ジューダス・プリースト/背信の門 1977年 発表。
ガル・レコードからCBSに移籍して発表された記念すべき第1弾で、トータルでは3作目となる!ロジャー・グローヴァーとの共同プロデュース!
ドラムのアラン・ムーアが脱退したため、何とサイモン・フィリップスが特別参加!そんな歴史があったとは!
しかし、歳をとって昔聴いたアルバムを久々に聴くと、さらに良く感じる事が多い!特にこういう渋目の作品はたまらん!
ニューアルバムを期待する前に、過去の作品をもう一度聴き直す事をおすすめします。きっと新たな発見があるでしょう。
という事で、昔買った色々な作品を引っ張り出して聴くのが楽しみになっています。
ジューダスがメタル宣言をする前のハード・ロックだった時代は前作の「運命の翼」が名盤として名高い。
しかし本作品も全く劣る事なく素晴らしい!順当にクオリティーを上げ、成長していると思います!
若きロブ・ハルフォードの見事な高音と低音の味わいは本物の風格が既にそなわり、ジューダスの音楽を超一流のレベルに押し上げている!本当に凄い存在です!
ギターは官能的なトーンで印象的なフレーズを繰り出す!もちろんツインリードも素晴らしい!
この時代の作品のサウンドは空間が活かされていて、各楽器の音が聞き取り易く味わい深い!なのでデジタル・リマスターや高音質盤で聴くと本当に素晴らしい!
〈SIN AFTER SIN〉
side A
1)Sinner
アームを使ったギターの音が吼える!そして8ビートで元気よくスタート!
Sinner rider, ride in with~
ロブの歌うメロディーは明るい!そして歌声にはアグレッシブさもあり、後のメタル・スタイルが既に出来つつある!
Sacrifice to vice~
ここから徐々に高音域に向かって上昇していく所がカッコいい!
Sinner !
トドメはハイE ! イアン・ギランに負けず見事な高音シャウトである!その後は誰でも高音シャウトをやるようになったが、声に格がそなわってないと説得力に欠ける。
God of the Devil~
悪魔の神!曲は次の展開へ進む!ワクワクする!
Can’t you hear~
中音域から高音域に上り、伸びるロブの声は本当に素晴らしい!
ロブはバリトンの声が頭に共鳴する事によって出る高音なのでクセが強いのだが、そこが魅力。(バリトン=中音域の男性)
まあ、ナチュラルな声ではないので好き嫌いは別れるかも知れない。
ギターはマイナーのカッコいいメロディーを奏でる!とてもいいフレーズだ!
テンポダウンして「Victims of Chages」風のノリに変わる。
ギターはアームを使って暴れまわる!凄い!
Thirty Years now sleeping~
さらに次の展開へ!ロブはやはり高音域を駆け巡る!その背後でギターはずっと暴れまわる!もはやカオス!
先のパートをロブが歌うとギター・ソロ!シメのフレーズもカッコいい!
様々な展開を経て、最後はまるで平和が訪れたような感じに!
歌詞に反した意表をついた曲想は、一筋縄ではいかない!
2)Diamonds And Rust
16ビートのマイナー・キーで疾走!こういうの好きなんですよ。オリジナルの事はよく知らないのですが、いいアレンジだと思います。
I’ll be damned !
いかにも正統派のハード・ロックのメロディー!やはり目の付け所が違う!この曲はジューダスがプレイするために生まれた曲だ!
本来バリトンのロブはこの音域が最も自然に美しく歌える。なので聴き心地がいい。
Now I see you standing~
ここでテンポダウンして展開する。ロブは少し早口で語るように歌う。非常にドラマチックに聴かせてくれる。しかし本当にいい声だと思う!
then and there !
ロブの声がF#~G~A~Bと上昇していく様はクライマックス!Bの音で伸びてゆく声が本当に素晴らしい!
Now you’re telling me~
短いリフをはさんで再びロブは歌う。この曲はギター・ソロのパートがないので、ロブの歌声の背後でギターは歌う。
Diamonds, Diamonds and Rust !
ハーモニーを伴って最後のコーラスが感動的に繰り返される!
ブリティッシュ魂が具現化した名曲!
3)Starbreaker
ドラムが軽快にリズムを刻み、リフが登場!独特のノリが心地よい!
Look out, here’s Starbreaker !
ロブのヒステリックな歌声がマイナーのメロディーを歌う!もはやメタル!「British Steel」の登場を待つまでもない!「メタル・ゴッド」誕生である!
Starbreaker ! Glides in from~
ルート音を中心にしたフレーズをハイトーンも使い効果的に歌う!これぞメタル!
Starbreaker, Take my hand !
少しリラックスして明るい空気に。そしてギター・ソロ!見事なツインリードが堪能出来る!
3コーラス目となるとロブの歌声はさらにアグレッシブに!エンディングに向けてどんどんエキサイトしてゆく!
Starbreaker !
ハイトーンを連発しながら消えてゆく!
この曲はたまらんでしょう!
4)Last Rose Of Summer
何ともムードのあるバラード。こういう曲を歌うロブも本当に素晴らしい!
美しいイントロのギターから、
Throughout the soft and~
ロブのソフトな中音域の歌声が沁みる。誰だ、この人をメタル・ヴォーカル扱いしたヤツは?!ロブはもっとバラードのスタンダードを歌うべきだ!上手すぎる!
Last Rose of Summer~
ああ、身も心もとろけそうです、ロブ様。
side B
5)Let Us Pray/Call For The Priest
ギター・オーケストレーションが荘厳に響き夜明けを告げる!
ロブの歌声も厚く重ねられ、こだまする!
これはクイーンの影響か?
