第160話 アングラ/テンプル・オブ・シャドウズ を語る

アングラ/テンプル・オブ・シャドウズ 2004年 発表。

アンドレ・マトス脱退後、新ヴォーカリストにエドゥ・ファラスキを迎え、新生アングラは誕生した!「Rebirth」は素晴らしいアルバムだったが、続く新作は更に上回る驚異的コンセプト・アルバム!

これは素晴らしい!身震いする程の名作である!

ラファエル・ビッテンコートが書いた短編のフィクション小説をもとに作り上げたコンセプト・アルバムで、11世紀のヨーロッパの十字軍エルサレム遠征という史実に基づいたものらしい。

しかし凄いコンセプト・アルバムである以上に、音楽そのものが素晴らしい!信じられない充実度だ!このアルバムによって「ハロウィン」と並ぶ地位を獲得したと言って差し支えないだろう!

メロディック・パワー・メタルとして、高い技術を誇るプログレッシブ・メタルとして、アコースティックやラテンを取り入れた深みのある音楽として、華麗なテクニックで聞かせるギター・マエストロとして、申し分の無いクオリティーだ!

久しぶりに聞いたが、素晴らし過ぎて何回も繰り返し聞いている!豪華なゲストもアクセントになっている!

最初は「Spread Your Fire 」「Waiting Silence」「The Temple of Hate」「No Pain for The Dead」といった悶絶ものの名曲に注目していたが、「The Shadow Hunter」「Sprouts of Time」等の一見地味な曲の持つ深みが、徐々に凄味となってくる。

イタリアと共に熱いラテンの国、そしてメタルの国ブラジルの実力は凄い!

〈Temple of Shadows〉

1)Deus Le Volt

次の曲のイントロのメロディーをモチーフにした前奏曲。妖しげな雰囲気。

2)Spread Your Fire

パワー全開のメロディック・パワー・メタル!イントロのメロディー、テクニカルなプレイ、強力なドラム等、圧倒的だ!

エドゥのヴォーカルは、ブルース・ディッキンソンを思わせるアグレッシブな歌いっぷり!カッコいいぞ!

Glorious !

サビはクワイアと共に、栄光のメロディーが壮大に歌われる!シンプルなメロディーだが、完璧なメロディーだ!良く作った、素晴らしい!

Spread Your Fire !

2コーラス目から、ゲストのサビーネのソプラノが登場する。 いい効果を出している。

ギター・ソロはまるでコンピューター・プログラムの様なハーモニー・プレイ!強力だ!

イントロのメロディーが再登場すると、そのメロディーの雄大さに感動する!

最高は栄光のサビが繰り返される!ハロウィンの「Eagle Fly Free」に匹敵する名曲ではないか!

3)Angles and Demons

ドリーム・シアターを思わせるプログレッシブなアンサンブルが聞ける!本当に高い技術があると思う。

メロディーは比較的明るく躍動感を感じる。

ギター・ソロは華麗で、もの凄くハイレベル!さすがだ!

4)Waiting Silence

イントロは音飛びフレーズから、重厚なキーボードのフレーズに繋がり、4分打ちのスネアを基準に、変則的リズムが轟く!やたらとカッコいいぞ!

ヴォーカルのメロディーは哀愁がありパワフル!とてもいい!

サビはまたブルース・ディッキンソン風に歌い上げ、見事!圧倒的にカッコいい!

ベースの妖しげなフレーズから、ギターがからみ、美しいソロに繋がる。

しかしエドゥの歌いっぷりは 本当に素晴らしい!このサビの繰り返しは聞いていて血がたぎる!とんでもない名曲だ!

5)Wishing Well

アコースティックなバラード風の爽やかな曲。哀愁と明るさが絶妙に混ざりあったメロディーだ。

心にしみるものがある。ギター・ソロの最後のハーモニーも感動的だ。

ヨーロッパと南アメリカのフレイバーが滲み出ている。

6)The Temple of Hate

イントロから怒涛のツインギター炸裂!凄いぞ!

カイ・ハンセンがゲストで登場!エドゥと見事なデュエットを聞かせてくれる!凄い!

サビは「Avantasia」の「Reach out for the lights」に似ている。でも素晴らしい!

ギター・ソロはタッピングの嵐が吹き、弦楽アンサンブルへと続く!

この曲のカイ・ハンセンのヴォーカルは本当に素晴らしい!見事な人選だ!

最後の盛り上がりもいい!

7)Shadow Hunter

ガット・ギターがラテンの空気を醸し出す。パーカッションも効いている。

ヴォーカルは押さえ気味に歌い、物語を伝える。しかし深みがある。

中間部のコーラスがまた味わい深い。

長いギター・ソロは後半から、さながらアラン・ホールズワースの様で、とても素晴らしい!

聞く程に凄味が出てくる名曲だ。

8)No Pain for The Dead

イントロから悲しみに溢れている。ヴォーカルが入るともう悶絶ものの哀愁にやられる。

弦楽アンサンブルに続き、サビーネの歌に胸を打たれる!

再びエドゥのヴォーカルは悶絶ものの哀愁を伝える!前作の「Rebirth」を越えるレベルだ。

9)Winds of Destination

パワフルなイントロに続き、ハンズィ・キアシュの神話的ヴォーカルが登場する!またしても凄いゲストだ!エドゥと熾烈なデュエットを聞かせてくれる

中間部はジェネシスの「Supper’s Ready」を思わせる、シリアスな雰囲気が漂う!

変則的リズムから、エドゥの哀愁が轟き、ギター・ソロへ!とにかくテクニカルで華麗!

最後はまるで物語のエンディングの様に盛り上がる!

10)Sprouts of Time

この曲も深い!アコースティックとラテンとジャズ!アングラ恐るべし!

ギター・ソロは途中アコースティックになり情緒が溢れる!

この曲の世界観は驚異的!

11)Morning Star

またしてもプログレッシブなナンバー。絶妙なアレンジが施されている

サビは爽やかだ。

ギター・ソロのテクニカルなハーモニーは凄い!

こう言う曲を作る所が凄いと思う。

12)Late Redemption

寂寥感溢れる曲。ゲストはミルトン・ナシメントでポルトガル語で歌う。

“最後の救い”が歌われているらしい。

壮絶な物語が表現されたが、ロック・オペラでは無いので、あまり良く理解出来ていない。

音楽の素晴らしさだけで、心を奪われた。

13)Gate ⅩⅢ

各曲のメロディーを拾い集め、オーケストラで演奏したもの。しみじみと聞く。

~★~★~★~

メタルの歴史に燦然と輝く名作だ!アングラの最高傑作だと思う!

〈ANGRA〉

Edu Falaschi:vocals

Rafael Bittencourt:guitars

Kiko Loureiro:guitars

Felipe Andreoli:bass

Aquiles Priester:drums

ANGRA / Temple of Shadows を語る。

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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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