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第 47 話ヨーロッパ/明日への翼を語る

2020年2月11日カテゴリー: ハード・ロック,北欧メタルタグ: EUROPE トリスタン

ヨーロッパ/明日への翼 1984年発表。

スウェーデンから驚異的1stアルバム「幻想交響詩」でデビューしたヨーロッパの、堂々の2ndアルバム！

サウンド・プロダクションを含めて大きく成長しているのがわかる！アルバム全体のトータル・バランスもいい！

しかしだからといって1stのクオリティーが低いかと言うと全然そんな事は無い！どちらも歴史的名作である！

ジョーイ・テンペストの独特のヴォーカルとソング・ライティング、ジョン・ノーラムの情熱的で美しく、テクニカルなギターは冴え渡っている！

そして美しいジャケット！1stのジャケットも素晴らしいが、世界へ羽ばたいて行く大いなる野望が感じられて、タイトルと共に魅惑に溢れている！

〈Wings Of Tomorrow〉

side A

1）Stormwind

ヨーロッパを代表する歴史的名曲！嵐の様なイントロ、ジョン・ノーラムの圧巻のテーマ・メロディー！そしてリフ！始めから凄いインパクトである！

曲も北欧そのものと言え、ジョーイ・テンペストのヴォーカルによって凄まじい冷気を放っている！これこそヨーロッパである！

ジョン・ノーラムのギター・ソロは凄まじい切れを見せ、その存在感はハンパない！テクニックもメロディーも素晴らしい！

来日公演でも圧倒的な感動を与えてくれた！

2）Scream Of Anger

故マルセル・ヤコブの曲。これも代表的名曲！アップ・テンポで現在でも重要なレパートリーになっている！

やはりこの曲は盛り上がる！

ジョーイ・テンペストのパワフルなヴォーカル！ギターのリフのメロディーが印象的！

3）Open Your Heart

美しいバラード。メロディー、コード進行、まさにジョーイ・テンペストの化身の様な曲である！

サビの繰り返しも美しいが、2コーラス目の「Maybe the sun」のフレーズは特に感動的！エモーショナルである！

ジョン・ノーラムのギターも泣きまくっている！歴史的名曲！

4）Treated Bad Again

70年代の香りがするヘヴィなナンバー。ギターの細かい表現が良く伝わる、空間が活かされたアレンジになっている。

ジョーイ・テンペストの力んだヴォーカルがまた魅力的。

ジョン・ノーラムのギターも凄い貫禄で聞き応えがある！

5）Aphasia

ジョン・ノーラムのギターを堪能出来るインスト。1stの「Boyazont」と並んで本当に素晴らしいプレイである！

やはり北欧らしいメロディーで、独特のヒネリが効いている。

side B

6）Wings Of Tomorrow

堂々のタイトル曲。印象的なリフとマイケル・シェンカー風の曲調が魅力的である！

「Ride Ride Ride!」のフレーズは新しい北欧讃歌と言える！

ジョン・ノーラムのギターは本当にもう素晴らしい！キメのメロディーも曲の一部である！歴史的名曲！

7）Wasted Time

目立たない位置にあるが、なかなかの名曲で、Bメロがキャッチー。

ギター・ソロの速弾きハーモニーが素晴らしい！

8）Lyin’ Eyes

アップ・テンポで非常に力強い曲。サビがキャッチーである！ギター・ソロも嵐の様である！

9）Dreamer

美しい渾身のスローバラード。「Open Your Heart」と共にヨーロッパの美が集約された名曲！

ジョーイ・テンペストのエモーショナルなヴォーカル！ジョン・ノーラムの泣きのギターが至高の美を演出する！

特にギター・ソロのサビは信じられない美しさである！

10）Dance The Night Away

勢いとノリが凄い！ライヴのエンディングに効果絶大な曲！初来日公演も最後はこの曲で盛り上がった！

明日に向かって突き進むヨーロッパはこの後、驚異的名作「THE FINAL COUNTDOWN」を発表する！

〈EUROPE〉

Joey Tempest：Vocals

John Norum：Guitars

John Leven：Bass

Ian Haugland：Drums

Mic Michaeli：Keyboads

EUROPE/WINGS OF TOMORROW を語る。

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第 46 話ニュー・トロルス/コンチェルト・グロッソを語る

