キャメル/ライヴ・アット・ザ・ロイヤル・アルバート・ホール
ツアー最終日のロイヤル・アルバート・ホールの映像作品がついに発売!ファン感涙の素晴らしい作品だ!
キャメルは名作「ムーンマッドネス」完全再現のワールド・ツアーを敢行、日本を皮切りにして最終日、ロンドン、
2018年9月17日(月)
〈ロイヤル・アルバート・ホール〉
まさにファン感涙の素晴らしいコンサートである!
かつてこの殿堂で多くのアーティスト達が伝説を作った。
私の知る限りでもディープ・パープル、ルネッサンス、ホセ・カレーラス、デヴィッド・ギルモア、スティーヴ・ハケット、オーペス等があるが、ついにキャメルがこの殿堂で!
格調高く美しい殿堂は、キャメルの音楽をさらに美しく、そして芸術性を高めている!そして心からキャメルを愛する者達がこの殿堂を埋め尽くす!
キャメルに出会えて本当に良かった!この様な素晴らしい作品を味わえるなんて!
アンディ・ラティマーのギターはもう「悟りの境地」に達していて、心の奥深くからの感動に包まれる!
素晴らしいプレイをする時のアンディのあの表情。ギターの音に合わせてあの表情を出しているのではない。
生命の中から表現の「種」を生み出し、その「種」が育ち、花が咲き実がなる様に、音となり、表情となるのである。
つまりアンディのギター・プレイはアンディの生命そのものなのだ!あの表情が出る程の「種」から生まれたプレイなのだ!心を奪われない訳がない!
デヴィッド・ギルモア、スティーヴ・ハケットと並んで、世界遺産、人間国宝に認定するものである。
白髪のコリン・バースも最高のメンバーだ。そしてピート・ジョーンズ。天才マルチ・ミュージシャンである彼の参加によって、キャメルは第3の真のメンバーを得た!
オリジナル・メンバーがアンディひとりになったキャメルの歴史の中で、最高の布陣と言える。
〈Live at The Royal Albert Hall〉
Set One
1)Aristillus/アリスティラスへの誘い
オープニングのSEとして流れる。さあ「ムーンマッドネス」が始まる!
期待は高まる!
2)Song Within a Song/永遠のしらべ
やはり名曲の輝きは眩い!美しいフルート、美しいヴォーカル・ハーモニー、そしてあの印象的なソロへの導入部!
ゆったりと大きなうねりを伴い、曲は曲の中へと進んで行く。
アンディはレスポールを使用。
3)Chord Change/転移(コード・チェンジ)
スリリングでジャズの味わいがあるインスト。
中間部のアンディの泣きのギターが素晴らし過ぎる!生命の「種」から生まれたプレイに心はわしづかみにされる。
ガーデン・シェッドの林さんが以前書いた「赤子をあやすような」という表現そのもののプレイだ。感動的!
4)Spirit of theWater/水の精
コリン・バースのヴォーカルがますます素晴らしくなっている!
曲の世界に入り込んで、手振りも加わっている。これも生命の「種」から出ているのでしょう。
5)Another Night/月夜の幻想曲(ファンタジア)
ハード・ロック風の力強いナンバー。3人のリード・ヴォーカルが安定したハーモニーを歌う。そう3人のリード・ヴォーカルだ。
ピート・ジョーンズのサックスが炸裂する!
6)Air Born/ゆるやかな飛行
キャメルの叙情的ナンバーのトップに来る名曲。美しいフルート、美しいメロディー、美しいヴォーカル。
今回のヴォーカルはピート・ジョーンズだ。アンディ程の深みはないが、実に上手い。
7)Lunar Sea/月の湖
最強のスリリングさと芸術性を持った名曲。キャメルのポテンシャルの高さが良く解る。
後半のアンディのギターは高い緊張感の中、自在に暴れ回る!まだまだ衰えてはいない!
Set Two
1)Unevensong/心のさざなみ
「雨のシルエット」収録曲。
緊張感のあるリズムだがメロディーは優しく美しい。
やはり印象的なギター・フレーズが聞ける。音色は柔らか目だ。
最後のメロディーはなんかこう、「過ぎ去りし青春」という感じでグッと来る。
2)Hymn to Her/ヒム・トゥ・ハー
「リモート・ロマンス」収録曲。
美しいギター、ヴォーカル、これこそキャメル!ピート・ジョーンズのヴォーカルが冴え渡る。
悪い方向にポップ化が進んだアルバムの中、「アイス」と並んで驚異の名曲と言える。
3)End of the Line/エンド・オブ・ザ・ライン
「ダスト・アンド・ドリームス」収録曲。
オリジナルはアンディのヴォーカルだが、今回ピートが担当。
ガブリエル風に歌えるピートの味わいがまたいい。
4)Coming of Age/時代
「ハーバー・オブ・ティアーズ」収録曲。
ギターをストラトに持ち替えている。
アルバムのクライマックスの曲で、この一曲を聞くだけで、もの凄いドラマを感じる!
