第187話 GOLDBRICK/The Boundary を語る

GOLDBRICK/The Boundary 2018年 発表。

長き沈黙を破って我々の前に再び姿を現した日本の至宝、梶山 章!その新作はGOLDBRICK名義となった!

日本を代表するギタリストといえば高崎 晃に決まっているが、忘れてはいけない巨匠がいる。

〈梶山 章〉

リッチー・ブラックモアの影響下にあるものの、独自のセンスで華麗なプレイを聞かせてくれる天才的ギタリストである。

そのキャリアの頂点となったのはやはりジョー・リン・ターナーとの共演であろう。あれは本当に素晴らしかった。

ジョーのソロ・アルバムに参加する形から、逆に梶山自身のソロ・アルバムにジョーに参加してもらう形もとっており、日本のギタリストのソロ・アルバムとして最高の作品を残している!

そんな梶山だが、バセドウ病によりギターが弾けない状態になり、活動が出来ないでいた。引退も考えた。

しかし病気を克服して復活、新しいヴォーカルを発掘して、GOLDBRICK名義での登場となった!

素晴らしい作品である!レインボー、ディープ・バープル影響下の良質な楽曲ばかりだ!

そして新しいヴォーカルの藤井重樹の力量は凄いぞ!ハイトーン・ヴォーカルにありがちな、細くカン高い声ではなく、しっかりとした声で歌い上げている!日本にもまだまだ才能のある男がいるのだ!

このアルバムにはジョー・リン・ターナーとの作品がリメイクして収録されている。

いくら藤井でもジョーの曲を歌ったら聞き劣りするだろうと思っていたが、何度も聞くうちに独自の魅力を感じる様になった!さすがだ!

梶山のギターの素晴らしさはもう、本当にあらゆる賛嘆の言葉を並べるしかない!美しいメロディー、生命を宿した表現力、正確さ等超一流である!

さらに今回はその音色が過去最高に美しい!もう官能的である!

伝説となったアルバム発売記念ライヴを目黒鹿鳴館に見に行った。梶山ほどの天才的ミュージシャンであっても、この様な小さな会場でプレイするしかない現実に愕然とした!世の中一体どうなっているんだ!音楽業界は難しい!

ひとつだけ弱点を指摘しておくと、ギターの音色が実際のライヴではトレブルがキツすぎてキンキンで、細い音に聞こえる。ミキサーのせいだ!

それでもこれ程の素晴らしい作品を発表してくれた事に感謝します!

〈THE BOUNDARY〉

1)Cast In The Air

強烈なイントロで始まるのは プレシャス時代のシングル曲「Crazy For Your Love」のリメイク。確かに歴史に埋もれさせるにはもったいない。とても素晴らしいバージョンになってよみがえった!

藤井重樹の圧倒的歌唱力にぶっ飛ぶ!そしてサビのディミニッシュの部分の歌い回しが結構変えられている。

プレシャス時代の曲なのでギター・ソロも強力なネオ・クラシカル路線!さすが!

元祖様式美ナンバーの再誕にひれ伏せ!

2)No Salvation

ジョー・リン・ターナーのアルバム「Holy Man」のオープニング曲。この曲でアルバムが始まる方が良い気がするがどうだろう?

ワイルドなハード・ロックでとにかくカッコいい!ジョーのバージョンを忘れるほどに藤井は見事なヴォーカルを聞かせる!

梶山自身のベース・ソロに続くギター・ソロはメロディー、センス、ハーモニーと本当に素晴らしい!

全ロック・ファン必聴の名曲!

3)Anything

同様に「Holy Man」収録曲。ミドルテンポのバラードでリズムが「Street Of Dreams」風。梶山がジョーの為に曲を作るとどうしても「確信犯」になってしまう。

ギター・ソロの歌いっぷりとフレージングのキレは素晴らしい!

