レインボー/銀嶺の覇者 1975年 発表。
ディープ・パープルを脱退したリッチー・ブラックモアは、エルフのメンバーを率いて独自のバンド「リッチー・ブラックモアズ・レインボー」を結成した!
ブリティッシュ・ハード・ロックの偉大なる歴史が再び始まった!
リッチー・ブラックモアの理想とする音楽をプレイするバンド、
リッチー・ブラックモアズ・レインボー
の誕生である!
そしてロニー・ジェイムス・ディオが歴史の表舞台に登場した瞬間でもあった!
その記念すべきデビュー・アルバム
〈銀嶺の覇者〉
何と神々しい…。
ここに収められている音楽は、それほど派手でも激しくもない、大人し目の音楽である。
しかし、これがディープ・パープルを脱退したばかりの若いギタリストが作り上げた音楽だとは、驚異である!
ここで聞ける音楽は、たくさんの作品を作り熟練した巨匠がたどり着く境地であり、ブリティッシュ・ロックの深い森の中に築かれた古城のようだ。
「Catch The Rainbow」や「The Temple Of The King」といった高い芸術性を持つ曲が、このアルバムを至高の作品にしている。
リッチー・ブラックモアの懐の深さに恐れおののくばかりである。
そしてロニー・ジェイムス・ディオの歌声は、中世の伝説を今に体現する魔力があり、唯一無二の存在であった。
ブラックモアズ・ナイトのヴォーカリストがロニーであったなら、どれ程素晴らしかった事だろう…。
〈銀嶺の覇者〉
side A
1)Man On The Silver Mountain
「On Stage」のアップテンポのバージョンがカッコよくて、スローなこのオリジナル・バージョンは聞き劣りしていたが、冷静にブリティッシュ・ロックとして聞くと、とても素晴らしい事に気付いた。
これも年の功ですな…。
リフはまさにリッチーの得意パターンで、とても歯切れのよい音だ。ギターを持つと思わず弾いてしまう!
ギター・ソロもかなりいい出来で、味わいとスリリングさが見事に両立している。
ただギターソロの音量が少し小さいので、かなり注意して集中して聞かないと聞き逃しててしまいそうです。リミックスしてギターソロの音量を上げたモノを聞いてみたいです。
歌詞はロニーの世界観を表していて、とても素晴らしい!
2)Self Portrait
ブリティッシュ・ロックらしい渋い味わいがあり、引きの美学を感じる。
イントロのハンマリングを多用したフレーズがとてもカッコいいです!
そしてロニーの歌声が何とも絶妙な味わいを出していて、曲に命を吹き込んでいる。
ギターソロは後半の高音チョーキングでとても素晴らしいトーンが聞けます!そしてそれ以降そのまま絶妙なトーンが続きます。この味わいは本当に見事で聞き逃さないようにしましょう。
まさに名人芸、匠のわざ。
3)Black Sheep Of The Family
クオーターマスのカバー。リッチーはこの曲がやりたかった。
キャッチーなロックン・ロールで、出だしのメロディーは「Tarot Woman」に似ている。
4)Catch The Rainbow
ジミヘンの「Little Wings」に似た、叙情的で美しいバラード。
タイトルの通り、レインボーの精神性を表した圧倒的な名曲となっています。
曲調、メロディー、美しいギターとヴォーカル、歌詞、全てが素晴らしい!
イントロのギターフレーズはとてもセンスが良く見事です!そして歌に入る前のドラムのフィルインがまた素晴らしい!ハイハットを巧みに使った名人芸です!
ラストのギターソロは弾きまくりではなく、美しいメロディーのひとつひとつを大切に宝物のように弾いています。もうこの辺のセンスが本当に素晴らしいですね!
ドラマチックなロング・バージョンとなった「On Stage」バージョンも素晴らしいが、こちらのオリジナル・バージョンにはメロトロンが使われていて、ブリティッシュ・ロック・ファンを泣かせます!
side B
5)Snake Charmer
小気味よい16ビートが特徴のブリティッシュ・ロックで、独特のグルーヴがあり細かい部分までアレンジが行き届いている。
2)と同様に名人芸が光る名曲で、ギター・ソロもさすがである。
ロニーの抑制の効いたヴォーカルが実に絶妙で、気持ちがいい。
最後はロニーの歌とギターも入り交じりカオス状態!
6)The Temple Of The King
中世の伝説を伝える圧倒的名曲!
アコースティック・サウンドで表現された世界にロニー・ジェイムス・ディオの歌声が乗ると、そこはまさにファンタジー!
リッチーのスライド・バーを使ったソロの美しさはどうだ?まさに匠である!
この曲はロニー在籍時に絶対にライブでやっておくべきだった!
7)If You Don’t Like Rock ‘n’ Roll
エルフを思わせるロックン・ロール。
8)Sixteenth Century Greensleeves
へヴィーなノリを持つ曲で、やはり中世の風が吹く。リッチーの趣味とロニー・ジェイムス・ディオの組み合わせは本当に素晴らしく、それは次作で頂点に達する!
ライヴでは前奏としてリッチーが一人でギターを奏で、「グリーン・スリーブス」のメロディーを弾くのが通例となっていて、とても惹き付けられる
9)Still I’m Sad
ヤードバーズのカバーらしいが、原曲は知らない。インストになっている。
やはり「On Stage」のバージョンが圧倒的に素晴らしいが、オリジナルも独特の雰囲気を放っていて素晴らしい。
ギターの音に込められた生命が、心をつかむ!マエストロたるゆえんである。
次作の「虹を翔る覇者」が名作過ぎて評価されにくい作品であるが、別の角度から見ると(聞くと)実は最高傑作である!というかレインボーの全作品が最高傑作なので当たり前か。
〈Ritchie Blackmore’s Rainbow〉
Ritchie Blackmore:Guitars
Ronnie James Dio:Vocals
Micky Lee Soule:Keyboads
Craig Gruber:Bass
Gary Driscoll:Drums
そしてロニー・ジェイムス・ディオ、ゲイリー・ドリスコール、クレイグ・グルーバーのご冥福をお祈り致します。
Ritchie Blackmore’s Rainbow を語る。
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トリスタン
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