新月 1979年発表。
日本のプログレッシヴ・ロックの頂点を極めた「新月」。その登場は西洋と和の文化が融合した瞬間だった。
今なお、生きる伝説として存在する奇跡。それは‘いにしえ’から未来への遺産でもあり、刹那の夢でもあった。
花本彰の描いた「鬼」の姿は‘いにしえ’の神から与えられた音絵巻。
私達が忘れかけた心の記憶を呼び戻す。
そして、“鬼”は永遠に生きる…
<鬼>
それは一体いつの時代の日本だろうか
しんしんと降る雪、ギターのアルペジオ。
そして激しく物語は始まる。ギター、キーボード、和音進行は、何処か遠い國への結界を破って行く。そこは…
~いつものところで夢から醒めて~
北山真の歌声は私たちをいざなう。そこは架空の世界なのか現実なのか
悲しげな和音、心の陰を表す旋律
~編みかけの糸玉~
~いろりの炎~
~雪~
散りばめられた言葉のひとつひとつ、描かれた風景は幻のように現れては消え、現れては消え…
美しいギターの音色は優しく、雪の舞う夜に一筋の光と暖かさを運んでくるよう。
~雪は消えた~
そして人里離れた山奥に棲む女、そしてそれを見守るのは…鬼。
女は過去を振り返るが、もはやそれは取り戻せない。
~朽ちかけた天窓~
~そこに居たのは鬼~
女を見守る“鬼”は本当に居たのか?何処から来て、何処へ行くのか?
~鬼は逃げた~
めくるめく音の舞いは妖しく物語を編み上げる。それは激しくも優雅。
“鬼”の魂、起源であるフルートの旋律が、メロトロンに乗り移る。和の中に潜む言い知れぬ恐れが私を包む。
女は思い出そうとする。
~夢守るおきて~
~藁の手首~
女の儚い想いはここで終わりを告げる…
悲しく美しいギターのメロディーとメロトロンは、女の御霊を悲しく見送るかのように木霊する。
余多の精霊、古き神々、もののけ達は人知れぬ遠い國で舞い踊る。
儚く散った女の御霊への、せめてもの慰めとして…
新月が見せた束の間の幻は、心の奥深くに棲みつき、“鬼”となって生き続ける…。
〈新月〉
北山 真:Vocal
花本 彰:Keyboads
高橋 直哉:Drum
鈴木 清生:Bass
津田 治彦:Guitar
新月 の名曲〈鬼〉を語る。
価格:3,971円 |
お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。
トリスタン
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