第185話 カルメン・マキ&OZ を語る

カルメン・マキ & OZ 1975年 発表。

カルメン・マキがロックに転向して制作されたアルバムは、日本のロックの歴史に残る名盤だ!

日本を代表する女性ロック・シンガー、

〈カルメン・マキ〉

世界に女性ロック・シンガーは数多く存在するが、カルメン・マキほどに素晴らしい女性ロック・シンガーはまずいないのではないか?

凄い女性メタル・シンガーとかたくさんいるが、歌唱力、存在感、雰囲気、格、等で見てみると、カルメン・マキほどの人を私は知らない。

ちなみに私の好きなHR/HM女性シンガーは、レザー(チャステイン)、ギギ(ファントム・ブルー)、コブラ・ペイジ、シャロン・デン・アデル(ウィズイン・テンプテーション)、ステファニー、Fuki、他、です。

みんなそれぞれ素晴らしい。

だが、カルメン・マキは別格である。

もはや神話。

春日氏のギターも深い味わいがあり素晴らしい!

カルメン・マキ&OZの1stアルバムは日本のロックの最高峰の1枚であり、これを越える事は不可能でしょう。

ちなみにUHQCDを持っているのですが、何ていい音なんでしょう!私のチンケな再生環境で聞いても、その素晴らしさがはっきりとわかる!

CDやYoutubeで聞いたり見たりする事しか出来ない若き日のカルメン・マキ。

今現実には存在しない、つまり架空の存在でしか無い若き日のマキ様が、そこに実在しているかの如くリアルに聞こえるのだ!

これは凄いぞ!録音クオリティーの高い作品のデジタル・リマスター、ハイレゾCDの実力は伊達じゃない!私達に夢を与えてくれる!

これだから新規リマスターとか高音質CDの再発はやめられない!

〈カルメン・マキ & OZ〉

side A

1)六月の詩

ピアノに導かれ、メロトロン・フルート。

~私の心の隙間に~

そしてマキ様の歌声。その瞬間独特の空気が支配する。まさに唯一無二。

力強いバンドが入りサビへ!この貫禄!シンプルなメロディーに途方もない説得力を持たせている!マキ様だから出来る事だ。しかしまだ小手調べである。

春日氏のギター、ユーライア・ヒープばりのコーラス!

そしてギターはじっくりと歌い始める。何という表現力!マキ様の横にいるにふさわしい男だ。

~去年の夏のままに~

再びマキ様の歌声。もう心は持って行かれている!

あっと言う間に8分が過ぎ去った…。

西洋のロックに日本独特の香り、空気を融合させた見事な音楽が誕生したのだ!

2)朝の風景

マキ様自身の作詞による曲。穏やかな空気が漂い、和やかな時間が流れる。

~オレンヂ色の光~

日本のフォーク・ミュージックを感じさせるが、この濃密なサウンド、質感は別格。

~遠い日の幻~

決して軽く聞けるモノではない。

3)Image Song

こちらはマキ様と加治木氏の作詞による曲。「Immigrant Song」に似せた曲名がいい。

~朝もやの中に~

哀愁のピアノからマキ様は穏やかに歌い始める。

~いつも夢見てた~

しかし徐々に圧倒的な声量、ドラマチックな表現が姿を現し始める。

~季節に埋もれた~

そして春日氏のギターが泣き歌う!何という雄弁さ!

~今、鳥が翔びたつ~

再びマキ様の歌声。類い稀なる歌唱力が存分に堪能出来る!素晴らしい!

あっと言う間に10分が過ぎ去ってしまった…

優雅に添えられたストリングスも美しい。

アナログ・レコードの時代はこの美しいストリングスの余韻を残してA面が終わる。という理想的なリスニング・スタイルであった。

side B

4)午前1時のスケッチ

夜の街の様子を伝えるSE。今は午前1時。

ブルーズ・ロック風のカッコいいリフ、ハモり。

~真夜中の街角~

昭和の香りが漂う日本ならではのロックだ!

そう、誰にも文句は言わせない!

うまい酒を呑もう!

アップテンポでギターは吼える!

5)きのう酒場で見た女

チャールストン調の曲で、アルバムの中でとても良い味を出している。

歌詞も洒落ているしマキ様の声にもピッタリだ。

この曲が終わって、次の歴史的名曲に繋がるという構成は素晴らしい!劇的さが倍増する!

6)私は風

マキ様自身の作詞による歴史的名曲!

日本のロックの金字塔である!いや世界的に見てもトップ・クラスである!

ツェッペリン、パープルの直系として文句なしにトップである!