2020年2月7日カテゴリー: イタリアン・ロックタグ: NEW TROLLS トリスタン

ニュー・トロルス/コンチェルト・グロッソ Ⅰ 1971年発表。

「’79年ヨーロッパからの美しき衝撃！」と題してキング・レコードが「EUROPEAN ROCK COLLECTION」をスタートさせた！

そのパート1として発売された中の一枚がこの「ニュー・トロルス/コンチェルト・グロッソ Ⅰ」である！

映画のサウンド・トラックとして、映画音楽家ルイス・エンリケス・バカロフを迎え、ストリングスとの共演という形で制作された作品である！

イタリアらしいバロックを基調とした、あまりにも美しいメロディー！

ロックのダイナミズムとストリングスの美しさが理想的に融合した完璧なアレンジ！

シェイクスピアのハムレットの一節の引用に見られる美しい詩とヴォーカル・ハーモニー！

全てに於いて圧倒的なクオリティー、完成度であり、まさに奇跡的名盤である！

日本中に衝撃が走った！PFM等の国内発売により、イタリアのロックの素晴らしさは解っていたはずだが、まさかこれ程の作品があろうとは！

この時から日本に於ける「ニュー・トロルス神話」が始まったのだ！

「EUROPEAN ROCK COLLECTION」は人気シリーズとなり、同時発売されたマウロ・パガーニやオザンナ等の力もあってイタリアン・ロックは急速にその知名度を上げ、ファンを増やしていった！

〈Concerto Grosso Per i New Trolls〉

lato A

1）1゜tempo：Allegro

ストリングスのチューニング音が鳴る中、指揮者がタクトを鳴らして開始を告げる。

ファースト・ヴァイオリンが劇的にメロディーを奏で始める！それに続いてバンドがダイナミックにヘヴィに轟く！つば飛ばしフルートも唸る！そして堂々のストリングスが響き渡る！

何と言う美しさ！何と言う劇的な響き！この衝撃はロックの歴史を大きく塗り替えたと言えるだろう！

2）2゜tempo：Adagio

そしてあの伝説のテーマ・メロディーがゆっくりとヴァイオリン、ギターによって奏でられる。美しい…。

英詞によるヴォーカルがハーモニーを伴って始まる。これも美しい…。サビではハムレットの一節が歌われ、この曲を一段と格調高いものにしている。

そして伝説のテーマ・メロディーが壮大なストリングスによって劇的に、感動的に奏でられる！

これはもう、まさに音楽の奇跡である！

それに続いてギター・ソロが激情を込めて舞い狂い、さらなる感動を呼ぶ！

3）3゜tempo：Cadenza―Andante Con Moto

劇的なヴァイオリンのカデンツァから始まり、圧倒的な技術と表現力が、この美しいメロディーを引き立てる！

そしてストリングスによる何とも悲しげで美しいメロディーが被さって来て、もう込み上げる感情は押さえ切れない！と思っている所へ、再びハムレットの一節がハーモニーと対位法をもって現れる！

