第229話 ブラック・サバス/TYR (ティール )を語る

ブラック・サバス/TYR(ティール)1990年発表。

ドラムにコージー・パウエルを迎え、名盤「Headless Cross」を発表、来日公演で私達を歓喜させた「ブラック・サバス」が待望の新作を完成させた!

「Headless Cross」の来日公演は本当に素晴らしかった!「Black Sabbath」の魅力が炸裂し、未来は明るかった!

Tony Martin : Vocal

Tony Iommi : Guitar

Cozy Powell : Drums

Neil Murray : Bass

そしてこの最強のメンバーによってこの「TYR」は制作された!

Produced by

Tony Iommi and Cozy Powell

このクレジットが凄まじい魔力を放っております!興奮です!実際このアルバムに於けるコージー・パウエルのドラムは本当に凄い!まさに雷神の如きであります!

雷神と言えば、このアルバム・タイトルは

〈TYR〉

北欧神話の神です!つまりこのアルバムは「北欧神話」がコンセプトになっているようです。これはトニー・マーティンの趣味でしょうか!

All Songs by Black Sabbath,

lylics Tony Martin

このクレジットが物語っております。北欧大好き人間の私にはたまらないコンセプトであります!

さしずめ

トニー・マーティンが「戦神ティール」

トニー・アイオミが「主神オーディン」

コージー・パウエルが「雷神トール」

ニール・マーレイが「豊穣の神フレイ」

といった所でしょうか!妄想が止まりません。

そしてそのサウンドはまさに様式美!(ネオクラシカルではない)これは「レインボー」の「バビロンの城門」の後を継ぐ作品なのではないか!?

「ヘヴン & ヘル」がそうなんじゃないの?という声が聞こえてきそうです。

確かにロニーがあの世界観で発表した「バビロンの城門」の次のアルバムですが、アレはトニー・アイオミの「ブラック・サバス以外の何物でもない」個性(あのリフをメインにしたサウンド)とロニーの個性が融合したサウンドなのです!(つまりレインボーっぽいサバス)

それに対して「TYR」は前作「Headless Cross」まではあったトニーの「ブラック・サバス以外の何物でもない」個性は鳴りを潜め、ひたすら様式美サウンドに撤しています。

黙っていれば「ブラック・サバス」だと分からない程です!

ロニー直系、本当に素晴らしいヴォーカルに成長したトニー・マーティンのセンスが光り、そしてドラムはコージー・パウエル!これこそが「バビロンの城門」直系のアルバムだと宣言するものであります!

そして圧倒的な完成度はもはや芸術品のようであります。

リッチー・ブラックモアが「Bent Out Of Shape」でハードロックをポップ寄りの芸術品の域に高め、トニー・アイオミはこの「TYR」で様式美の芸術品として完成させたのです!

勝手な事を言っております!

〈TYR〉

1)Anno Mundi

トニー・アイオミの神秘のアルペジオが流れ、ラテン語によるコーラスが厳かに浮かぶ…

Can you see me,

威厳があり情熱的でもあるトニー・マーティンの歌声は太古の神話の世界に私達を連れて行く。

バンド・サウンドの導入と共に混沌とした戦いの風は吹き、トニー・マーティンは旅の吟遊詩人の如き警告を発する!

The wind in the night ~!

何と荘厳な世界観だろうか!そしてコージー・パウエルのドラムが凄い!フィルインが轟くと最早トニー・マーティンの歌声とドラムしか聞こえない程である。まさに戦神ティールと雷神トールが暴れ回っているようです。

主神オーディンたるトニー・アイオミは静観を決め込みギター・ソロらしいソロも弾いていない…。

へヴィーでスローなテンポ、哀愁のメロディー、貫禄のパフォーマンス、まさに幕開けにふさわしい名曲です。

★YouTube/Anno Mundiはこちら

2)The Law Maker

そして疾走!「Kill The King」の精神はこの曲に受け継がれた。トニー・アイオミはイントロからソロをぶちかます!

メイン・リフはどちらかというと「Spotlight Kid」に近い。

silver mountain won’t~

という歌詞が出て来ます。「銀嶺の覇者」へのオマージュか、もしくは北欧なのでヨナス・ハンソンの「Silver Mountain」へのサービスか?

The prince of darkness~

はオジーの事ですかね。

ついにトニー・アイオミのソロは荒れ狂い、主神オーディンも参戦!雷神トールとのバトルは聞き物!

圧倒的なエネルギーを発し駆け抜ける名曲!

★YouTube/The Law Makerはこちら

3)Jerusalem

力強いフィルインに導かれ、ミドルテンポの重厚なリズムが眼前にそびえ立つ!ミドルテンポではあっても16ビートで激しく刻むリフにより、高い緊張感とスリリングさがある!

歌声が入るとスリリングさは落ち着き、あの「Headless Cross」を彷彿とさせる雰囲気が漂う。いいですね~この感じ!

サビでは先のリフが轟き、トニー・マーティンの歌声と激しく激突!とてつもない緊張感を生み出す!

Jerusalem~!OOOh~OOOh!

