第158話 ファルコン/ミステリー を語る

ファルコン/ミステリー 1995年 発表。

ドイツから現れた驚異のメロディック・ハード・ロック・バンド!まるで北欧メタルの様な透き通った美旋律に感動する!

サウンドは若干B級の香りがする。しかしメロディー・センスがハンパなく素晴らしい!これ程の作品を歴史に埋もれさせてはいけない!メロディック・ハード・ロック・ファン必聴である!

ヴォーカルは特に凄い訳では無いが、その美声でこの美しいメロディーを確実に引き立てている。

ハイトーンでは無いが、ハイトーンの様に聞こえる。不思議だ。この美声ならハイトーンは必要無いだろう。

ギターもこの作品を表現するに十分なセンスを持っていると言える。後半は凄くテクニカルだ。

そして何と言っても終盤に収録されている「Feel The Tears」の素晴らしさは驚異である!メロディック・ハード・ロックの歴史に燦然と輝く名曲と言える!

よもや聞かずにスルーしては絶対にダメである!

結成当時、バンド名は「GLORY」だったらしい。しかしスウェーデンの「GLORY」からクレームがきて、この「FALCON」にしたらしい。こっちのがあっていると思う。

「GLORY」のCDは入手困難だが、この「FALCON」の「Mystery」は中古で安く買えるので、持って無い方は騙されたと思って買って下さい。

〈Mystery〉

1)Take Me Away

感動的なイントロがフェードインで始まる。

ヴォーカルは美しいメロディーを歌う。背後に聞こえるキーボードが美しい。

ブレイクして現れるピアノが効果的だ!

サビのコーラスはメジャーだが、哀愁があってとてもいい!

Take Me Away !

ギター・ソロは美しいハーモニーを奏で、飛翔する!いいじゃないか!

オープニングにふさわしい名曲!

2)Addiction

シャッフルのリズムに乗り、正統的ハード・ロックが始まる。やはりルーツはこれなんでしょう。

間奏はオルガン・ソロが飛び出したかと思えば、ギター・ソロでパープルのフレーズも出てくる!面白い!

そのギター・ソロは非常によく構築されていて見事!いいセンスをしている。

とても充実した曲だ。

3)Takin’ It Over

北欧風の透明感があるメロディーが素晴らしい!

サビはとてもキャッチー!

ギター・ソロも聞かせてくれる!テクニカルな前半とメロディックな後半に別れている。

この作曲センスは侮れない!

4)Motorcycle

インスト。北欧風のメロディーはあまり聞けないが、爽快な風を感じる!

凝った作りになっていて、聞き応えがある。

5)The Wood

哀愁のバラード。コード進行がプログレ的でもある。

非常に懐が深い曲作りでこのバンドのポテンシャルの高さを感じさせる。

オランダの「カヤック」に近いイメージがする。

6)Mystery

ギターのへヴィーな8分刻みからキーボードの華麗なリフにつながる!

シリアスな雰囲気のメロディック・ハード・ロックだ!これはカッコいい!

ギター・ソロはタッピングも登場してテクニカル!しかし上手く曲を盛り上げている!

7)I Don’t Know

メロディックな曲ばかりでは無く、バリエーションとしてグルーヴを効かせた曲を持って来た!これはこれで面白い。

ギター・ソロは弾きまくり全開!そしてジャズ・テイストが炸裂!

いいスパイスになっている。

8)Feel The Tears

感動的なキーボードに導かれ、バンドが入って来るアレンジは素晴らしい!

ヴォーカルのメロディーは本当に美しい!コード進行、というかキーの変え方のセンスが素晴らしく感動的!

北欧風の透明感に満ちた哀愁のメロディーはハーモニーを伴い、胸を締め付ける!本当に素晴らしい!

ギター・ソロも極上の仕上がりで見事!美しいメロディーをハーモニーで演出している!

これ程の曲をデビュー・アルバムに持っているとは本当にただ者ではない!

歴史に燦然と輝くべき名曲である!

最後はコーラスで締めくくる。

YouTube「Feel The Tears」はこちら

9)Open My Eyes

前曲のコーラスからの繋がり方がまるで、アルバムの1~2曲目の展開を聞いている様だ。エンディングと言う感じでは無い。

正統的メロディック・ハード・ロックで、サビも哀愁があって印象的。

ギター・ソロもテクニカルに泣いている。

哀愁のサビが繰り返され、フェードアウトして行く。

名作「Mystery」で今後に大きな期待をかけたが、何と次作でヴォーカルが変わってしまい、音楽性は同じながら曲の魅力は下がり、非常にがっかりした!

しかしこの「Mystery」の輝きは不滅である!

〈FALCON〉

Michael Siebert:Vocals

Arne Groschel:Drums

Torsten Sickert:Bass

Hacki:Guitars, Vocals

Michael Kuhnhen:Keyboads

FALCON / Mystery を語る。

お越し頂き、ありがとうございました。また お逢い致しましょう。

トリスタン

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