第211話 アイアン・メイデン/頭脳改革 を語る

〈アイアン・メイデン〉

頭脳改革

1983年発表。

名作「魔力の刻印」に続くアルバムは、後世に残る名曲を含む素晴らしい作品となった!

クライヴ・バーに代わり新しいドラマーとなったのはニコ・マクブレイン!いよいよニコの登場だ!

そしてブルース・ディッキンソンも本作よりソング・ライティングに貢献するようになり、メンバーとしての地位を固める!

「Revelation」なんかブルースの単独クレジットになっている!やるな!

しかしいい曲が並んでいる!そういえば最近は邦題を聞いてもどの曲なのか分からなくなって来た。「悪魔の誘い」?「邪悪の予言者」?「悪夢への招待」?「鋼鉄の殺人鬼」?

「イカルスの飛翔」はまぁ分かる。

「明日なき戦い」は「誇り高き戦い」と混乱する。

しかし最近は邦題がなくなり、曲名がただカタカナで表記してあるだけで、それも面白くない。そのカタカナ表記は日本語読みだから発音が悪い。話がそれた。

いい曲が並んでいる!特に「Where Eagles Dare」「Flight Of Icarus」が最近ライヴでプレイされているのが嬉しい!「Sun And Steel」もキャッチーで好きな人も多いのでは?

「Revelation」「To Tame A Land」もプログレッシブでドラマチック!本当に名曲揃い!

「The Trooper」?当たり前。

〈Piece of Mind〉

side A

1)Where Eagles Dare

ニコの元気なフィルインが冒頭を飾る!そして何やら複雑なリズム・パターンに乗ってリフが刻まれる!インパクトがある!

It’s snowing outside~

そのリフに合わせた感じでブルースが颯爽と歌い出す!早口言葉のようだが見事なツカミだ!カッコいい!

The blizzard goes on !

伸びやかでメロディアスなフレーズに突入!もはや名曲の仲間入りは間違いない!

Where eagles dare !

そして間奏ではこれまた印象的なリフが延々と繰り返される!繰り返す度に3度、5度と音が上に重なってゆく!凄いアイデアだ!

そして空を舞うようなギター・ソロ!ハーモニーも忘れていない。背後には機関銃の音!

そして全員が一丸となった低音のユニゾン!これがいいんだなメイデンは!ライヴで絶対に映えるアレンジだ!

そして再び先程のリフを繰り返す!これはたまらんね!そしてダメ押しでイントロのリフに繋がる!見事な構築、構成だ!もの凄いドラマを感じる!

ドラマと言えばこの曲は同名の映画からインスピレーションを受けているのですかね。

そして再びブルース登場。ラストはハイEでトドメを刺す!ロブやジェフのようなタイプではないのでライヴでの再現は難しいようだが、ブルースの歌声は歳と共に魅力が増していて、オペラのように豊かで説得力がある!

YouTubeでヴォーカルの講義をしている映像があったが、ああいう場でアカペラで歌うと凄い声なのが良く分かる。

堂々の名曲である!

2)Revelation

ブルースの曲。スティーヴ・ハリスに負けずプログレッシブなセンスを持っている。

イントロのベースの響きはメタルのそれではなくプログレだ。そしてスローで重厚なリフ。

O God of earth~

「Revelation」という曲名だけあって歌詞も厳かである。そしてバラード調のツイン・リードがメイデンらしい雰囲気を醸し出す。

そしてリフがブレイクの空間を作る。この空間にもドラマを感じる。

そして曲は勢い良く走り出す。ツイン・リードは美しく舞う。

バラード調で曲は続く。ピーター・ガブリエルの影響もあり、ブルースは演劇音楽の世界に入り込んでいる!

曲はクライマックスを迎え、激しく盛り上がる!

そして語り部は厳かに物語を締めくくる。

It is you…

ブルースのただならぬ才能が発揮された名曲。

3)Flight Of Icarus

ドッシリとしたミドル・テンポでギターは刻まれる。アメリカ向けのテンポらしい。ライヴの速いテンポに慣れると違和感を感じるが、それでも問題なく楽しめる。

As the sun Breaks !

正統派のカッコいいメロディーでブルースは歌う。イカルスの神話に私たちを連れて行く。

Fly ! On your way !

サビも、斬新さはないが完璧なメロディーでキメてくれる。こういうメロディーは狙って作れるモノではない。閃きだ。

2コーラス目の中盤の、

In the name of~

で高音域でキメる部分がいいアクセントになっている!そして引き続きサビに向かって高音域を使って緊張感を高めている!

Fly ! On your way !

