ディープ・パープル/ハウス・オブ・ブルー・ライト 1987年 発表。
再結成した「ディープ・パープル」は「Perfect Strangers」に続いて、またしても名盤を発表した!
衝撃的な再結成で世界中を興奮させた「ディープ・パープル」。
そして黄金のサウンドを80年代のスタイルで表現した「Perfect Strangers」。
本物の風格に酔いしれた我々の前に、再び歓喜の時はやって来た。
「The House Of Blue Light」
輝かしい未来に向けて再び名作は放たれた。
何と素晴らしい時代に生まれ合わせた事だろうか!
人類にロックが登場し、それは成長、進化を遂げて来た。その歴史に立ち会えたのだ。
数多くの夢を見せてもらった。我々は幸福だった。
そして、この先はどうなって行くのだろうか。
〈The House Of Blue Light〉
side A
1)Bad Attitude
荘厳なキーボードが広がる。バンドは力強く打激を加える!
Take a look at these dirty hands !
重戦車のようなイアン・ギランのヴォーカルが轟く!バンドは空間を活かしたアンサンブルで、絶妙なウネリを醸し出す!
イアン・ペイスのバスドラの音が、紛れもなく「これはディープ・パープルの音楽だ!」と感じさせてくれる!何という名人芸!
芸術的コード進行に導かれてサビへ。
You got yourself a load of trouble now !
派手さはないがロックの醍醐味を感じさせてくれるフレーズだ!
リッチーのソロは作り込んだモノではなくフリーな感覚でプレイしているようだ。滲み出るテイストが巨匠の証である。
エンディングはジョン・ロードの刻むシンセサイザー。変拍子のようだ。
派手なプレイを一切せずに貫禄の業で聞かせてしまう…。その辺の若い連中には決して真似出来ない、本物だけが持つ風格がここにある。
ロックの殿堂。という言葉が相応しい。
2)The Unwritten Law
畳み掛けるようなアンサンブルで、リッチーとイアン・ギランがブルーズなメロディーをユニゾンする!いきなり凄いインパクトだ!
大きなウネリを持つリズムがパーカッシヴに行進する!
I’ve got a warning for you !
イアン・ギランの重戦車ヴォーカルが再び放たれる!こういうタイプのヴォーカルは他にいないのでは?
ヴォーカルの裏に流れるメロディーが効果的。
I’ve got the evidence !
サビはなかなかキャッチー!だがロックのカッコ良さが見事に現れたフレーズだ!
リッチーのソロはやはり全然考えてないようなフレーズだ。「その瞬間のリッチー」を捕らえた記録と言える。それでいいのだ。
最後はドラムの舞いが、その場を支配する。
この2曲だけでロックの奥義を見た気がする。
3)Call Of The Wild
これまたオーソドックスだがカッコいいイントロだ。
Operator, I’m looking for a girl !
明るいメロディーが登場。爽やかで心地良い。明らかに路線が変わった。
She ain’t got a face !
何と!ポップスではないか!やってしまったか?!これが80年代というヤツか?!ディープ・パープルがやる意味は果たしてあったのだろうか?
リッチーもソロらしいソロはない。必要ないと思いましたか…。
4)Mad Dog
リッチー独特の音色のギター。軽快なコード・カッティングが気持ちいい。そのまま8ビートで進行!
Don’t look too long in my face !
これも明るいメロディーが登場!しかしロックらしいグルーヴに満ちていて爽快!ジョー・リン・ターナーが歌ったらレインボーですね。
Mad Dog !
サビは冒頭のカッティング・フレーズを基盤にイアン・ギランの歌が乗る!パワーが溢れていてとにかくカッコいい!
少しコミカルな音色のキーボード・ソロ。この音色は何を狙ったのだろうか?
曲の最後はリッチーのソロ。ある程度メロディー・ラインが感じられる。長めに弾いているが自己主張はほとんど無く、このソロに込められた意味は聴き手に委ねられる。
リッチーとファンの関係は真剣勝負である。
5)Black &White
ハーモニカ炸裂!そしてそのメロディーをギターがなぞる!弾む様なリズムで曲はスタート!
Read all about it tell me…
この何ともイカしたグルーヴ感に、体は踊り出しそうになる!イエ~イ!
I got a joke up my sleeve !
ここからメロディーがカッコよくなる。コーラスもキマっている!
Black & White !
