第192話 キング・クリムゾン/ポセイドンのめざめ を語る

キング・クリムゾン/ポセイドンのめざめ 1970年 発表。

全世界に衝撃を与えたデビューアルバム「クリムゾン・キングの宮殿」!しかし宮殿はたちまち崩壊!だがロバート・フリップは海神ポセイドンの意思によってキング・クリムゾンを再びめざめさせた!

デビューアルバムの大成功も束の間、イアン・マクドナルド、グレッグ・レイク、マイケル・ジャイルズが脱退してしまった。

困ったロバート・フリップ。

それでも何とか手を尽くしてこの名盤「ポセイドンのめざめ」を作り上げた。凄いぞ!

邦題の「ポセイドンのめざめ」は誤訳で、「ポセイドンの跡を追って」とか「ポセイドンに続いて」が正しいとか言われている。

しかし邦題とは原題の直訳ではない。「太陽と戦慄」、「暗黒の世界」を誤訳だと言うヤツはいない。

もしも、あなたがレコード会社の担当だったら「ポセイドンの跡を追って」などというタイトルをつけるだろうか?

ポセイドンの航跡を追う事によって、ポセイドンの意思が再び“めざめた”と解釈するべきである!

この「ポセイドンのめざめ」は海神ポセイドンのめざめた意思がロバート・フリップに作らせたアルバムなのだ!

前作の作風を踏襲しながらも、キース・ティペット、メル・コリンズの参加によって、キング・クリムゾンの音楽は芸術度を上げ、さらに前進している。

〈In The Wake Of Poseidon〉

side A

1)Peace:A Beginning/平和/序章

遠い彼方からグレッグ・レイクの歌声が聞こえてくる。そして徐々に近づきリヴァーブが消える。

心をさわる美しいメロディーだ。

2)Pictures Of A City/冷たい街の情景

「スキツォイド・マン」の作風に近い曲で、圧倒的なジャズ・ロックが炸裂する!あまりにハイレベルでコピーする勇気が出ない。

しかし中間部で静寂が訪れる。妖しげな雰囲気が漂う。この感じは「太陽と戦慄」以降のあの感じを思わせる!さすがフリップ御大、青写真はすでに出来ていたのか!

やはり名曲だ!

3)Cadence & Cascade/ケイデンスとカスケイド

ゴードン・ハスケルが歌う美しいフォーク・ミュージック。「風に語りて」に並ぶ名曲。

メル・コリンズのフルート、キース・ティペットのピアノがまた美しい!

4)In The Wake Of Poseidon/ポセイドンのめざめ

荘厳なメロトロンが湧き上がり幕は開く!グレッグ・レイクの歌声は哀愁に満ちている。

美しいメロディーだ。

日本人の私には歌詞が直接飛び込んで来ない。実際この歌詞はややこしい。聴覚上の美しさだけで十分だ。

個人的には「エピタフ」よりいい曲だと思う。

side B

5)Peace:A Theme/平和/テーマ

美しいアコースティック・ギターが心を癒す。本当に美しい。

6)Cat Food/キャット・フード

キース・ティペットのピアノが炸裂!変態的なシングル曲だ!売る気があるのか!?

キャッチーな気がしないでもないが。

次の「リザード」、「アイランズ」に向かう作風として極めて重要な名曲だ!

7)The Devil’s Triangle/デヴィルズ・トライアングル(part Ⅰ)

メロトロンが妖しく忍び寄る。

デヴィルズ・トライアングルが眼前に広がる!

8)The Devil’s Triangle/デヴィルズ・トライアングル(partⅡ)

まさにメロトロンの洪水!どんどんヤバくなって行く!これはライヴで聞きたいな!カッコいいぞ!

「船乗りの話」の原形の様なエネルギーを感じる。

ゼンマイ(?)を巻く音。

9)The Devil’s Triangle/デヴィルズ・トライアングル(partⅢ)

テンポが上がって前衛的空間に突入!これも「太陽と戦慄」を感じさせる部分がある!

破壊された「宮殿」など、もはや必要ない!これこそが「ポセイドン」の意思!

「ポセイドンのめざめ」である!

10)Peace:An End/平和/終章

グレッグ・レイクの癒しの歌声。

メロディーはさらに進む。この郷愁感、心の深い所まで届き命は涙を流す。

母なる生命の源にいだかれ、安らかな眠りにつきたい。

海底に沈んだ戦艦大和から脱皮した宇宙戦艦ヤマトの如く、キング・クリムゾンは新たな未来へと飛び立った!

〈KING CRIMSON〉

Robert Fripp:Guitar, Mellotron, &Devices

Peter Sinfield:Words

〈guest〉

Greg Lake:Vocals

Michael Giles:Drums

Peter Giles:Bass

Keith Tippett:Piano

Mel Collins:Saxes & Flute

Gordon Haskell:Vocal

そしてグレッグ・レイク、ゴードン・ハスケル、キース・ティペットのご冥福をお祈り致します。

KING CRIMSON/In The Wake Of Poseidon を語る。

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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

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