あまりの美しさに涙は溢れる！

美につぐ美、感動につぐ感動！

そして「Adagio」以上の壮大なストリングスが、圧倒的な泣きを放ちながら、終演のメロディーを奏でる！

貴方はこれ程までの感動の存在を信じられるだろうか？

4）4゜tempo：Shadows（Per Jimi Hendrix）

この曲はバンドのみの演奏による「Adagio」の変奏曲で、映画には使われていない。事実上「Concerto Grosso」は前曲までと言える。

タイトルにある通りジミ・ヘンドリックス風の味わいがある。

ヴィットリオのつば飛ばしフルート、ニコのジミヘン風の凄まじいギターも大暴れする！

lato B

5）Nella Sala Vuota

ニュー・トロルスのプレイの魅力を余すこと無く伝えるインプロ主体の曲で、レコードのB面全てを使って繰り広げられる！

70年代のロックのカッコよさ、ダイナミックさが堪能出来る！ロックはこうでなくちゃ！

シングル曲の「Il Sole Nascera’」も登場する。

そう言えば来日公演のオープニングはこの曲だった！

ニュー・トロルスはこの後、紆余曲折を経て「Concerto Grosso n゜2」を発表する。

〈NEW TROLLS〉

Vittorio De Scalzi：Vocals＆Guitar

Nico Di Palo：Vocals＆Guitar

Giorgio D’Adamo：Bass

Gianni Belleno：Drums

Maurizio Salvi：Keyboads

CONCERTO GROSSO PER I NEW TROLLS を語る。

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第 45 話エターナル・ティアーズ・オブ・ソロウを語る

2020年2月6日カテゴリー: 北欧メタルタグ: ETERNAL TEARS OF SORROW トリスタン

エターナル・ティアーズ・オブ・ソロウ/ケイオティック・ビューティー 2000年発表。

フィンランドのメロディック・デス・メタル・バンドである！このアルバムに収録されている「Autumn’s Grief」と言う曲がある。

これが素晴らしい！アルバム全体良質のメロディック・デス・メタルなのだが、この「Autumn’s Grief」は飛び抜けて極上のメロディック・シンフォニック・デスなのだ！

以前はオーソドックスなデス・メタルをプレイしていたエターナル・ティアーズ・オブ・ソロウだが、ナイトウィッシュの影響を受け、このスタイルに進化したらしい。

近年デス・メタルを聞かなくなったが、この曲だけは生涯聞き続けるだろう。

〈Autumn’s Grief〉

美しく静かなピアノが悲しげに流れ出す。秋の肌寒い淋しげな風景が浮かぶ。

そして激しい嵐の如くバンドが加わる！強力なメタル・サウンドの上にピアノが乗る事によって、ここまで壮絶な世界が広がるとは！

ヴォーカルが低い声でモノローグの様に入って来る。バックはメタル・ギターのない押さえ気味の音。悲しげである。

そしてイントロのピアノのフレーズをストリングスに置き換えた壮絶なシンフォニック・メタルが炸裂し、その上にデス・ヴォイスがこだまする！何と凄まじい世界なのか！美しさと暴虐さが見事に融合した、かつて無い世界である！

ギター・ソロがまたこれが悶絶ものの泣きの、いや哭きのメロディーである！このセンスには脱帽である！

先の壮絶なフレーズがこの曲のメイン・テーマとなっているが、再び現れて二度目のギター・ソロへ続く。

そして壮絶なメイン・テーマが繰り返される！最後はその上に枯葉が舞うが如く華麗なるピアノ・ソロが奏でられ、極みに達する！

人生の終末を迎えた様に幕は降りる。

★YouTube/Autumn’s Griefはこちら

〈ETERNAL TEARS OF SORROW 〉

Altti Vetelainen：Bass＆Vocal

Jarmo Puolakanaho：Guitar

Antti Talala：Guitar

Petri Sankala：Drum

Pasi Hiltula：Keyboads

ETERNAL TEARS OF SORROW/chaotic beauty〈Autumn’s Grief 〉を語る。

お越し頂き、ありがとうございました。またお逢い致しましょう。

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第 44 話バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソを語る

