ウリ・ジョン・ロート(エレクトリック・サン)/アストラル・スカイズ~天空よりの使者 1985年 発表。
仙人とも呼ばれるギタリスト「ウリ・ジョン・ロート」が、「エレクトリック・サン」時代に遺した空前絶後の名作!
大宇宙、大自然、森羅万象と命が繋がる神とも言える天才アーティスト。
〈ウリ・ジョン・ロート〉
私の師匠である。
世に天才ギタリストはたくさんいる。しかしウリは別次元である。
皆さんはこのアルバムを聞かれただろうか?
これ程までに美しくエモーショナルで、フィーリングに溢れたギター・プレイは他に存在しない!
まるで大自然の意思が人間の肉体を得て、ギターをプレイしたらこうなるのでは?という素晴らし過ぎるプレイである!
そしてこのアルバムから使用される事になる「スカイ・ギター」1号器「Dolphin」。
その後、「スカイ・ギター」は進化を重ねて凄い事になっている。
1号器「Dolphin」6弦
2号器「Purple」6弦
3号器「Emperor」6弦
4号器「Mighty Wing」7弦
5号器「Destiny(Rembrant Sky)」7弦
6号器「Lionheart」6弦
7号器「Infinity」7弦
まだまだあるが、そして1本ずつ解説したいがまた別の機会に。
32フレットによる、空に届く様な高音域の凄さと同時に、重要なのはそのトーン、音色の美しさである!
2号器までは普通のシングル・コイル+ワウであるが、3号器からは「Mega Wing」という特殊なピックアップが使用されている。(長くなるので、ここまで)
このアルバムではまだシングル・コイル+ワウであるが、極上のトーンが聞ける!
そして極上のメロディー!
そしてテクニックが正確過ぎて、速弾きをしても音のツブが揃っているため、一つ一つの音が聞き取り易く、それほどの速弾きに聞こえず、実際に自分で弾いてみると速すぎて弾けない。
あまり評判の良くないウリのヴォーカルは、このアルバムに於いて素晴らしい歌唱を聞かせてくれる!というか他の誰にもウリほど素晴らしくは歌えない!
このアルバムに於けるウリのエモーション、フィーリングはギター、歌唱共に絶品である!
今は亡きモニカ・ダンネマンが描いた古代エジプト王「イクナートン」のアルバム・ジャケットも素晴らしい。
〈Beyond the Astral Skies〉
Side A
1)The Night The Master Comes
雷鳴が轟く!天空の叫びである!
そして人間たちの、天空への祈りの様なコーラスで始まる!
そしてウリのギターが感情を込めて雄叫びを上げる!
何とエモーショナルな音楽なのか!イントロだけでノックアウトである!
そしてウリは歌う!その歌声は「天空よりの使者」の様である!
The night the Master comes !
そしてウリのギターには生命が宿り、思いのたけを込めて歌い上げる!このアルバムを象徴する様なメロディーを!
ハンドビブラート、アームビブラートを巧みに使い分け、ワウを絶妙なタイミングで掛ける!
まさに天空の意思を感じさせる!
そしてそれを讃える人間たちのコーラス。
全てがあまりにもエモーショナルである!次元を超えた、ウリ・ジョン・ロートだけにしか生み出せない驚異の音楽である!
2)What Is Love ?
イントロから美しいメロディーがハーモニーを伴い舞い上がる!
ヴォーカルはマイケル・フレクシグ!たおやかなハイトーンはこのアルバムにとても合っている。
スローダウンしてウリにチェンジ。邪悪の毒が人々の心を犯すのを嘆いている。
What is love ?
これは人類に最も必要なモノである!
誰かその答えを知っているか?
ウリはギターに深い愛と悲しみを込めて、美しいメロディーを奏でる。中音域から高音域へと思いが翔け抜ける!本当に心が動かされる!
What is love ?
ウリは問いかける。
3)Why ?
鳥たちのさえずりが聞こえる。
美しいピアノがカノン進行によって、大自然の輝きを写し出す。
そしてウリは歌う。賢者が世界を深く洞察し、問いかけるように。
何故?
様々な疑問が世の中には存在する。深く考えるのだ!
何故?と。
しかしこのウリの歌唱はエモーショナルで本当に素晴らしい!サビの人間たちのコーラスもエモーショナルだ!
そしていくつもの劇的な転調を経て、ギター・ソロを迎える!
カノン進行に乗せて、とてつもなく美しくエモーショナルなメロディーが繰り広げられる!
生命を宿したギターは、溢れ出る思いを押さえ切れず泣きまくる!
感情を大きく揺さぶるビブラート、チョーキング、流れる様なパッセージ、高音域の泣き、雄大な魂の叫び、大自然の優しさ、大宇宙の無限の意思、全てが猛烈な感動を呼び起こす!
後半から一音キーが上がり、その感動は自乗化し、彼岸の彼方へと向かう!そこに広がる風景はまさに霊山浄土!
あまりにも素晴らしい!
私の人生の中で、史上最高のギター・ソロであると断言する!
これが私の師匠です(涙)!
4)I’ll Be There
ムーディーなイントロ。
ウリのヴォーカルから哀愁が滲み出る。
サビは雄大なノリに包まれる。
I’ll be there !
そして「スカイ・ギター」の登場である。
美しく雄大で哀愁のメロディーを歌うように大切に奏でる。
高音域まで自在に行き来するプレイは、まるでヴァイオリン協奏曲を聞いている様だ!