そしてブルーズ・ロック風のユニゾン・フレーズが登場!こういうのはカッコいいんだよね!特にライブでは!
またしてもリッチーは押さえ気味のソロ。ボーッとしていると聞き逃すので注意!
エンディングはハーモニカとギターのバトル!しかしあっという間にフェイドアウト。
これだけシンプルな音楽をやっていても、このメンバーがプレイすると黄金の輝きを放つ!
つくづく偉大である。
side B
6)Hard Lovin’ Woman
ロックらしいメロディーのユニゾンで勢い良く始まる!ジョン・ロードはオルガンを使わずブラスっぽい音色でプレイ。ロックというよりジャズの雰囲気?
She walked into room !
イアン・ギランの重戦車ヴォーカルが再び炸裂!この突進するエネルギーはさすがだ!
Some woman !
サビのヴォーカルの裏で流れるメロディーが、往年のディープ・パープル節!やはりこういうフレーズが出て来ると嬉しい!
そしてリッチーはギター・ソロをボトルを使って終始メロディックにプレイ!ついに手を変えて来た!
最後はイントロのフレーズにブレイクを加えてバシっと終わる!
パープルらしい音楽で気分も爽快!
7)The Spanish Archer
バーンと音が伸びてギター、オルガンが妖しげな雰囲気を漂わせる。いいぞ!何か凄い事が始まりそうだ!
スネアに導かれてシャッフルのリズムでスタート!レインボーの「治療不可」の様なイメージ。
Well there must have been a reason !
イアンの歌声が入るとパープル以外の何者でもない。さすがだ。
そしてリッチーはレインボーのフレイバーたっぷりのギターをぶちかます!熾烈な戦いとなった!
再びイアンの歌声によりパープル・テイストに!
そしてリッチーは…(以下同じ)
リッチーとイアンの熾烈な戦いが繰り返される、非常に聞き応えたっぷりの曲となった!リッチーは弾きまくりで応戦!勝負の行方は?!
8)Strange Ways
Strange ways !
エフェクト処理されたコーラスがいきなり登場!そして中近東フレーズが軽快に行進する!リッチーのギターはその上を浮遊する!
I was born into confusion !
イアンは中近東の情勢ではなく、今の混迷の時代について歌う。何かおかしな世の中だ。
リッチーのギターはこういう曲によく合う。
間奏ではジョン・ロードのキーボードが奇妙な世界を演出する。
ギター・ソロも奇妙。
中近東フレーズが曲を支配する。
9)Mitzie Dupree
へヴィーなギター、ピアノ、曲はブルーズ。ゆったりとしたリズム。
Flying to salt lake city !
イアン・ギランはいきなり高音域で歌う!ライブでやらない前提ですな。カッコいいじゃないですか。
A name like Mitzie Dupree !
サビのフレーズとして、イントロのメロディーが大きなウネリを持って登場するのがカッコいい!う~ん、パープルだなぁ~!
歳をとるとこういうフレーズがたまらなくカッコよく感じる。歳をとるのも悪くない。
リッチーのギターもブルージーで最高じゃないですか!
エンディングではイアンのハイトーン・シャウトも炸裂!
10)Dead Or Alive
リッチーの速いパッセージのメロディーで始まる!そして疾走!劇的なリフ!王者の凱旋だ!
Don’t turn off the light !
イアン・ギラン歌う!問答無用のカッコ良さだ!これぞハード・ロック!王道ナンバーを最後に持って来たか!
Dead or alive !
サビではイントロのリフにイアンのヴォーカルが乗る!完璧だ!
そして間奏ではジョン・ロードのクラシカル・フレーズが華麗に舞う!オルガン・ソロもカッコいいぞ!
そのままリッチーのソロに引き継がれる!
そしてリッチーとジョン・ロードの熾烈な戦いが繰り広げられる!まるで神々の戦いのようだ!圧巻である!
これ程の名曲がもう、誰にも演奏されずに終わってしまうのだろうか?一流ミュージシャンが集まってプレイして、後世に繋げるべきだと思います。
そして何とイアン・ギランが脱退!後を継いだのは何とジョー・リン・ターナー!
何が起こるか分からない。そして…。
〈DEEP PURPLE〉
Ritchie Blackmore:Guitars
Ian Gillan:Vocals
Jon Lord:Keyboads
Ian Paice:Drums
Roger Glover:Bass
そしてジョン・ロードのご冥福をお祈り致します。
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トリスタン
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