コーラスが重ねられているが、クイーンのようには決して聞こえない。

エンディングの、

Fly as high as the Sun !

のキメがまたカッコいい!

Ah~~!

4)Die With Your Boots On

メイデンらしい「メロディーのハーモニー」のリフが登場!

曲調としてはノリ一発のロックという感じだ。

ポール・ディアノの方が合っているかも知れない。でもいい曲だ。

side B

5)The Trooper

常にプレイされる必殺ナンバー!イントロが鳴り響いた瞬間、血が騒ぐ!ジューダスの「Breaking the Law」に似た存在かも。

ツイン・リードのイントロのメロディー!そしてハーモニー!まさにメタルの教科書のようなリフだ!と言いつつこれはメイデン独自のスタイルですね。

You’ll take my life~

ブレイクしてブルースの歌声が轟く!本当にスティーヴ・ハリスらしい曲だ!この疾走感!

Ah~Ah~Ah~Ah~

サビは歌詞がない!そうか!ヨーロッパの「幻想交響詩」で、サビでやたらOh~が出て来る曲が多いが、この曲の影響か?!(勝手に決めつけて納得)(同時期に発表されているのでそれはない)

ブルースが振る英国の旗が印象的!名曲!

6)Still Life

スティーヴ・ハリスのベースのアルペジオにデイヴ・マーレイの美しいギター。これもメイデンの美学。

Take a look !

怪しい雰囲気を出してブルースは歌う。「悪夢への招待」の邦題は実はこの曲だが、ブルースの役者っぷりはすでに板についている。

Oh…I never felt ~

バラード調から、バンドが元気よく入ってドラマは進む!

Nightmares !

2コーラス目で

Will give me peace of mind.

というセリフが出て来る。

peace of mind ?

アルバム・タイトルは〈Piece of Mind〉。peaceとpieceでもじった訳か。

ツイン・リードも聞き所。

7)Quest For Fire

畳み掛ける様なイントロ!そして12/16拍子とでもいう細かいリズムのミドル・テンポ。

In a time !

人類の火の歴史を語る。ブルースは惜し気もなくハイトーンをぶちかます!

と思ったら2コーラス目ではハイトーンが封印されている。

ツイン・リードは印象的だが、全体的に地味なイメージとなっている。イントロはカッコいいけど。

でもいい曲。

8)Sun And Steel

「Run To The Hills」の如く16ビートで突っ走る!こういうリズムは好きなんですよね。

You killed your~

「鋼鉄の殺人鬼」の邦題はこの曲。人殺しの経歴が語られる。カッコいい曲調だ。

Sunlight !

そして「Run To The Hills」の如くメジャー・キーでキャッチーなサビをぶちかます!非常にいい曲だが、ライヴでやらないのはやはり「Run To~」の二番煎じだからか?もったいない話だ。

いや、ハモりが再現出来ないのかも!

ツイン・リードから入って短いソロ!

Sunlight!

サビを繰り返し、

and it’s rolling still !

「Flight of Icarus」と並んでブルースとエイドリアンのペアはいいソング・ライティング・チームである事が分かる。

9)To Tame A Land

再びスティーヴ・ハリスのベース・アルペジオにデイヴ・マーレイの美しいギター。メイデンの美学。コード進行にヒネリがある。

何と表現したらいいのか、引きずるようなスリリングなリズム!(何じゃそれ)

He is the King of~

また物語になっている歌詞で、惑星デューンとか出て来る。曲調にメロディアスさは無く、淡々と物語を語る。繋ぎのギターはそれなりに印象的。

スローなパートに入ってベースが何やら訴える。

The time will come !

シリアスな雰囲気は増してカッコ良くなって来た。叙事詩のようだ!

歌い終わるとギターとベースがスリリングで見事なユニゾンをぶちかます!それは何度も繰り返され、ドラムがそれを徐々に盛り上げて行く!これは凄い!このアルバムのクライマックスだ!

このプログレッシブさはたまらん!さすがだ!

テンポ・アップしてギター・ソロ!激しいバトルの後、美しいハーモニー!キーは転調を繰り返す。

そしてイントロのフレーズが再び現れ、幕は下りる。

ライヴで見たらさぞかしカッコいいだろう!

これは映画の映像が使われていてなかなか凄いビデオです。

本当にメイデンは凄いアルバムが多い。「魔力の刻印」が最高とか、いつまでも言っても仕方ないですね。(私も言ったけど)

〈IRON MAIDEN〉

Steve Harris:Bass

Bruce Dickinson:Vocals

Dave Murray:Guitars

Adrian Smith:Guitars

Nicko McBrain:Drums

IRON MAIDEN/Piece of Mindを語る。

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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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