ガンマ・レイ/ヘディング・フォー・トゥモロウ 1990年発表。
ハロウィンを脱退したカイ・ハンセンの新しいグループ!
ヴォーカルは元タイラン・ペイスのラルフ・シーパースであるが、今さらタイラン・ペイスの名前を出しても意味がない！現プライマル・フィアーのラルフ・シーパースである！
このアルバムの発売当時、ガンマ・レイの名前はまだ浸透していないと考えたレコード会社は、カイ・ハンセンの名前のスリップ・ケースに入れて発売した。あれ？と思った。
ハロウィンの「守護神伝 第一章」の続きとなる作品を、カイ自身の手で作り上げたと言う事で、当時のファンの熱い期待に100％応えた仕上がりであり、歴史的名盤である！
カイの高い音楽的資質をふんだんに盛り込んだバラエティー豊かな作品が並んでいて、信じられないクオリティーである！
ラルフ・シーパースのヴォーカルはマイケル・キスクに匹敵する魅力を放ち、ファンを唸らせた！
誰もがガンマ・レイに酔いしれた！まさに時代の先頭を突っ走る勢いがあった！
〈Heading For Tomorrow〉
side A
1）Welcome
やはり荘厳な序曲から始まる！期待は頂点に高まる！
2）Lust For Life
ジャーマン・メタル、メロディック・パワー・メタルと言う音楽の、理想的姿がここにあると言い切れる歴史的名曲！カイ・ハンセンはやってくれた！
ラルフの雄大で力強いハイトーン・ヴォイスは見事で病みつきになる！
ギター・ソロは完璧に構築されていて、実に見事である！カイの最高傑作ではないか？興奮は収まらない！
3）Heaven Can Wait
活きのいいロックン・ロール！サビの合唱が、ユニゾンからハーモニーへと変化するあたりが感動的！ギター・ソロにはクイーンのあのメロディーが。
4）Space Eater
モロにジューダス・プリーストからの影響が出ている！低音弦を8ビートで刻むリズムに体は揺さぶられずにはいられない！サビで伸びるハイトーンが気持ちいい！
5）Money
ロック・オペラの如く、金について議論する二人をカイとラルフが歌うコメディ・タッチの曲！
非常に緻密なアレンジが施されていて、クオリティーが高い！カイの才能の凄さがよく分かる！
息をもつかせぬ展開！キャッチーなギター・ソロ！クイーンの様なカラフルなコーラス！度肝を抜かれる名曲！
6）Silence
壮大で感動的なイントロに続いてスローバラードが始まる。ラルフの歌唱力は実に素晴らしい！
サビはオペラの如きコーラスが響き渡り感動的！そして組曲の様に次々に展開する。見事である！
最後はまたオペラの如く大合唱で盛り上がり、幕は降りる。ブラボー！
side B
7）Hold Your Ground
「Money」に共通するコメディ・タッチの曲だが、ミュージカル風でもある。カイの独特のメロディー・センスが素晴らしい！
そして中間部で、ディープ・パープル風の展開になる！つまり色々なグループへのリスペクトがふんだんに盛り込まれている訳だ。最後はクラシックの曲の様に終わる！
8）Free Time
ラルフ・シーパースの曲で、スタンダードな明るいハード・ロックとなっている。
9）Heading For Tomorrow
アルバム・タイトル曲で、14分を越える大作！冒頭の「We are heading for tomorrow～」の荘厳なフレーズのリズムはクイーンの「預言者の歌」と同じだ。
そしてジューダスの「Victim Of Change」風のリフが始まる。雄大なノリである！
ギター・ソロでは一変してピンク・フロイド風になり、繰り返される。
とにかく色々なアイデアが詰め込まれていて、飽きさせない！渾身の力作である！
10）Look At Yourself
ユーライア・ヒープのカバー。選曲のセンスが見事。ガンマ・レイにぴったりである！エンディングのアレンジも素晴らしい！
カイ・ハンセンは現在ハロウィンで活動中。素晴らしい新作を期待する！
〈GAMMA RAY〉
Kai Hansen：Guitar＆Vocal
Ralf Scheepers：Vocals
Uwe Wessel：Bass
Mathias Burchardt：Drums
GAMMA RAY/Heading For Tomorrow を語る。
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