そうだよな、トップなんだからこれを越えられる訳がないよな。

力強いイントロ、へヴィーなギターとオルガン!興奮は早くも頂点に!アコギも出て来て芸が細かい。

~あまりに悲しい事ばかりで~

哀愁のピアノに続いてマキ様は歌い始める。たちまち魔力が立ち昇る。

~もう涙なんか!~

「天国への階段」風のバンド・サウンドに乗り、カルメン・マキは絶唱!その真の力を見せつけた!これはまさに日本が生んだ奇跡!極上のシャウトに世界はひれ伏した!(涙)

~私は風!~

そして「Child In Time」風のギター・ソロへなだれ込む!

そしてオルガン・ソロ!再びギター・ソロ!もう圧巻!これこそがロック!魂は燃え上がる!

再びカルメン・マキの絶唱!まさに至高の歌声!(涙)

気ままな風よ!

ついに「天国への階段」のコード進行に乗せてギター・ソロを弾いてしまった春日氏。

チュッチュッチュチューチュ!はさすがに時代を感じる…。

モジュレーションのかかったギターを掻き鳴らし場面展開。スローパートへ。

ファルセットで女神の様に歌うマキ様。

そしてミドルテンポ。物語は最終章へ。

見知らぬ街にたどり着いたが、明日は何処にいるのかもわからない。旅は続く。

再びイントロのフレーズがエンディング・クレジットの様に流れ、消えて行く…。

どれほど賛嘆しても足りない素晴らしさ。

復活してライヴをされましたが、残念ながら見に行けませんでした。

これからもお身体を大切にして下さい。

〈カルメン・マキ & OZ 〉

カルメン・マキ:Vocals

春日 博文:Guitars

千代谷 晃:Bass

石川 清澄:Piano, Hammond Organ

古田 宣司:Drums

〈guest〉

深町 純:Strings Arrangement, Piano, Hammond Organ, Melotron, Synthesizer, Clabinet

安田 裕美:Acoustic Guitar

成瀬 ヒロ:Bass

西 哲:Drums

カルメン・マキ & OZ を語る。

CD/カルメン・マキ&OZ 2 (MQA-CD/UHQCD) (生産限定盤)/カルメン・マキ&OZ/UPCY-40023

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感想(0件)

お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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“第185話 カルメン・マキ&OZ を語る” への 6 件のフィードバック

  1. n@r1k0 より:

    Twittertのプロフィールからこちらを知りました。
    多岐に渡って情報があり、圧倒されました
    ~で、カルメン・マキの名前を見つけたので
    コメントさせて頂こうと思います。

    ’79年だったか、The 24th Street Band
    の来日コンサートの開場待ちの列で、当方の
    すぐ前にカルメン・マキがいたのですよ!
    しかも、両足包帯ぐるぐる巻きで松葉杖姿!!
    何でも、酔っぱらって2階から飛び下りたとか(笑)

    そういえば、カーマイン・アピスがプロデュースした、
    ファースト・ソロ・アルバム「Night Stalket」
    ペリさんがコーラスで飛び入り参加していた事を
    ご存知でしょうか?ハモリのみらしいのですが…
    この事を知ったのが2006年で、既に入手不可で、
    残念ながら、聴いてはいないのです( 。゚Д゚。)

    1. トリスタン より:

      これはこれはn@r1k0さん、コメントありがとうございます。凄いエピソードですね!マキさん破天荒!「Night Stalker」にペリーさんが!それは知りませんでした!それも凄い話ですね!さすがの情報です。ありがとうございます。

  2. n@r1k0 より:

    わぁ、素早いご返信ありがとうございます
    この時のコンサート以外にも何度か彼女を見かけていて、(勉強熱心なのね…)と思っていましたが、(当方のように)ジャンル関係なくライヴ参戦していただけのかな?
    お話ししたのはこの時が初めてでしたが、印象と違い、明るくて気さくな方でした。

    1. トリスタン より:

      何度もマキさんを見かけるなんて凄いですね!マキさんは意外と気さくな方なんですね。ベストアルバムに「Night Stalker」収録曲が1曲入っていましたが、残念ながらペリーさんの声を確認する事は出来ませんでした。色々とお話を聞かせて頂き、ありがとうございました。

      1. n@r1k0 より:

        「ハモリだけの参加だけど、彼の声はすぐわかるから、どの曲か探してみて」と、曲名を教えてもらえなかったのですよね……。・(つд`。)・。 アルバムにはペリさんの名前がクレジットされている(た)ようなのですが、時既に遅しで、ずっとモヤモヤしたままなんですよね(笑)
        再販されれば、是非とも確認したいと思いますが、さて……

        お付き合い頂き、ありがとうございました

        1. トリスタン より:

          こちらこそ何度もコメントを頂き、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

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