジョン・ウェットンまでもが亡くなるとは！

何と悲しい事だろうか。これ程偉大なアーティストを失う事になるとは。

ご冥福をお祈り致します。

キング・クリムゾンは今、優れたメンバーを揃えて活動している。

ジャッコ・ジャクジクは素晴らしいアーティストである。ギター・プレイは勿論、グレッグ・レイクやボズ・バレルが歌ったナンバーを見事に歌いこなす。

しかし、ジョン・ウェットンが歌ったナンバーはどうしても歌いこなせない。

ジョン・ウェットンのブリティッシュ・ヴォイスの後を継げる者などいないのである。

いや、一人だけいる！

オーペスのミカエル・オーカーフェルトである！

彼ならば「Starless」「Fallen Angel」を歌いこなせるのではないか。

キング・クリムゾンが活動を終える前に是非とも共演して頂きたい！

ここは一つ、スティーヴン・ウィルソンからロバート・フリップに進言してもらって是非とも実現して頂きたい！

偉大なるジョン・ウェットンを偲んでアルバム「ROCK of FAITH」を聞いています。

素晴らしい曲が、心が洗われる様な美しい曲が、神聖な空気に包まれる様な曲が、収録されています。歴史的名作です。

★YouTube/Rock of Faithはこちら

〈ROCK of FAITH〉

JOHN WETTON

Vocals, ac guitar, Bass, Keyboads

Clive Nolan：keyboads, monk

John Mitchell：electric guitars

Steve Christey：drums

Geoffrey Downs：Virtual Grand, B4

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第124話バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ/自由への扉を語る

2020年6月12日カテゴリー: イタリアン・ロックタグ: BANCO DEL MUTUO SOCCORSO トリスタン

バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ/自由への扉（Io Sono Nato Libero ）1973年発表。