4)Holy Man

「Holy Man」のタイトル曲。圧倒的なグルーヴ感が凄い!さすがにこう言う曲ではジョーにかなわないが、藤井もいい味を出している。高音域も凄い!

ギターもめらめらと燃え上がる!

5)Can’t Take Me Away

アップテンポのハード・ロックでモロにレインボー路線。「Fool For The Night」とか。

ギター・ソロがスローになる所が感動的。

6)Dreaming Away

ミドルテンポのバラードでこちらもモロにレインボー路線。「Can’t Let You Go」とか。メロディーも同じ部分がある…(汗)。

ギター・ソロが素晴らしいので良しとする。

7)In Our Time

こちらはレインボーに似ていない。穏やかに聞けるメロディアス・ロック。

8)On The Road

再びアップテンポのハード・ロック。しかしサビは柔らかな印象のキャッチーなナンバー。

9)Sail Away

へヴィーなリフが唸りを上げるスロー・ブルーズ・ロック。

パープルの「Sail Away」っぽくサビで低く太い声で歌おうとするも、藤井は純テノールなのでカバーデールの様な声にならない。これはしょうがない。

10)Throw This Dice Away

シャッフルのリズムで跳ねる曲。バックはレインボーだが、曲自体はポップなロック。

11)GLORY

下山に提供した曲の元の曲をリメイクした曲。16ビートで跳ねるリズムが心地良い。

サビは栄光を感じさせ、広大な空が広がるイメージ。

12)The Boundary

このグルーヴのあるスリリングなリフがいい!

サビのワルそうな雰囲気がいい味を出している!

ギター・ソロはたっぷり聞かせてくれる!華麗にしてワイルド!

13)Fly Away

何とリフがイングヴェイの「On The Run Again」と同じ!この曲のキャッチーなイメージからするとこのリフを使わなくてもいいのでは?

キーボード・ソロが永川敏郎の個性丸出しで素晴らしい!

どうでもいい事だが、この曲を含めて「Away」で終わるタイトルが4曲もある。すいません。

〈虹伝説 2016〉

ボーナス・ディスクとして「虹伝説 2016」がついている。お陰で値段が高い。しかも東京、大阪と二種類ある!これは凄い商売だ!

大阪のが1曲多いので大阪のを買った。実は東京公演のチケットを買って見にいくのを楽しみにしていたのだが、足の負傷によって見に行けなくなった!死ぬほど残念だった!

梶山と下山のレインボーだぜ?! 命をかけても見にいくべきライヴだ!チキショー!

その因縁のライヴがCD化とは!興奮するぜ!

聞いてみて梶山のプレイの素晴らしさに感動した!何が凄いって!

梶山 章のテクニックは凄まじく、プレイは正確である。しかしこのライヴでは曲によってかなり荒くラフにプレイしている。

ロックとは荒々しいエネルギーとワイルドさに満ちている。そこを優先した結果この様なプレイをしたのだ!

梶山のギターが発するエネルギーは凄まじく、(ミスに聞こえる様な)余計な弦から出るノイズさえもカッコいいのだ!これはもうロック・ギターを極めたと言っていいだろう!

ノイズをカッコ良く聞かせるなんて高等技術はもう天才としか言えない!お陰で東京の方も買ってしまった!

1)Pomp and Circumstance March No.1

2)Kill The King

3)Mistreated

4)Sixteenth Century Greensleeves

5)Catch The Rainbow

6)Long live Rock’n’ roll

7)Man On The Silver Mountain

8)Still I’m Sad

9)Do You Close Your Eyes

10)Gates Of Babylon

11)Tarot Woman

12)Burn(大阪のみ)

13)Over The Rainbow

今後の活動を楽しみにしています。

〈GOLD BRICK〉

梶山 章

Guitars, Bass, Drums

藤井 重樹

Vocals

永川 敏郎

Keyboads

Sound Producer, Recorded and Mixed, Mastered 梶山 章

GOLDBRICK / The Boundary を語る。

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感想(1件)

お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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