第170話 ウリ・ジョン・ロート/アストラル・スカイズ~天空よりの使者 を語る

ウリ・ジョン・ロート(エレクトリック・サン)/アストラル・スカイズ~天空よりの使者 1985年 発表。

仙人とも呼ばれるギタリスト「ウリ・ジョン・ロート」が、「エレクトリック・サン」時代に遺した空前絶後の名作!

大宇宙、大自然、森羅万象と命が繋がる神とも言える天才アーティスト。

〈ウリ・ジョン・ロート〉

私の師匠である。

世に天才ギタリストはたくさんいる。しかしウリは別次元である。

皆さんはこのアルバムを聞かれただろうか?

これ程までに美しくエモーショナルで、フィーリングに溢れたギター・プレイは他に存在しない!

まるで大自然の意思が人間の肉体を得て、ギターをプレイしたらこうなるのでは?という素晴らし過ぎるプレイである!

そしてこのアルバムから使用される事になる「スカイ・ギター」1号器「Dolphin」。

その後、「スカイ・ギター」は進化を重ねて凄い事になっている。

1号器「Dolphin」6弦

2号器「Purple」6弦

3号器「Emperor」6弦

4号器「Mighty Wing」7弦

5号器「Destiny(Rembrant Sky)」7弦

6号器「Lionheart」6弦

7号器「Infinity」7弦

まだまだあるが、そして1本ずつ解説したいがまた別の機会に。

32フレットによる、空に届く様な高音域の凄さと同時に、重要なのはそのトーン、音色の美しさである!

2号器までは普通のシングル・コイル+ワウであるが、3号器からは「Mega Wing」という特殊なピックアップが使用されている。(長くなるので、ここまで)

このアルバムではまだシングル・コイル+ワウであるが、極上のトーンが聞ける!

そして極上のメロディー!

そしてテクニックが正確過ぎて、速弾きをしても音のツブが揃っているため、一つ一つの音が聞き取り易く、それほどの速弾きに聞こえず、実際に自分で弾いてみると速すぎて弾けない。

あまり評判の良くないウリのヴォーカルは、このアルバムに於いて素晴らしい歌唱を聞かせてくれる!というか他の誰にもウリほど素晴らしくは歌えない!

このアルバムに於けるウリのエモーション、フィーリングはギター、歌唱共に絶品である!

今は亡きモニカ・ダンネマンが描いた古代エジプト王「イクナートン」のアルバム・ジャケットも素晴らしい。

〈Beyond the Astral Skies〉

Side A

1)The Night The Master Comes

雷鳴が轟く!天空の叫びである!

そして人間たちの、天空への祈りの様なコーラスで始まる!

そしてウリのギターが感情を込めて雄叫びを上げる!

何とエモーショナルな音楽なのか!イントロだけでノックアウトである!

そしてウリは歌う!その歌声は「天空よりの使者」の様である!

The night the Master comes !

そしてウリのギターには生命が宿り、思いのたけを込めて歌い上げる!このアルバムを象徴する様なメロディーを!

ハンドビブラート、アームビブラートを巧みに使い分け、ワウを絶妙なタイミングで掛ける!

まさに天空の意思を感じさせる!

そしてそれを讃える人間たちのコーラス。

全てがあまりにもエモーショナルである!次元を超えた、ウリ・ジョン・ロートだけにしか生み出せない驚異の音楽である!

2)What Is Love ?

イントロから美しいメロディーがハーモニーを伴い舞い上がる!

ヴォーカルはマイケル・フレクシグ!たおやかなハイトーンはこのアルバムにとても合っている。

スローダウンしてウリにチェンジ。邪悪の毒が人々の心を犯すのを嘆いている。

What is love ?

これは人類に最も必要なモノである!

誰かその答えを知っているか?

ウリはギターに深い愛と悲しみを込めて、美しいメロディーを奏でる。中音域から高音域へと思いが翔け抜ける!本当に心が動かされる!

What is love ?

ウリは問いかける。

3)Why ?

鳥たちのさえずりが聞こえる。

美しいピアノがカノン進行によって、大自然の輝きを写し出す。

そしてウリは歌う。賢者が世界を深く洞察し、問いかけるように。

何故?

様々な疑問が世の中には存在する。深く考えるのだ!

何故?と。

しかしこのウリの歌唱はエモーショナルで本当に素晴らしい!サビの人間たちのコーラスもエモーショナルだ!

そしていくつもの劇的な転調を経て、ギター・ソロを迎える!

カノン進行に乗せて、とてつもなく美しくエモーショナルなメロディーが繰り広げられる!

生命を宿したギターは、溢れ出る思いを押さえ切れず泣きまくる!

感情を大きく揺さぶるビブラート、チョーキング、流れる様なパッセージ、高音域の泣き、雄大な魂の叫び、大自然の優しさ、大宇宙の無限の意思、全てが猛烈な感動を呼び起こす!

後半から一音キーが上がり、その感動は自乗化し、彼岸の彼方へと向かう!そこに広がる風景はまさに霊山浄土!

あまりにも素晴らしい!

私の人生の中で、史上最高のギター・ソロであると断言する!

これが私の師匠です(涙)!

★YouTube /Why?はこちら

4)I’ll Be There

ムーディーなイントロ。

ウリのヴォーカルから哀愁が滲み出る。

サビは雄大なノリに包まれる。

I’ll be there !

そして「スカイ・ギター」の登場である。

美しく雄大で哀愁のメロディーを歌うように大切に奏でる。

高音域まで自在に行き来するプレイは、まるでヴァイオリン協奏曲を聞いている様だ!

優雅で格調高くもある!