2020年2月5日カテゴリー: イタリアン・ロックタグ: BANCO DEL MUTUO SOCCORSO トリスタン

バンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソ 1972年発表。

PFMと並んでイタリアを代表するプログレッシヴ・ロック・グループの1stアルバム。

ノチェンツィ兄弟の華麗なるツイン・キーボードを軸に、ハイレベルで複雑なアンサンブルと、独特の暗さがあるドラマチックな音楽性を持つ。

しかし何と言ってもバンコの音楽を特別なものにしているのはフランチェスコ・ディ・ジャコモのヴォーカルである！

まさにイタリアの至宝とも言える素晴らしい声を持つヴォーカリストで、よくオペラティックなとか表現されるが、私は小田和正を太くした様な声だと思う。

しかし悲しい事に2014年、来日公演を前にして交通事故で亡くなってしまった！何と言う事だ！

追悼の意味も込め、ヴォーカル・ファンは是非このバンコ・デル・ムトゥオ・ソッコルソを贔屓にして頂きたい！

〈Banco Del Mutuo Soccorso〉

lato A

1）In Volo /飛行中

不穏なオルガンから続いて、民謡風メロディーをバックにヴィットリオ・ノチェンツィによる詩の朗読が始まる。子供達のコーラスも聞こえる。

再び不穏なオルガンに続いて、民謡風メロディーをバックにフランチェスコ・ディ・ジャコモはセリフの様に朗読する。子供達のコーラスが大きくなる。

2）R.I.P.（Requiescant In Pace）/安息の鎮魂曲

アップ・テンポで始まるロック・ナンバー。フランチェスコの素晴らしい声が力強くこだまする！ギター・ソロはジャズ風。

キーボード・ソロはピアノ、その上にシンセ・リード、そしてオルガンと続く！

再びヴォーカル、そしてピアノをバックにスローバラードへ、この雄大でドラマチックなメロディーを歌うフランチェスコは本当に素晴らしい！感動的である！

最後はスリリングなアンサンブルで終わる！

3）Passaggio /経過

静かな部屋を歩く足音が響き渡る。男はチェンバロの前に座り、演奏を始める。途中からその悲しげなメロディーを一緒に口ずさみ始める。

演奏を終えると足音を響かせながら去って行く。

4）Metamorfosi /変身

ライヴでは常に演奏されるバンコの代表曲！スリリングなアンサンブルから始まり、あの素晴らしいピアノ・ソロへ！

オルガンと複雑なバンド・アンサンブルがしばらく続き、スロー・パートへ！

8分過ぎた辺りからフランチェスコの朗々たる素晴らしいヴォーカルが響き渡る！

最後はアップ・テンポになって壮大でスリリングなアンサンブルで締めくくられる！

lato B

5）Il Giardino Del Mago /魔術師の庭

サスペンス・タッチの、ギャングもののドラマを思わせる独特の暗さが静かに広がる。この空気を引きずったまま、しばらくアンサンブルは続く。

途中アップ・テンポになり、ヴォーカルとコーラスの掛け合いになり、スリリング！

後半では希望に満ちたメロディーをフランチェスコが歌うパートがあり、この曲のクライマックスと言える！

この曲は18分以上あり、まだまだ展開するがとても全て伝え切れない。

6）Tracca /痕跡

最後は華麗に目まぐるしく展開する曲で締めくくられる！

近年新ヴォーカリストが加入し、活動を続けているようだ。

そしてフランチェスコ・ディ・ジャコモのご冥福をお祈り致します。

〈BANCO DEL MUTUO SOCCORSO 〉

Francesco Di Giacomo：Vocals

Vittorio Nocenzi：Keyboads

Gianni Nocenzi：Keyboads

Marcello Todaro：Guitars

Renato D’Angelo：Bass

Pierluigi Calderoni：Drums

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第 43 話ガンマ・レイ/ ヘディング・フォー・トゥモロウを語る

2020年2月4日カテゴリー: ジャーマン・メタルタグ: GAMMA RAY トリスタン

ガンマ・レイ/ヘディング・フォー・トゥモロウ 1990年発表。

ハロウィンを脱退したカイ・ハンセンの新しいグループ!