1st ,そして2nd「Darwin」と言う2枚の傑作アルバムに続く、これまた傑作の3rdアルバム！

壮大なキーボードを中心にしたアレンジから、さらに奥行きを感じさせるサウンドに変化している！

独特の暗さはそのままに、アコースティック・ギターを大きく取り入れ、地中海の空気が感じられる。

フランチェスコ・ディ・ジャコモのヴォーカルは見事にこの世界を描き出していて本当に素晴らしい！

イタリア以外の何者でもない、本当にイタリアらしい音楽である。

決して英語で歌ってはいけない！

PFMは英語でも素晴らしいが、バンコは絶対ダメだ！

〈io sono nato libero〉

lato 1

1）Canto Nomade Per Un Prigioniero Politico（政治反逆者の歌）

美しいピアノ、キーボードと共に、フランチェスコ・ディ・ジャコモはこの曲の主人公の心情を見事に表現している。

In questi giorni e certo ～

何かプッチーニの「トスカ」を思い出すな。

若者がこんな政治的な曲を作る（U2みたいなバンドもあるが）イタリアと言う国は一体？

io sono nato libero

アルバム・タイトル原題の「僕は自由に生まれたんだ！」と言うフレーズが心に突き刺さる！

そしてスリリングなジャズ・ロック風のサウンドに展開する！これはカッコいい！

そしてアコースティック・ギターの見事なアンサンブル！そしてパーカッション！

地中海の空気が漂い、太陽が人気（ひとけ）のない街を照らしている風景が浮かぶ。

何と言うリアルな音楽だろうか？

まさに、これこそイタリア！

再び圧巻のジャズ・ロックで締めくくられる！

感動のライヴ

2）Non Mi Rompete（私を裏切るな）

牧歌的なアコースティック・ソング。ライヴの定番になっている。

妙に心に染みるメロディーである。

僕を起こさないで、と訴えている。

lato 2

3）La Citta’ Sottile（小さな街）

暗い路地裏の様なバンコ独特の曲調である。何故この様な陰鬱な曲が生まれるのか？

しかしこれが魅力なのである。本当に独特だ。

タイトルの意味は「薄っぺらな街」。

4）Dopo…Niente E’ Piu Lo Stesso（消え去りし真実）

タイトルの意味は「その後…もはや、同じではない」。

「政治反逆者の歌」の、その後を描いたメッセージが込められているのだろうか？とても考えさせられるものがある。

このアルバムはロック・ドラマである。

5）TracciaⅡ（軌跡Ⅱ）

この曲は平山照継の「ノイの城」収録の「少年と兵隊」にしか聞こえない。

ただの偶然か、それとも平山氏はバンコを愛聴していたのか？

たかみひろし氏に聞いて頂きたい。

そしてこの後、PFMに続いてマンティコアから英語バージョンを中心にしたアルバムを発表する。非常に残念な作品である。

しかしその後「最後の晩餐」と言う名作で盛り返す！

そして2014年、悲しい事にフランチェスコ・ディ・ジャコモは帰らぬ人となる。

ご冥福をお祈り致します。

〈BANCO DEL MUTUO SOCCORSO〉

Francesco di Giacomo：canto

Vittorio Nocenzi：organo – sintetizzatori – spinetta

Gianni Nocenzi：pianoforte – piano elettrico

Marcello Todaro：chitarra acustica ed elettrica

Renato D’Angelo：basso e chitarra acustica

Pier Luigi Calderoni ：batteria e percussioni

〈guest〉

Rodolfo Maltese ：chitarra acustica ed elettrica

Silvana Aliotta ：percussioni

Bruno Perosa：percussioni

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第123話 ANTHEM/NUCLEUS を語る

2020年6月11日カテゴリー: ヘヴィ・メタルタグ: アンセムトリスタン

ANTHEM/NUCLEUS 2019年発表。

アンセムの近年の名曲を現在のメンバーで再録したベスト・アルバム。歌詞は全て英語。

ミックスとマスタリングはイェンス・ボグレンで、物凄く素晴らしい音に仕上がっている。

再結成以降の坂本英三が歌った曲が、森川之雄のヴォーカルで蘇ったのが嬉しい！

物凄い完成度である！

近年のへヴィ・メタルに於いて、これ程クオリティーの高いアルバムは稀である！と言うか他に知らない！

あえて言えばハロウィンの「United Alive」位しか思い浮かばない！

ベテラン・バンドの多くが、かつての名作に及ばない作品しか作れなくなっている中、アンセムは本当に理想的に進化している！

森川之雄の復帰後の「Absolute World」「Engraved」は文句無しの素晴らしいアルバムだったが、まだまだやってくれそうだ！

柴田直人は本当に凄い！ライヴは色々と斬新な企画を立ててファンを喜ばせ続けている！

この「NUCLEUS」発売ライヴも本当に素晴らしかった。でもビデオになってないな。

〈NUCLEUS〉

1）Immortal Bind

「Immortal」収録曲。森川ファンの私はこのアルバムを、と言うか再結成後の坂本時代のアルバムは聞いていない。悪いね。純粋な新曲として楽しみました。素晴らしい！

2）Black Empire

リーダー・トラックのこの曲の新録のクオリティーは凄まじく、数倍の魅力を放っていて圧倒的な感動をもたらした！

英語詞もいいし、「Down！bound！」「Doomed！tomb！」のリバーブ処理が素晴らしく、洗練された感じがとてもいい！

そしてイェンス・ボグレンの言う様に非常にキャッチーである。かつてのアースシェイカーに負けてない。

当たり前過ぎて言ってなかったが森川之雄のヴォーカルが本当に素晴らしい！

3）Overload

「Overload」収録曲。本当に柴田直人はいい曲を作って来たと思う。こうしてハイクオリティーな録音で聞くと。

4）Stranger

「Absolute World」収録曲。もともと素晴らしかったので衝撃は少ないが、こうしてこのアルバムの中であらためて聞くと、何ていい曲なんだ！と思う。

5）Linkage

「Engraved」収録曲。この曲はもともと本当に好きな曲で、これ以上良く出来ないだろうと思っていたが、怪物級のクオリティーに仕上がった！何だこれは！凄すぎる！

この重厚なメイン・リフは踊り出さずにはいられない！

6）Eternal Warrior

「Eternal Warrior」収録曲。これも本当にいい曲だ！聞いた事のあるメロディーが有るような気がするが。

戦う男にふさわしい勇壮なサビがとてもいい。

7）Ghost In The Flame

「Burning Oath」収録曲。森川の歌うライヴ映像を見た（聞いた）が、どうも日本語詞の「わかってるさー、俺の負けさー」に抵抗があった。英語になって良かった。

そして更にドラマチックに演出されていて、一つのクライマックスになっている。

当たり前過ぎて言ってなかったが、清水昭男のギターも本当に素晴らしい！

8）Venom Strike

「Domestic Booty」収録曲。ついに往年の超名曲の登場である！やはり日本語のが良かったと思う部分もある。こればっかりは仕方ない。愛着が深いからね。

「Ah～Ah～Ah～Give me your venom strike !」のリバーブ処理がまた良くて、洗練された感じが素晴らしく、キャッチーに生まれ変わった！

9）Awake

「Black Empire」収録曲。何て感動的なサビなんでしょう！これはいい曲だわ！

メイン・リフの下降する部分も印象的！

余談だが、Bメロはピンク・フロイドの「Animals」収録の「Sheep」の中間部に似ている。知らない人は聞いてみよう。

10）Omega Man

「Eternal Warrior」収録曲。清水昭男の渾身のインスト。アルバムに一曲はインストを入れる事になっている。

非常に優れたギタリストである事がわかる。

11）Pain

「Absolute World」収録曲。「Stranger」と同様にあらためてこのアルバムで聞くと本当に素晴らしい曲だと実感する！

12）Echoes In The Dark

「Immortal」収録の清水昭男の曲。ダークな曲調から、サビではパッと開ける様なキャッチーさが素晴らしい！

「Engraved」で約半分を作曲しただけの事はある才能だ。

13）Unbroken Sign

「Burning Oath」収録曲。何て感動的な曲でしょう！明日への希望に満ちている！このアルバムで蘇ってくれて本当に良かった！

こんな素晴らしい曲が入っているのだから、みんな買わなきゃダメでしょう！

アンセムはまだまだ凄い事をやってくれるぞ！楽しみだ！

〈ANTHEM〉

柴田直人：Bass

森川之雄：Vocals

清水昭男：Guitars

田丸勇：Drums

ANTHEM / NUCLEUS を語る。

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お越し頂き、ありがとうございました。またお逢い致しましょう。

トリスタン

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