5)Rajaz/ラージャーズ
「ラージャーズ」のタイトル曲。
味わい深いアンディのヴォーカルをフィーチャーした曲で、しみじみと泣きが伝わって来る。
さらにピート・ジョーンズのサックスが炸裂する!これももの凄い雰囲気を放っている!
視覚に障害があるらしいが、黄金聖闘士乙女座のシャカの様に巨大な小宇宙(コスモ)を持っているのか?
6)Ice/アイス
「リモート・ロマンス」収録曲。
アンディの圧倒的な泣きのギターが堪能出来る曲で、高い人気がある。
ピートのオーディションの時の曲らしい。
この曲がこの殿堂でプレイされた意義は大きい。
7)Mother Road/マザー・ロード
「ダスト・アンド・ドリームス」収録曲。
ギターは再びレスポール。
イントロが拡張され、味のあるギターがしばらく続く。名人芸ですね。
オリジナル通りアンディが歌う。少しメロディーを変えている。
中間部でロックン・ロール・パーティーの様なアレンジが登場、これは面白い!
8)Hopeless Anger/絶望の怒り
同じく「ダスト・アンド・ドリームス」収録曲。クライマックスを描いたドラマチックな曲だ。
なぜ運命はこれ程までに残酷なのか?!
という絶望の怒りが感じられる一方、心をえぐる美しいメロディーが登場して感動的だ!
そういえば「ダスト・アンド・ドリームス」で復活した来日公演は感動的だったな!
9)Long Goodbyes/ロング・グッドバイ
「ステーショナリー・トラヴェラー」の最後を飾るバラード。
このコンサートの最後を飾るにもふさわしい曲だ。イントロのピアノがジェネシスっぽくて美しい。
ピート・ジョーンズの歌声に、コリン・バースの歌声が重なり、感動的だ。しかしコリン・バースは、じいさんとは思えない程美しい声をしている!
そしてアンディ・ラティマーの渾身の泣きのギターが飛翔する!表情も泣いている。
大切に弾きながら一旦終わる。アンディは観客に御礼の言葉をかけ、再びギター・ソロが始まる!ニクい演出だ!
観客は総立ち!
encore
Lady Fantasy/レディー・ファンタジー
メンバー紹介に続いて、
アンコールはやはりこの曲!これ以外ないでしょう!興奮は頂点に達した!
イントロのキーボードは何て音色だ!あの伝説のフレーズがさらにパワーアップした緊張感で轟く!鳥肌モノだ!
パワーコードが唸るとあのメイン・テーマが奏でられる!目頭が熱くなる!ああっ、キャメルだ!
アンディの低音のヴォーカル、これもキャメルだ!
スリリングなパート、叙情的なパートが見事に融合し、組曲は進む。そしてアンディの生命の奥から生まれたギターは最高の泣きを放つ!本当に素晴らしい!
クライマックスではピート・ジョーンズのサックスが炸裂!そう来たか!伝説の名曲に新しい解釈を加えるとは大胆不敵なヤツ!なかなかいいぞ!時折サックスを左手だけでプレイ、右手でキーボード、器用!
最高潮を迎えた後のメイン・テーマはあまりにも感動的で感涙!
ラストでアンディはギターを高く掲げてトリルを繰り返す!
感動的な演出だ!
総立ちの観客!テレビ画面の中に入って観客達と喜びの抱擁を交わしたい!
終了後、観客達が退場して行く模様をカメラが捕らえる。観客達はカメラに向かって手を振る。それを見ている私も手を振り返す。
観客達と意思の疎通が出来た様で嬉しい!
ふと思ったが、日本にはロイヤル・アルバート・ホールの様な格調高い音楽の殿堂がない?!
武道館は音楽の殿堂ではないし、パルテノン多摩は役不足だし、国際フォーラムも伝統的ではないし、初台の新国立劇場はどうなんだろう…。歌舞伎座?ダメだ日本は!
〈CAMEL〉
Andrew Latimar:Guitars, Flute, Vocals
Colin Bass:Bass, Vocals
Pete Jones:Keyboads, Vocals, Sax
Denis Clement:Drums, Percussion
CAMEL / Live at The Royal Albert Hall を語る。
ライヴ・アット・ザ・ロイヤル・アルバート・ホール [ キャメル ] 価格:2,970円 |
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トリスタン
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