サンクチュアリ/新たなる聖地へ 1988年発表。
強烈なデビュー・アルバムである。当時スラッシュ・メタルに興味を持ち始めた私は色々聞いて見ようと思い、妙に気になるこの作品を買って見た。
何と言う作品だ!他のスラッシュ・メタルとは一線を画す正統派ダーク・メタルではないか!Vo.ウォーレル・デインの独特の世界観!強烈なハイトーン!圧倒的な曲のクオリティー!
今まで聞いて来たヘヴィ・メタルを凌駕する作品だった!デモ・テープを聞いたデイヴ・ムステインが一発で気に入る訳だ。
2ndアルバム「Future Tense」を発表後、来日公演を果たすも今後の音楽性の問題でレコード会社、メンバー間の意見が合わず残念ながら解散。
Vo.ウォーレル・デインとBa.ジム・シェパードはニュー・グループ、「ネヴァーモア」を結成、時代の先鋭的サウンドを取り入れ、よりヘヴィでテクニカルな音に生まれ変わり、2度の来日公演も果たしている。
この来日公演は生涯に見たライヴのベストの1つに入る!またアーチ・エネミー等からのリスペクトも受けている。
そしてサンクチュアリは待望の再結成を果たす!そして来日公演!これもベストの1つに入る!(ベストは結構一杯ある)
新作「The Year The Sun Died」を発表し次の活動情報を待っていた私に届いたのは史上最悪の情報「ウォーレル・デインの死」であった。
何と言う事であろうか!大いなる悲しみと共にサンクチュアリの歴史は永遠に封印される事となった。
この圧倒的名作「新たなる聖地へ」を聞いてウォーレル・デインの死を追悼する次第である。
〈Refuse Denied〉
1)Battle Angels
疾走するイントロから「ジャジャン!」というブレイクの繰り返しになる。このブレイクがとてつもなくカッコいい!
An army of vengeance !
そして中音域のヴォーカルが入って来る。その不穏な雰囲気を突如切り裂く様にハイトーンが登場する!何と言うカッコ良さだ!怒りと邪悪さが滲み出たウォーレルの歌唱法は他に類が無いものだ!
Slaughter
2)Termination Force
スローで不気味な雰囲気を漂わせるイントロ、このリヴァーブの効いたドラムの音が不気味さを引き立てていて凄くカッコいい!
ウォーレルの語り部の様な歌い出し、続くハイトーン、そしてアップ・テンポ、逆に低い声でのサビの説得力、とんでもなくドラマチックである!
3)Die For My Sins
クイーンズライクの「Queen Of The Reich」風の正統派メタル。より邪悪なのは言うまでもない。
4)Soldiers Of Steel
ヘヴィなミドル・テンポの曲で、ブリッジはアルペジオをバックにこの世の終わりを表している様な歌を聞かせる。しかしウォーレルの書く詩の世界観は凄まじい!
5)Sanctuary
グループ名を冠した代表曲である。悲しげなアルペジオから始まりその歌声はオペラの様でもあり厳粛な雰囲気に包まれる。この辺りはクイーンズライクに通じるものがある。
そして激しく盛り上がって行く。まるで地獄と言う名の聖地へと連れて行かれる様である!
6)White Rabbit
ジェファーソン・エアプレインのカヴァー。独特の解釈で新たなる生命が吹き込まれた名曲。ライヴでも披露され、物凄い高揚感があった!
7)Ascension To Destiny
「支配力を握るために戦え!」と言うウォーレルのメッセージが鋭く突き刺さる!ウォーレルはその他、数多くの痛烈なメッセージを残している。
8)The Third War
遂にこの様なタイトルの曲を書いてしまっている。これは人類に対する警告である!このままでは第三次世界対戦を止める事が出来ない。
「俺達の世界は1999年で終わってしまうのだろうか?」と危惧されている。
9)Veil Of Disguise
またも悲しげなアルペジオをバックに歌われるウォーレルの歌は葬送曲の様である。この凄まじい詩の世界観。物語は壮絶なる展開を経て終末へ向かう!
ウォーレル・デインはこの世を去り、どの様な聖地へと向かったのであろうか?
ご冥福をお祈り致します。
〈SANCTUARY〉
Warrel Dane:Vocals
Lenny Rutledge:Guitars
Sean Blosl:Guitars
Jim Sheppard:Bass
Dave Budbill:Drums
SANCTUARY/Refuse Deniedを語る。
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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。
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