第159話 グレン・ヒューズ /Addiction を語る

グレン・ヒューズ/アディクション 1996年 発表。

これを待っていたのだ!「Feel」に続く作品は、マーク・ボニーラのセンスが活かされた、グルーヴ感溢れる圧倒的名作となった!

これは素晴らしい!グレン・ヒューズの魅力が頂点に達した最高傑作だ!

トニー・アイオミ、ゲイリー・ムーア、ジョン・ノーラムとの作品は勿論最高だが、グレン・ヒューズのソロ作品としてはこの「Addiction」がとにかく素晴らしい!

このアルバムはマーク・ボニーラというギタリストとの共同作業で作られたらしいが、そのセンスの素晴らしさに驚いた。

ディープ・パープルの流れでは無く、都会的な洗練されたグルーヴがあり、新しい風を感じさせる。

ギターのリフ、バッキングは歪みを押さえた音になっていて、非常にクール!ジャリジャリした音が気持ちいい。そしてクオリティーの高い曲ばかりで、捨て曲が無い!

そしてグレンの鬼神の様なシャウトが存分に味わえるのである!

グレンはよく超高音域を裏声を交えてシャウトする事があるが、あれはただのやり過ぎで、グレンの声の魅力はハイのB~Dあたりをシャウトする声である!

グレンはとにかく地声が高い!話し声も高い!つまり胸声ど真ん中でハイが出るのだ。ミックス・ヴォイスなどという小細工はいらない!

ハードな曲から内省的なバラードまで、深い表現力でグレン・ヒューズは歌う。

〈Addiction〉

1)I’m Not Your Slave

小気味よいグルーヴに乗り曲は始まる。奇抜な事はやってない。ドラムの音がよく抜けていて気持ちいい。

そしてグレンはそれとなく歌い出す。グルーヴに乗せてあくまでも自然。

Bメロからシャウトが炸裂!早くもメラメラに燃え上がり血は沸き上がる!

I’m Not your Slave !

キーが変わり、へヴィーなギターと共に一気に最高潮へかけ上がる!

ギター・ソロはハイセンスなコード進行になっていて、その上をクリーントーンのタッピングらしきテクニックで奏でられる。ひと味違う感じだ。

この後のグレンのヴォーカルはパワー全開!まさに鬼神の様なシャウトが炸裂する!

I’m Not your Slave !

とにかく凄まじい!ひれ伏すばかりである!

★YouTube/I’m Not Your Slaveはこちら

2)Cover Me

うって変わって引きずる様なへヴィーなリズムとリフ、何ともインパクトがある。

歌に入るとパワーダウンして、スローバラード調になるが、Bメロから徐々に盛り上がり、サビでへヴィーなリフが登場してパワー全開になる!

非常にダークなエネルギーに満ちた曲だ!グレンのシャウトには怒りがこもっている様に聞こえる!

ギター・ソロも程よくキレていてとてもいい。

再び登場するへヴィーなサビは本当に圧巻で、凄い貫禄だ!

★YouTube/Cover Meはこちら

3)Addiction

へヴィーなミドルテンポで、幾分抑制された歌が続く。

2コーラス目でパワーアップ!強力なグレン節が唸る!

ギター・ソロは音を存分に伸ばしたフレーズが続く。コード進行は緊張感が漂う。

3コーラス目でリミッターがはずれ、鬼神の様なシャウトが荒れ狂う!凄まじい!鳥肌ものである!

4)Madeleine

グルーヴに乗り、始めから盛り上がる!ギター・リフもいい感じだ。

Madeleine !

コーラスがキャッチーで印象的!これはいいアクセントになっている!

ギター・ソロは比較的地味。

最後はアコースティック・ギターが登場して深みのある空気が漂う。味わいがある。

5)Talk About It

都会的センスのバラード。ゲイリー・ムーアに近いものがある。

いい感じだ。ギターも程よく泣いている。

後半でスリリングな、指を大きく開いたギターのフレーズが突然現れる!これはインパクトがある!

再びムードのある歌が流れて行く。

6)Death Of Me

アップテンポの8ビートでいきなり始まる。この曲はマーク・ボニーラ1人のクレジットになっている。

シンプルな曲だが、グレンの歌が特別なものにしている。

ギター・ソロは再び存分に音を伸ばしたフレーズになっている。

サビのフレーズは印象的。

7)Down

大陸的なゆったりと大きなリズムとグルーヴに乗る。

この曲もシンプルだが、曲がいいのでグレンの歌の説得力によって特別なものになっている。

8)Blue Jade

押さえ気味に始まるが、哀愁のサビが感動的なバラード!これは素晴らしい!

非常にコンテンポラリーで美しく、深みがある!グレンのバラードの中でも最高の部類ではないか?

ギターの泣きも素晴らしい!

9)Justified Me

このアルバムで中で唯一明るい風が吹く。

ノリのいいブルーズ・ベースのロック!

アルバムの終盤を盛り上げる

10)I Don’t Want to Live That Way Again

自身の生き様を問う、内省的で壮大なバラード。8分20秒と、たっぷり聞かせてくれる!

押さえ気味にじっくりと、深みのある詩を歌うが、やがて感情は解き放たれて行く!

ギターも深く人生を語る。

叙事詩の如くドラマチックなサウンドで、グレンの歌は圧倒的な感動を運ぶ!

★YouTube/I Don’t Want To Live That Way Againはこちら

圧倒的名作の「Addiction」だが、残念ながら歴史の谷間に埋もれてしまっている気がする。このアルバムはもっと評価されるべきだ!

そう言えばデッド・デイジーズの新曲をYoutubeで見たが、今まで特にどうという事のなかったこのバンドの音楽が、グレンの歌によって特別なものになっている!さすがだ!

Glenn Hughes:All Vocals, Bass Guitar

Marc Bonilla:Guitar, Keyboads

Joe Travers:Drums

Joakim Marsh:Guitar

R. Gaylor:Vocal Channeling

GLENN HUGHES / Addiction を語る。

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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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