カッコいいですね!ゾクゾクします!

ギター・ソロはやはり「Headless Cross」の流れを感じさせます。

Jerusalem~!OOOh!OOOh!

エルサレムなので北欧とは関係ないですが、コンセプトの雰囲気には合っています。

怒涛の名曲です!

★YouTube/Jerusalemはこちら

4)The Sabbath Stones

唯一、曲名通り従来のサバスの雰囲気を放つ曲です。

重厚なサウンドでE♭が2発ヒット!そしてEをぶちかまして伸ばす!これを繰り返す。ライヴで聴いたらさぞかしダイナミクスが凄い事でしょう!

その上にトニー・マーティンの歌声が乗る!とても邪悪なメロディーです。これはプロトタイプ「DIHUMANIZER」か?

そして静かなパートへ。とても美しく恐ろし気なメロディーです。

サビに於ける歌いっぷりは本当に素晴らしいし、コージーのドラムも凄い。ギター・ソロは吼える感じがカッコいいです!

後半はテンポアップする!3連符のリズムなのであの「黒い安息日」を彷彿とさせる!いや~聴かせてくれますね!

最後のギター・ソロではコード進行が「Heaven and Hell」をオマージュし、その後の

Oh~OhOh

では「War Pigs」を思わせる!

まさにサバスの歴史を総括する力作です!

★YouTube/The Sabbath Stoneはこちら

5)The Battle Of Tyr

荒涼とした戦場に風が吹く…

ティールの戦いである。

その勇敢な戦い、威厳のある姿。

荘厳な神話の世界が眼に浮かぶような見事な描写である。

クレジットは全曲ブラック・サバスですが、これはやはりジェフ・ニコルスのセンスではないか。素晴らしい。

6)Odin’s Court

人間界〈ミッドガルド〉の戦場

戦士達は傷つき倒れる。冷たい風が吹き大地は荒れ果てる。

だが死は怖くない、その時は主神オーディンの娘ワルキューレ達が俺達を導いてくれるはずだ。

オーディンの宮殿「ヴァルハラ」へと…

7)Valhalla

勇壮なリフが戦士達を「ヴァルハラ」へと導いて行く!

来るべき巨人族との戦いに向けて!

そして最後に迎えるのは「神々の黄昏」

この荘厳な物語と音楽の融合はまさに鳥肌モノである!

圧倒的な歌唱でねじ伏せるトニー・マーティン!

コージー・パウエルのドラムはあらゆる敵を打ち砕く!

トニー・アイオミのギターは天空を切り裂き、ニール・マーレイのベースは大地を揺さぶる!

まさに神話の世界を体現する神々である!

★YouTube/Odin’s Court&Valhallaはこちら

8)Feels Good To Me

トニー・アイオミの哀愁のギターに導かれ、トニー・マーティンが歌い始める。それは歩んで来た人生の深みを物語っているようである。

様々な疑問に直面し、苦悩する。そしてトニー・マーティンは自分なりの悟りに至ったようである。その感覚が

Feels Good To Me

なのであろう。

The world is turning~

吹っ切れたような明るく優大なメロディーは境地に達した男の心象風景であり、映画のエンディングを思わせる。

and you’re wrong if you think~

この辺りの歌唱はフレディ・マーキュリーの命を振り絞った歌声を彷彿させ、心に迫ります。

トニー・マーティンのエモーショナルな歌唱と深い表現力。深く突き詰める程にこの曲の感動が伝わって来るようです。

★YouTube/Feels Good To Meはこちら

9)Heaven In Black

コージー・パウエルの怒涛のフィルインに導かれスタート!始まるのは「Stargazer」か?!

始まったのはシャッフルのリズム!何と!「Long Live Rock ‘n’ Roll」が現代に甦ったのだ!これはやってくれる!

トニー・マーティンが歌い始めるとまさに「Long Live Rock ‘n’ Roll」!

いや、もちろんサビは違うけど、この感じはサバス流のオマージュである!

前曲で一旦幕を引き、この曲はアンコール感覚で盛り上がる感じですね!最高です!

★YouTube/Heaven In Blackはこちら

この奇跡的な名盤を発表したブラック・サバスの未来は明るかった。ラインナップもこれ以上望むモノはないレベルであった。

しかしまさかの大事件が勃発!

ロニー・ジェイムス・ディオ復活!

そしてコージー・パウエル脱退!

ロニー復活はいいが、タイミングが悪かった。サバスは最高の状態だったのだから。

〈BLACK SABBATH〉

Tony Iommi:Guitars

Cozy Powell:Drums

Tony Martin:Vocals

Neil Murray:Bass

Geoff Nicholls:Keyboards

そしてコージー・パウエルとジェフ・ニコルスのご冥福をお祈り致します。

BLACK SABBATH / TYR を語る。

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お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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“第229話 ブラック・サバス/TYR (ティール )を語る” への 2 件のフィードバック

  1. ukfunk より:

    YouTubeで探して聴いてみます。

    1. トリスタン より:

      ありがとうございます。
      YouTubeは各曲に貼ってあります。

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