キャメル/ムーン・マッドネス「月夜の幻想曲」1976年 発表。
名盤「スノー・グース」に続く新作は再びヴォーカルを取り入れた、月夜の冷たい空気が漂う幻想曲。
「キャメル」の魅力は色々ある。美しいメロディー、叙情性、幻想性、物語、安らぎ、ドラマチックな展開、ジャズの様な軽妙なリズム、スリリング、泣きのギターなど。
これらがバランスよく混ざり合い、絶妙な味わいを醸し出す。
この「 ムーン・マッドネス」は「キャメル」の歴史の中で最も充実していた時期だと思う。
オリジナル・メンバー全員が揃っていた最後のアルバムでもある。
「キャメル」は本当に素晴らしかった。
あの頃を思い出す。
〈MOONMADNESS〉
Side 1
1)Aristillus〈アリスティラスへの誘い〉
ピーター・バーデンスの美しいシンセサイザーが舞うインスト。月旅行に出発するイメージが浮かぶ。
2)Song Within A Song〈永遠のしらべ〉
ゆるやかでたおやかな空気に包まれる。フルートも美しい。
幻想的なヴォーカルは安らぎを感じさせる。
大きなリズムに乗ってリフが繰り返される。そして軽妙なリズムでシンセサイザーは歌う。この雰囲気は何とも言えないキャメルらしい流れだ。
最後は一つのメロディーが繰り返され盛り上がって行く。
ファンタジーを感じる。
3)Chord Change〈転移〉
こちらも軽妙で複雑なリズムに柔らかいメロディーが乗り、何ともキャメルらしい。少し「スノー・グース」の流れを感じる。
スロー・パートのギター・ソロも味わい深い。そのままキーボード・ソロにつながる。
再び軽妙なリズムにチェンジ。このジャズっぽいところが魅力。
聞いていて気持ちがいい。
4)Spirit Of The Water〈水の精〉
叙情的で淋しげな小曲。これもキャメルの一面。
Side 2
5)Another Night〈月夜の幻想曲〉
ハード・ロック的な力を感じるナンバー。しかし叙情的だ。
ギター・ソロは上手く組み立てられていて、ドラマチック!
エンディングでオルガン・ソロから再びギター・ソロにつながり、たっぷり聞かせてくれる。
6)Air Born〈ゆるやかな飛行〉
キャメルの曲の中で、1~2を争う叙情的ナンバー。この曲のファンは多いはずだ。
フルートから始まるが、このメロディーの美しさは、ただ事ではない!
続くギターのメロディーの美しさも、ただ事ではない!
それに続くヴォーカルの美しさも、ただ事ではない!
間奏のフルートの美しさも、ただ事ではない。
そして幻想的なフレーズが続く。
再び登場するヴォーカルの美しさも、ただ事ではない!
エンディングのシンセサイザーの美しさも、ただ事ではない!
美しいメロディーの連続に気絶しそう。
7)Lunar Sea〈月の湖〉
このアルバムのもう1つのハイライト。
月の神秘を感じるシンセサイザー。
そしてジャズなリズムの上に、切り裂く様なギターが飛翔する!この緊張感はただ事ではない!
少し落ち着けるリズムになり、はずむ様なベースが印象的なメロディーを繰り返す。
そしてシンセサイザーは、再び私達を月旅行に連れて行く。何ともいい気分になる。
再びジャズなリズムになり、ギターは余す事なく存分に弾き倒される!リズムもどんどん激しさを増す!これは凄い!
最後のリフを繰り返しつつフェードアウト、月の神秘のシンセサイザーが再び現れて幕をゆっくりと降ろす。
キャメルの才能が惜しみ無く注ぎ込まれた、圧倒的な名曲!
残念ながらこのアルバムを最後にダグ・ファーガソンはキャメルを脱退する。後任は何とリチャード・シンクレア。
〈CAMEL〉
Andy Latimer:guitars, flute, vocal
Peter Bardens:keyboads, vocal
Doug ferguson:bass, vocal
Andy Ward:drums
そしてピーター・バーデンスのご冥福をお祈り致します。
CAMEL / Moonmadnessを語る。
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トリスタン
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