クライマックスは驚異の超正確な高速アルペジオ!絶対弾けないって!

サウンドは激しさを増し、そのプレイにはジミ・ヘンドリックスの魂が宿る!

激しいアーミングを使った「スカイ・ギター」の叫びが凄い!

もはや異次元!師匠の真骨頂である!

5)Return

吹きすさぶ風。

ゆったりとオリエンタルなテイストが漂う。

二人の女性シンガーによる美しいスキャットが色を添える。

ギターが空を舞う鳥の様に、泣き声を上げる。

Side B

6)Icebreaker

16ビートのリズムに乗せて軽快に疾走する。

いきなり歌が始まる!ヴォーカルはマイケル・フレクシグ!伸びやかなハイトーン!

オリエンタルで不思議なテイストのメロディーだ。

サビでウリとチェンジ!「太陽と月の輝きで、心の氷山を溶かそう!」と歌う。やはり愛に溢れている!

そして「スカイ・ギター」の登場!プレイされる全ての音に意味があり、美しく圧倒的な説得力を持つ!とてつもなく芸術的で素晴らしい!

中間部のグルーヴがいい。そしてウリは詩を語りかける。

怒涛の如くサビを繰り返し、曲は終了する。

7)I’m A River

川の流れる音が聞こえる。心が癒される。

すると突然「スカイ・ギター」と共に、全力でイントロが轟き渡る!大自然の叫び声だ!内に秘めたエネルギーが全面開放されたようだ!

そして郷愁を誘うリコーダーの調べ。魂の故郷へといざなう。

ウリは川の精となり歌う。

I’m a river~

とても心にしみる歌声である。

「スカイ・ギター」が郷愁のメロディーを奏でる。胸を締め付ける様な心のメロディーだ。故郷が浮かぶ。

ウリは続けて歌う。罪深き我々の魂を、清き川の流れで浄化するように。

ウリは我々の様な不浄な生き物とは違う!間違いなく聖人であると断言する!

そして「スカイ・ギター」は「Why ?」にも匹敵する素晴らしいソロを奏でる!

「Why ?」が全宇宙を表現しているのに対して、このソロはまさに日本の情緒を表している!(そうとしか思えない)

懐かしい故郷の山、川の心がメロディーとなって流れ出ている!実際、日本の民謡を思わせるキメのメロディーも出て来る!

何という美しいメロディー、心だろうか!これを聞いて何とも思わないヤツは人間じゃない!

そして華麗なプレイである!スローなメロディーも速いメロディーも本当に素晴らしい!

★YouTube /I’m A Riverはこちら

8)Angel Of Peace

平和の天使である。

何とも心に沁みるメロディーである。

ウリの歌声は独特のやわらかさ、滑らかさがあり、安らぎを感じる。悩み、苦しんでいる時に優しく抱擁してくれそうです。

天上の楽園というか、桃源郷というか夢見心地である。

9)Eleison

ラテン語による混声合唱団の歌声が荘厳に響き渡る!聖書の一節か?

ストリングスも登場する!

そして16ビートで疾走する!

マイケル・フレクシグとコーラス隊もラテン語で歌う!

モーツァルトの「レクイエム」にインスパイアされた曲だが、非常に不穏な空気を放ち、さながら「黙示録」の様な脅威を感じさせる!

ギターは荒々しく破滅的な世界を描写している!

サブタイトルも凄い!

1)十字架と光

2)生けし者を解き放ち給え

3)主よ、憐れみ給え

4)黄泉より

5)審判を下された者の行進

6)獣の面前で

7)遠ざかる地獄の翼

8)最後の戦い

9)そして地上に平和が訪れた

これはもう叙事詩である。7分ほどの曲で納めるのでは無く、アルバム一枚使って表現してはいかがですか師匠?

10)Son Of Sky

Son of sky !

天の息子に向かって、「あなたが必要だ」「あなたは我々を救ってくれる」と歌う!

歌うのはマイケル・フレクシグとコーラス隊。

天の息子とはもはや「ウリ・ジョン・ロート」でしか有り得ない!

荘厳で喜びに満ちた終幕である!

ヘンデルのオラトリオのようである!

まさに空前絶後の名作である!

★~★~★~★

ものすごく長い年月を空けて、アルバムを少しずつ発表する師匠。次は…?

ULI JON ROTH

Guitars, Vocals, Keyboads, Bass

Clive Bunker:Drums

Michael Flechsich:Vocals

Ule Ritgen:Bass

Elizabeth Mackenzie:Soprano, Alto

Robert Curtis:Violin, Viola

Jenni Evans:Harmony vocal

Dorothy Patterson:Harmony vocal

Nicky Moore:Vocal

Zeno Roth:Harmony vocal

Rainer Przywara:Harmony vocal

〈All composition and lyrics 〉

Uli Jon Roth

〈Cover Paintings〉

Monika

Production by Uli Jon Roth for EMI

This album is dedicated to Martin Luther King and to you

そしてモニカ・ダンネマンとジーノ・ロートのご冥福をお祈り致します。

ULI JON ROTH(ELECTRIC SUN)/ Beyond the Astral Skies を語る。

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師匠にサインして頂いたレコード(上)

トリスタン所蔵、スカイ・ギター プロトタイプ〈STAR BIRD ONE〉

お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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“第170話 ウリ・ジョン・ロート/アストラル・スカイズ~天空よりの使者 を語る” への 2 件のフィードバック

  1. マーボ より:

    いいですね、バンヘーレン死去により、また特集でもお願いいたします

    1. トリスタン より:

      コメントありがとうございます。ヴァン・ヘイレンはあの当時ヒーローの一人でした。

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