優雅で格調高くもある!
クライマックスは驚異の超正確な高速アルペジオ!絶対弾けないって!
サウンドは激しさを増し、そのプレイにはジミ・ヘンドリックスの魂が宿る!
激しいアーミングを使った「スカイ・ギター」の叫びが凄い!
もはや異次元!師匠の真骨頂である!
5)Return
吹きすさぶ風。
ゆったりとオリエンタルなテイストが漂う。
二人の女性シンガーによる美しいスキャットが色を添える。
ギターが空を舞う鳥の様に、泣き声を上げる。
Side B
6)Icebreaker
16ビートのリズムに乗せて軽快に疾走する。
いきなり歌が始まる!ヴォーカルはマイケル・フレクシグ!伸びやかなハイトーン!
オリエンタルで不思議なテイストのメロディーだ。
サビでウリとチェンジ!「太陽と月の輝きで、心の氷山を溶かそう!」と歌う。やはり愛に溢れている!
そして「スカイ・ギター」の登場!プレイされる全ての音に意味があり、美しく圧倒的な説得力を持つ!とてつもなく芸術的で素晴らしい!
中間部のグルーヴがいい。そしてウリは詩を語りかける。
怒涛の如くサビを繰り返し、曲は終了する。
7)I’m A River
川の流れる音が聞こえる。心が癒される。
すると突然「スカイ・ギター」と共に、全力でイントロが轟き渡る!大自然の叫び声だ!内に秘めたエネルギーが全面開放されたようだ!
そして郷愁を誘うリコーダーの調べ。魂の故郷へといざなう。
ウリは川の精となり歌う。
I’m a river~
とても心にしみる歌声である。
「スカイ・ギター」が郷愁のメロディーを奏でる。胸を締め付ける様な心のメロディーだ。故郷が浮かぶ。
ウリは続けて歌う。罪深き我々の魂を、清き川の流れで浄化するように。
ウリは我々の様な不浄な生き物とは違う!間違いなく聖人であると断言する!
そして「スカイ・ギター」は「Why ?」にも匹敵する素晴らしいソロを奏でる!
「Why ?」が全宇宙を表現しているのに対して、このソロはまさに日本の情緒を表している!(そうとしか思えない)
懐かしい故郷の山、川の心がメロディーとなって流れ出ている!実際、日本の民謡を思わせるキメのメロディーも出て来る!
何という美しいメロディー、心だろうか!これを聞いて何とも思わないヤツは人間じゃない!
そして華麗なプレイである!スローなメロディーも速いメロディーも本当に素晴らしい!
8)Angel Of Peace
平和の天使である。
何とも心に沁みるメロディーである。
ウリの歌声は独特のやわらかさ、滑らかさがあり、安らぎを感じる。悩み、苦しんでいる時に優しく抱擁してくれそうです。
天上の楽園というか、桃源郷というか夢見心地である。
9)Eleison
ラテン語による混声合唱団の歌声が荘厳に響き渡る!聖書の一節か?
ストリングスも登場する!
そして16ビートで疾走する!
マイケル・フレクシグとコーラス隊もラテン語で歌う!
モーツァルトの「レクイエム」にインスパイアされた曲だが、非常に不穏な空気を放ち、さながら「黙示録」の様な脅威を感じさせる!
ギターは荒々しく破滅的な世界を描写している!
サブタイトルも凄い!
1)十字架と光
2)生けし者を解き放ち給え
3)主よ、憐れみ給え
4)黄泉より
5)審判を下された者の行進
6)獣の面前で
7)遠ざかる地獄の翼
8)最後の戦い
9)そして地上に平和が訪れた
これはもう叙事詩である。7分ほどの曲で納めるのでは無く、アルバム一枚使って表現してはいかがですか師匠?
10)Son Of Sky
Son of sky !
天の息子に向かって、「あなたが必要だ」「あなたは我々を救ってくれる」と歌う!
歌うのはマイケル・フレクシグとコーラス隊。
天の息子とはもはや「ウリ・ジョン・ロート」でしか有り得ない!
荘厳で喜びに満ちた終幕である!
ヘンデルのオラトリオのようである!
まさに空前絶後の名作である!
★~★~★~★
ものすごく長い年月を空けて、アルバムを少しずつ発表する師匠。次は…?
ULI JON ROTH
Guitars, Vocals, Keyboads, Bass
Clive Bunker:Drums
Michael Flechsich:Vocals
Ule Ritgen:Bass
Elizabeth Mackenzie:Soprano, Alto
Robert Curtis:Violin, Viola
Jenni Evans:Harmony vocal
Dorothy Patterson:Harmony vocal
Nicky Moore:Vocal
Zeno Roth:Harmony vocal
Rainer Przywara:Harmony vocal
〈All composition and lyrics 〉
Uli Jon Roth
〈Cover Paintings〉
Monika
Production by Uli Jon Roth for EMI
This album is dedicated to Martin Luther King and to you
そしてモニカ・ダンネマンとジーノ・ロートのご冥福をお祈り致します。
ULI JON ROTH(ELECTRIC SUN)/ Beyond the Astral Skies を語る。
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トリスタン所蔵、スカイ・ギター プロトタイプ〈STAR BIRD ONE〉
お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。
トリスタン
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いいですね、バンヘーレン死去により、また特集でもお願いいたします
コメントありがとうございます。ヴァン・ヘイレンはあの当時ヒーローの一人でした。