ページェント/夢の報酬 1989年発表。
Gt.の中嶋一晃が脱退すると言う大事件の後、Vo.の永井博子を中心に製作された2ndアルバム。
これがなかなか素晴らしい作品に仕上がっている！
中嶋氏のスティーヴ・ハケットを思わせるギターが無くなり、新しいギターはテクニカルにプレイするタイプで、そこに違和感が有るものの、曲自体のクオリティーは圧倒的で、中嶋氏の不在をものともしていない。
1stアルバムのタイトル曲「螺鈿幻想」は、永井博子の圧倒的歌唱力と作曲力、退廃的で猟奇的な詩によって描かれた作品である！ゆえに彼女がいる事によりあの世界が表現出来ると言える。
音楽性の幅も広がっていて、驚かせる部分も有るものの、美しさ、叙情性、ドラマチックさも徹底的に追求していて、非常に意欲的な作品となっている。
〈夢の報酬〉
side A
1）海の詩
永井博子による多重録音の、日本的で美しいアカペラ・コーラスから始まる歴史的名曲！今までに無かったグルーヴ感が有り、新しさを感じる。
しかしとにかく永井さんの歌唱が素晴らしい！
ベース・ラインは第３期ノヴェラを思わせる。
歌のバックでさざ波の様に流れるストリングスが美しい！
後半のシリアスな雰囲気がまた曲の表現を深め、さらにどんどん盛り上がっていくのは感動的！エンディングのキメもいい！
2）グレイの肖像
サスペンス・ドラマの主題歌を思わせる導入部。そして悪魔との取り引きで展開する！
かと思うと、ミスター・シリウスの極上のフルートが天上の楽園の如き空間を演出する！何と言う美しさ！
そして再びサスペンス！永井さんの歌がとにかく素晴らしい！後半は畳み込むように進み、「絶望の色～！」で頂点に達する！歴史的名曲！
3）アルカロイド
ダンス・ナンバーである！驚いた！
歌詞の中に「気のふれたお茶会」と言うのが出て来るが、やはり第３期ノヴェラの影響か？1曲目のベースは確信犯か？
「Brain Of Balance」のドラムのフレーズまで出て来る！
side B
4）ラピス・ラズリ幻想
壮大なイントロは平山照継を思わせる。しかしこの退廃的な世界感はまさに永井博子のものである！
何とも悲しく絶望的な気持ちになるが、やはり歌唱は素晴らしい！
再びミスター・シリウスのフルートが堪能出来る！そして新月の「鬼」のギターのフレーズまで出て来る。やはり歴史的名曲！
5）A FORGET－ＭＥ－ＮOT
アコースティックな美しいバラード。胸が締め付けられる様な切ない気持ちになる。
この様な歌を歌う永井さんがとてもいじらしく感じる。男の心をわしづかみにする名曲！
6）パペチュアル・パーフェクション
リズムがイエスの「Hold On」を思わせるが、曲調はノヴェラの「Going To The Kingdom」の様な解放感がある。
中間部でピンク・フロイド～ジェネシス「Los Endos」風の展開が広がる。この曲も新しい試みがある名曲！
永井博子さんはミスター・シリウスの2枚のアルバムでも素晴らしいヴォーカルを聞かせてくれる。この後、大木理沙と名前を変えて活動していた。ヴォイス・トレーナーもやってるみたい。
〈ページェント〉
永井博子：Vocals
前野裕之：Guitars
鹿島有三：Keyboads
山田和彦：Bass
引頭英明：Drums
宮武和広：Flute
ページェント/夢の報酬 を語る。
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価格:1,430円 |
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トリスタン
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