ヴォーカルは元タイラン・ペイスのラルフ・シーパースであるが、今さらタイラン・ペイスの名前を出しても意味がない！現プライマル・フィアーのラルフ・シーパースである！

このアルバムの発売当時、ガンマ・レイの名前はまだ浸透していないと考えたレコード会社は、カイ・ハンセンの名前のスリップ・ケースに入れて発売した。あれ？と思った。

ハロウィンの「守護神伝第一章」の続きとなる作品を、カイ自身の手で作り上げたと言う事で、当時のファンの熱い期待に100％応えた仕上がりであり、歴史的名盤である！

カイの高い音楽的資質をふんだんに盛り込んだバラエティー豊かな作品が並んでいて、信じられないクオリティーである！

ラルフ・シーパースのヴォーカルはマイケル・キスクに匹敵する魅力を放ち、ファンを唸らせた！

誰もがガンマ・レイに酔いしれた！まさに時代の先頭を突っ走る勢いがあった！

〈Heading For Tomorrow〉

side A

1）Welcome

やはり荘厳な序曲から始まる！期待は頂点に高まる！

2）Lust For Life

ジャーマン・メタル、メロディック・パワー・メタルと言う音楽の、理想的姿がここにあると言い切れる歴史的名曲！カイ・ハンセンはやってくれた！

ラルフの雄大で力強いハイトーン・ヴォイスは見事で病みつきになる！

ギター・ソロは完璧に構築されていて、実に見事である！カイの最高傑作ではないか？興奮は収まらない！

3）Heaven Can Wait

活きのいいロックン・ロール！サビの合唱が、ユニゾンからハーモニーへと変化するあたりが感動的！ギター・ソロにはクイーンのあのメロディーが。

4）Space Eater

モロにジューダス・プリーストからの影響が出ている！低音弦を8ビートで刻むリズムに体は揺さぶられずにはいられない！サビで伸びるハイトーンが気持ちいい！

5）Money

ロック・オペラの如く、金について議論する二人をカイとラルフが歌うコメディ・タッチの曲！

非常に緻密なアレンジが施されていて、クオリティーが高い！カイの才能の凄さがよく分かる！

息をもつかせぬ展開！キャッチーなギター・ソロ！クイーンの様なカラフルなコーラス！度肝を抜かれる名曲！

6）Silence

壮大で感動的なイントロに続いてスローバラードが始まる。ラルフの歌唱力は実に素晴らしい！

サビはオペラの如きコーラスが響き渡り感動的！そして組曲の様に次々に展開する。見事である！

最後はまたオペラの如く大合唱で盛り上がり、幕は降りる。ブラボー！

side B

7）Hold Your Ground

「Money」に共通するコメディ・タッチの曲だが、ミュージカル風でもある。カイの独特のメロディー・センスが素晴らしい！

そして中間部で、ディープ・パープル風の展開になる！つまり色々なグループへのリスペクトがふんだんに盛り込まれている訳だ。最後はクラシックの曲の様に終わる！

8）Free Time

ラルフ・シーパースの曲で、スタンダードな明るいハード・ロックとなっている。

9）Heading For Tomorrow

アルバム・タイトル曲で、14分を越える大作！冒頭の「We are heading for tomorrow～」の荘厳なフレーズのリズムはクイーンの「預言者の歌」と同じだ。

そしてジューダスの「Victim Of Change」風のリフが始まる。雄大なノリである！

ギター・ソロでは一変してピンク・フロイド風になり、繰り返される。

とにかく色々なアイデアが詰め込まれていて、飽きさせない！渾身の力作である！

10）Look At Yourself

ユーライア・ヒープのカバー。選曲のセンスが見事。ガンマ・レイにぴったりである！エンディングのアレンジも素晴らしい！

カイ・ハンセンは現在ハロウィンで活動中。素晴らしい新作を期待する！

〈GAMMA RAY〉

Kai Hansen：Guitar＆Vocal

Ralf Scheepers：Vocals

Uwe Wessel：Bass

Mathias Burchardt：Drums

GAMMA RAY/Heading For Tomorrow を語る。

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第 42 話エア・アパレント/ワン・スモール・ヴォイスを語る

2020年2月2日カテゴリー: アメリカン・メタルタグ: Heir Apparent トリスタン

エア・アパレント/ワン・スモール・ヴォイス 1989年発表。

クイーンズライクのフォロワーと言われていたが、共通点は僅かで、このアルバムでは独自の音楽性を確立していたと言える！

ジェフ・テイトと言うよりはマイケル・キスクにそっくりなVo.スティーヴ・ベニートの歌声が私は好きでしょうがなかった！

非常に官能的で美しい歌声であった！マイケル・キスクのファンはぜひ聞いて欲しい！

音楽的にも奥深いものがあり、プログレッシブ・メタルと言う言葉では言い表せない表現力があった。

その後、ライヴだかデモだかが収録されたCDが秘かに発売されて、大喜びで買った覚えがある。

〈One Small Voice〉

side A

1）Just Imagine

何やら不穏な雰囲気が漂うイントロから続いてスティーヴ・ベニートのヴォーカルが入る。中音域から高音域へ、美しく翔けのぼる！そしてエモーショナルだ！メロディーも哀愁がある！

ギター・ソロはムダに速弾きをせず聞かせてくれる。歴史的名曲！

2）Crossing The Border

シーケンスされたキーボードにベース、ギターが順に加わる。そして疾走！スティーヴのハイトーンを目一杯聞かせる名曲！手に汗握る緊張感がある！

3）Screaming

ミドルテンポの普通のメロディック・ロックの様だが、2コーラス目で驚異の超音波ハイトーンが炸裂する！

4）Alone Again

メジャー・キーのスローバラード。スティーヴ・ベニートの歌唱力、表現力、エモーションが存分に堪能できる名曲！最後の高音で声を伸ばす所が素晴らしい！

5）Cacophony Of Anger

シリアスなイントロから始まる怒りに満ちた曲。こう言う曲はサンクチュアリのウォーレル・デインが歌うと丁度いい。

6）Sound Of Silence

サイモン＆ガーファンクルのカバー。二人でハモるのではなく、スティーヴ一人のヴォーカルのバックで、厚いコーラスが響き渡ると言う斬新なアレンジになっている。

side B

7）We The People

アメリカ政府に対するメッセージと言えるタイトル。地球が直面している諸問題に警鐘を鳴らす歌詞で、ジャケットのイラストはこの曲を表現しているのだろう。

プログレッシブなイントロ、そして歌い出しのメロディーがクイーンズライクの「The Warning」に似ている！しかしそんな事は関係ない！この美しいメロディー！エモーショナルなハイトーン！歴史的名曲である！

