第208話 スコーピオンズ/暴虐の蠍団~テイクン・バイ・フォース を語る

スコーピオンズ/暴虐の蠍団~テイクン・バイ・フォース 1977年 発表。

傑作アルバム「ヴァージン・キラー」に続いて発表された作品はウリ・ジョン・ロート在籍時の最後のオリジナル・アルバムとなった。

スコーピオンズの音楽。それは明らかにブリティッシュ・ロックのそれとは違う。

国ごとに音楽性が違うのは当然なのかも知れないが、こうも違うモノなのか?と思う。

メロディーから滲み出る哀愁はドイツ独特のモノであり、クラウス・マイネの歌声はゲルマン神話を彷彿とさせる。

そしてウリ・ジョン・ロートのギターが放つ旋律は、天空と大地の意志が具現化したかの様である。

このアルバム発表後、スコーピオンズは日本にやって来た。運命の、宿命の出逢いだったのだ。

〈TAKEN BY FORCE〉

side A

1)Steamrock Fever

ギターを掻き鳴らし、勢い良く3連のリズムで始まる!

We’d like !

その上にクラウス・マイネの歌声が登場!活きのいいロックをじわじわ盛り上げる。サビの前の緊張感の高いコード進行が、ヤバい雰囲気を出している!

Steamrock fever !

ヤバい雰囲気から一転、突き抜けたような明るい曲調に展開!これはキャッチーだ!しかし安っぽくはならず、栄光を感じさせるメロディーだ!

残念ながらギター・ソロは登場せず、繰り返しで終わる。

チープなSEはない方がいい…。

2)We’ll Burn The Sky

ウリ・ジョン・ロート期のスコーピオンズを代表する名曲!故モニカ・ダンネマン作詞。この曲についてはこちらをご覧下さい。

第110話 スコーピオンズの名曲〈空を燃やせ〉を語る

3)I’ve Got To Be Free

ウリの曲で、プリミティブなエネルギーが渦巻くロックとなっている。

イカしたリフにクラウスのワイルドなヴォーカル。これもスコーピオンズだ!ウリが歌っているバージョンを想像してみたら、これも味がある!

ギター・ソロはストレートなロック・ギターで、ワイルドな叫びを上げている!

4)The Riot Of Your Time

激しく掻き鳴らすアコースティック・ギター!そしてシリアスな空気を伝えるウリのギター!

The only king of rock has gone !

クラウスのヴォーカルもシリアス!非常にダークな雰囲気を伝えるナンバー。英米のバンドにはない曲調だ。

ギター・ソロは一切の速弾きを廃し、もう1つの曲のようなメロディーを奏でる。オクターブで重ねられている。

キャッチーさは全くないが、この時代のスコーピオンズを良く表した名曲!

side B

5)The Sails Of Charon

三途の川を表したSEが不気味に流れる。

ウリ・ジョン・ロートの代表曲として長く語り継がれる名曲!イントロのギターにその魅力が徹底的に詰め込まれている!何と華麗なプレイだろうか!イングヴェイが惚れ込むのも無理もない!

Dark night !

クラウスのヴォーカル。とにかくひたすら陰気でクセの強い曲調である。歌詞の世界も暗黒である。しかしハマるとクセになる。

並のミュージシャンには絶対に作れないタイプの名曲!

6)Your Light

これもウリの曲。

劇的に始まるが、異様に暗く陰気なリフが後に続く。ここまでワガママな曲を作るか?

しかしこの曲が好きな貴方は立派なウリ信者です。仲間になりましょう。

7)He’s A Woman – She’s A Man

ようやく登場!ルドルフ・シェンカーのカミソリのようなリフ!3連のリズムに乗ってダークに突き進む!

I saw it walking lonely down the street !

「フランスのモンマルトルのナイトクラブで目撃したゲイのファッションに衝撃を受けた」という事らしいが、このクラウスの狂気の叫び声!ドンだけ衝撃を受けたんだ!?見てみたい!

He’s A woman !

サビは気を取り直してキャッチー!

ギター・ソロも正統派のロック・ギターでカッコいい!

8)Born To Touch Your Feelings

スコーピオンズならではの哀愁のバラード。美しいメロディーに美しいクラウスの歌声。ヨーロッパの夜に流れる名曲。

アテネでのアンプラグド・ライブで感動的にプレイされた。

このアルバム、そして「Tokyo Tapes」をもってウリ・ジョン・ロートは脱退した。己れの真の音楽を追求するために。

〈SCORPIONS〉

Klaus Meine:Vocals

Ulrich Roth:Lead Guitars, Vocals

Rudolf Schenker:Guitars

Francis Buchholz:Bass

Herman Rarebell:Drums

SCORPIONS / Taken By Forceを語る。

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トリスタン

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