そして力強く疾走する!「Free Wheel Burning」位の速さはある。
Well, the pressure’s too much~
この曲も、もはやメタル!「Exciter」の登場を待つまでもない!「メタル・ゴッド」誕生である!しかし疾走するメタルを叩くサイモン・フィリップスは凄い!
そしてオープニングのギター・オーケストレーションの荘厳なフレーズが再び登場!
With you by my side~
明るく希望に満ちたメロディーが心に沁みる!同じ明るいメロディーでも「Helloween」のソレとは全然違う!そう考えると面白い。
ギター・ソロはKKとグレンが左右に別れて激しいバトルを繰り広げる!そしてツインリードへとなだれ込む!これはカッコよすぎる!絶対ライブで見たいヤツだ!
最後はロブの熱唱が轟き、バンドも激しく盛り上がる!
これこそ隠れた名曲では?!
6)Raw Deal
ゆったりとしたテンポでブルース・ロックっぽくもある。
I made a spike~
ギター・リフの上にロブの歌声が乗る。オーソドックスなスタイルで、アンダーグラウンドな雰囲気は前作のB面に近い。
I cased the joint !
ここで切り裂くようなハイトーンが緊張感をもたらす!強力な武器を持つ人は違う!決して曲が一本調子になる事はない。
I’d had too much~
ソフトなタッチで歌うこのパートも味があり、聞き入ってしまう。
渋いギター・ソロがその場を支配する。ニューヨークの夜のバー、ヤバい雰囲気をうまく表現している。
3コーラス目を歌うと場面は変わる。
I’m going, no loss !
テンポアップしてハード・ロックらしいメロディーで進み、物語は佳境に入る!ロブのハイトーンが上に重なり緊張感は増す!
徐々にテンポダウンして、最後は怒りの叫びがぶちまけられる!
邦題の「不当なる弾圧」の意味する所。
よく聴くと本当にしっかり作られた曲だ!
7)Here Come The Tears
哀しみに満ちたバラード。
Once I dreamed~
何度も言いますが、ロブ様の歌うバラードは本当に素晴らしい!中音域~低音域の表現力、甘い歌声にはうっとりしてしまう。
Ohhh I want to be loved !
そして中盤からついにロブの切り裂くハイトーンが登場する!前作の「夢想家」を思わせる。ビブラートをかけながら下降する声は主人公の哀しみを強力に表現している!幽霊みたいだけど。
そして哀愁のギター!たっぷり泣いている!
Here come the tears !
ロブは情念の叫びを繰り返す!
最後は爆発音!
8)Dissident Aggressor
祭囃子のようなシャッフル・サウンドが徐々にわき上がる!そして、
Ah~~~~!
切り裂きハイトーンがこだまする!高い!凄く高い!
雄大なウネリを持ったリズムで進む!
Grand canyons !
ハイトーンを惜しげもなくキメて歌う!この見事に伸びる歌声は本当に素晴らしい!
Stab ! Bawl !
中音域と高音域の掛け合いが強力!まさにクライマックス!もうカッコよすぎる!
ギター・ソロも吼えまくる!凄い!
I’m stabbing and Bawling !
強力な掛け合いの後はロブのハイトーンが幾重にも重なって行く!もはやカオス!
いや、凄かった!名曲につぐ名曲でした!
この後は名曲「Exciter」の登場ですね!これからどんどん飛躍して行く時代というのはいいですね、しみじみ思います。
〈JUDAS PRIEST〉
Glenn Tipton:Guitars
Robert Halford:Vocals
K.K. Downing:Guitars
Ian Hill:Bass
〈guest〉
Simon Phillips:Drums
JUDAS PRIEST / Sin After Sin を語る。
価格:1,065円 |
お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。
トリスタン
〈おすすめ記事〉
ザ・ジューダス・プリースト (SHINKO MUSIC MOOK) 価格:2,750円 |
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『sinner / 罪業人』はプリーストの曲でも特に好きですね
最初から最後まで、長めな曲でありなから展開の起伏が派手で何回聴いても飽きないですよ
1:58辺りと一番最後の空耳は有名ですね(^^)
https://ameblo.jp/sinn-utarou/entry-12659153936.html
再びのコメント、ありがとうございます!
Sinnerはいつ聴いても飽きませんよね!
この時代のブリティッシュ・ハードロックの深みがあります。
そしてこの曲の空耳は初めて知りました!いや笑えますね!
最高です!
先にこの空耳を知ってから聴きましたが、投稿した方は良く見付けたなぁ〜と思った上に、フルで聴いて格好良さが解った上に、今ではこの箇所がそうとしか聞こえなくなってしまいました(^^)
そうですね、今まで何回も聴いてもあんな風に聞こえるとは気づきませんでした。
凄いと思います。
空耳は面白いですが、そう聞こえてしまって仕方ないという問題もありますね!
決して洋楽を笑い物にしたいとは全く思えないのですが、やっぱりその様なネタを聞いてしまった後に原曲を聴くと、本当にそうとしか聴こえなくなる部分がありますね…後でネタを知った曲では、プリーストだと『Breaking The Law』のサビが「ネギトロ」(但し、ライヴだと普通に発音している様に聴こえるヴァージョンもあったりします)や、オジーさんの『Bark At The Moon / 月に吠える』のタイトルを言う箇所が「馬鹿だもん」に聴こえるのは有名ですが、曲が格好良い事に変わりはないですね
知った者でひっそりと楽しむのは良いと思えますよ
悪意を以って、馬鹿にしたつもりでは無く書きましたのですが、お気を悪くされてしまいましたら済みませんm(_ _)m
いえいえ、私も楽しんでおります。
原曲の魅力は損なわれていないと感じます。
たびたびのコメントありがとうございました。