8）Young Forever

疾走するハード・ロックだが、少し作り方がラフである。

9）One Small Voice

非常にシリアスな空気が漂うスローバラード。やはりスティーヴ・ベニートの表現力が素晴らしい！

10）Decorated

美しいピアノが印象的なイントロ。そしてじっくりと思いを込めて切々と歌い上げるヴォーカル。哀愁漂う歴史的名曲！クライマックスのハイトーンは本当に素晴らしい！

11）The Fifth Season

悲しげでシリアスなバラードから始まるが、ほどなく爆発的盛り上がりを見せる！まるで最終戦争が始まった様である！有終の美を飾るが如く狂瀾の宴が繰り広げられる！

近年復活したらしいが、ヴォーカルがスティーヴではなく、いまいちなので買ってない。

〈HEIR APPARENT〉

Steve Benito：Vocals

Ray Black：Drums

Michael Jackson：Keyboads

Derek Peace：Bass

Terry Gorle：Guitars

HEIR APPARENT/One Small Voice を語る。

お越し頂き、ありがとうございました。またお逢い致しましょう。

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第 41 話クイーンズライクを語る

2020年2月1日カテゴリー: アメリカン・メタルタグ: QUEENSRYCHE トリスタン

QUEENSRYCHE /クイーンズライク 1983年発表。

クイーンズライクは1983年日本に於いて、東芝EMIより「クイーンズライチ」としてデビューした。以来1997年発表の「Here In The Now Frontier」まで「クイーンズライチ」であった。

アトランティックに移籍し、1999年発表の「Q2K」から「クイーンズライク」である。

「クイーンズライチ」と言う神秘的な響きが好きであった。今は少し変な気がするので「クイーンズライク」である。

Vo.ジェフ・テイトが助っ人で歌ったアルバムが売れてしまい、それならと言う事で、正式にメンバーとなり、めでたくクイーンズライクは誕生した！

ジェフ・テイトの驚異的ハイトーンを中心に据えた、絵に描いた様な正統派ヘヴィ・メタルを展開するこのアルバムは、後世にまで語り継ぐべき歴史的名盤である！

CDのボーナス・トラックには、初来日公演の音源が収録されていて嬉しい限りである！

以後、音楽性を変化させ、ファンを戸惑わせながら、次々と歴史的名盤を遺していく事になる。

〈QUEENSRYCHE〉

1）Queen Of The Reich

クイーンズライクだけでなく、ヘヴィ・メタルを代表する永遠の歴史的名曲！

Eマイナーで疾走し、ツインリードは感動的に唸りをあげ、ジェフのハイトーンは驚異な伸びを見せる！今聞いても興奮を抑える事は出来ない！

2）Nightrider

基本的には、同じ路線の曲。ブラック・サバスの様な重いリフとツインリードを活かしたイントロがいい！サビでジェフが声を伸ばし、バックでドラムが乱れ打つあたりが印象的！

3）Blinded

基本的には、同じ路線の曲。低音のメロディーを変拍子でユニゾンするイントロ、後半でそのフレーズの上にツインリードが乗るアレンジが素晴らしい！

4）The Lady Wore Black

スローバラード。ジェフ・テイトの作詞。サビでの盛り上がりがいい！ちなみにこのアルバム収録の4曲は全てキーがEマイナーである！

現在クイーンズライクはトッド・ラ・トーレをヴォーカルに活動している。まだまだ名盤を出してくれると期待する！

〈QUEENSRYCHE〉

Geoff Tate：Vocals

Chris DeGarmo：Guitars

Michael Wilton：Guitars

Eddie Jackson：Bass

Scott Rockenfield：Drums

QUEENSRYCHE/クイーンズライクを語る。

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